2004-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「強制された自己決定」

最近、東京の小学校のPTA会長(僕と同い年)が、公の場で日の丸・君が代問題に触れたところ、辞任に追い込まれたそうです。 朝日新聞の記事であることを差し引いても、これが事実だとしたら本当におぞましい。 「お子さんがいじめられるかもしれない」 予想…

憲法・公私・単独性

『憲法対論』ISBN:4582851649、ようやく第1章読了。 ひきこもりを考える上で必読と感じました。 1年前の僕なら、たぶん読めなかった。 致命的なものを扱う言葉が自分の中に成長するのに、これだけ時間がかかった、ということかもしれません。 僕は斎藤環氏…

コメント欄

17日のコメント欄は、大事な投稿をたくさんいただきました。 以下、僕なりに整理してみます(自由間接話法みたいにさせていただきます)。 奥まった段落が僕のレスポンスです。 id:anhedonia 氏: 「社会」や「国」を口にする人に「公」の意識があるわけでは…

 現状確認

興味深いコメントをたくさんいただいているのに、更新遅れてすみません。 話が大事なところに差し掛かっているせいもあるのですが、個人的につらいことがあったり、体力的にダウンしたりしてました(19日はデビューネットさえ休んでしまった)。 迷走すると…

積み残し

……というわけで、「私」と「公」の関係は、「ひきこもり」というテーマに内在的であると思うのですが。 実はこの「公私」のテーマ、拙著の中では最も「うまく語れなかった」部分だと思っているのです。 「いちばんうまく語れなかったが、でもひょっとすると…

「公と私」

宮台真司氏の『憲法対論』、魅力的ながら読み進むのにとても難儀しているのですが、ひとまず「公私接続の論理」を問いの機軸として、読む努力をしてみようと思います。 でも、「ひきこもり支援」について論じるのに、「公私」の話なんて必要なんでしょうか。…

「法や制度」と、「慣習や世間」

最近、憲法を調べてらっしゃる id:matuwa さんからは、具体的な論点とともに、「公私の区別は、憲法が決めている部分もある」というご指摘をいただきました。なるほど。 ええと、まだよくわかっていないのですが、「法律」というのは「国が国民を縛る」もの…

 「公私混同」のディテール

昨日はコメント欄にて、「世間」や「憲法」についてのご教示をいただきました*1。 いずれも、すでにアカデミックな議論が大量に積み重ねられているのだと思います。 論点の取捨選択が難しいところですが、「ひきこもり」というテーマ設定との関係において、…

 「公」と「私」のよじれた関係

興味深い論点をたくさんいただき、本当にありがとうございます。時間はかかると思いますが、一つ一つの論点について、じっくり考えてゆきたいと思います。 「雅子妃の現状を≪ひきこもり≫と呼べるか」については、考えているうちに話が広がっていきました。ご…

「敵の武器(たる言語)を、敵以上に上手に使う」

上記2つの「拒絶理由」に関連し、こちらのコメント欄がとても興味深いのですが、ここでは「排除された者の戦略」について、少しだけ。 「親に捨てられた孤児」であった作家ジャン・ジュネは、そのあまりに見事な表現力が高い評価を得ているそうですが、次の…

拒絶の2つの理由

今回の「天皇」云々の提案について、引きこもり関係者(とりわけ当事者・経験者)からの反発がどうしてこれほど激しかったのか。実は僕自身、1経験者としては痛いほど思い当たりますし、そこを「あえて」やっているところがあります*1。 拒絶や反発の理由は…

個人的訓練・環境整備・解釈変更

引きこもりというのは、深刻度を増せば増すほど苦痛が激しくなり、その脱出の極度の困難さから(そして「脱出後」にも、就労およびその継続は極度に困難であることから)、ほうっておけば「死に至る」状態です。「ひきこもっている状態そのものが悪である」…

「引きこもり=マイノリティ」?

僕は無造作に「引きこもりというマイノリティ」などと書いていたのですが、よかったのでしょうか。 つまり、たとえば「黒人」や「同性愛」などの生来の条件によって社会的少数者に追い込まれた場合は、「その条件を改変することは不可能」であり、「そもそも…

 脱落者に必要なもの

こんにちは。13日のエントリーにはたくさんの書き込みをいただき、うれしいかぎりです。コメント欄にて長文のレスポンスも試みてみましたので、よければあわせてご覧ください。 【この件については、もちろん引き続きご意見を募集いたします。すべてに十全な…

3つの態度

勉強はぜんぜん進んでいないのですけど、その時その時で、通過点的に理解メモ、というか疑問メモを残してみようと思います。*1 天皇への態度について、今の僕は次の3つを分けて考えています。*2 ≪ 形式的尊重 − フェティシズム − 「愛」的執着 ≫ (1)形式…

