2023-01-01から1年間の記事一覧

「当事者のために」をメタな