「抽象的思考」の是非

先日からわがコメント欄で大活躍の id:anhedonia さんですが、また興味深いご指摘をいただきました。 「セクシュアルマイノリティの世界では、抽象的な思考は排除されてはいない」そうです。僕は伏見憲明という方のお名前も知らなかったし、セクシュアルマイ…

たのむよ

僕*1に対する罵倒の多くは、文章全体を読み取る努力をせず、「1つのフレーズ」レベル、もっとひどい場合には「1つの単語」レベルで僕の言っていることを判断し、それを攻撃しています。 文章そのものが「パフォーマンス」ですから、ブログのレイアウトを洗…

なんでそうなるの

「天皇」云々と書いたことについて、「ガッカリした」「これで上山も過去の人だな」など、いくつかのブーイングが出ています*1。僕としては、「議論することに価値はあるかな」と問いかけただけだったのですが、「天皇」という単語を持ち出して引きこもりを…

読んだもの

「引きこもり支援のために、天皇制について論じる必要はあるか」については、なかなか具体的な発言ができません。なので、「読んだもの」について、とりあえず列記してみたいと思います。読んだかたは、声をかけてくださるとうれしいです。 東浩紀(id:hazum…

「具体的な処方箋」のために

「上山さんがブログでしている考察は、空虚な抽象論であって、まったく意味がない」という主旨の指摘を立て続けに受け、ゲンナリ。「ひきこもりについては、難しいことを考える必要はない」。 対人支援の現場での、個別的なカウンセリング・テクニックや、就…

 友人感謝デー

久しぶりに id:aimee にメール送ったら、なんかほのぼのエピソードになってて。 許可を得て、彼女の返信の一部を転載します。 あとね、Sn*1 が会社の近所で猫拾ってきちゃって・・・これまた大変。 なんか、彼がひとりで会社からコーヒーでも飲みに行ったら…

「観測者=当事者」?

以上までをエントリーしようとしていたら、Ririka さんのコメント欄経由で「観測者が当事者になってしまったの?」というフレーズを発見。 id:fujisawamasashi さんがどんな文脈でこのフレーズを出されたのかはぜんぜんフォローしていないのですが(すみませ…

苦痛緩和に意味あるかなぁ、この議論…。

今回 Ririka さんがアップしてくれた対話ではっきりしましたが、「1つのジャンルの本当に厳密な議論」は、専門家以外には理解不能。以前に「ミドルマン」という概念を取り上げましたが、僕が「ひきこもり関係者の苦痛緩和」のためにどんなジャンルの、どこ…

「概念のジャンル越境」あるいは「使える概念」

先日、「自然」記述と「人間(精神・社会)」記述それぞれにおける概念運用についての疑問をメモしたのですが、id:Ririka さんが「自由意志と量子力学」という対話*1をアップしてくれています*2。 このテーマには、歴史的にも膨大な議論の蓄積があるんだと思…

防衛反応的思考停止?【それは引きこもりに深く関係するテーマかも】

「死が排除されているのはまずい」という僕のつぶやきに対し、id:mizutetsu さんと id:dokusha さんが真摯なコメントをくださり、さらにずっとご無沙汰だった id:jouno さんまでお見えになって、うれしい限りです。ありがとうございます。 みなさんの議論そ…

 ミドルマンを目指して?

微熱と下痢が持病みたいになってしまっていて、今日は一日寝てました。うう。

言葉で立ち向かうしかない。

ここ数年間の、「書きかけて破棄したメールや原稿の下書き」を見ていたら、感情の古い部分がダバダバ出てきて、やばいです。「魅力的」という意味でもやばいです。 ところで、うまそうだな、キミ。

死が排除されているのはまずいと思う。

性愛に関する文化はすごく日常化していると思うけど、「死」については、あいかわらず日常から完全に排除されているのでは。 長崎のカッター事件について、教師たちは「命の大切さを」とか「心と心のふれあいを」とか言っているが、学校にああいうヌルイ(そ…

「関係のイデア」?

昨日の話は稚拙でお恥ずかしいかぎりだけど、追記的メモとして。 「関係」について「イデア」という言葉を使えるのか。 僕はそれをどうしても「関数」という言葉で表現したくなるが。 すごく仲のいい人間関係において、 「僕ら、付き合ってるよね?」 → 「Ye…

個体の単独性 → 関係の単独性?

「固有名の循環」にはじまり、「無意識的な愛」「愛国心」「愛情生活」などと迷走を続けている「特殊性/単独性」の議論ですが、リニアな議論展開をするにはまだまだの状態。 このテーマは今後も考え続けていくと思うのですが、今日は懸案だった「本当の愛」…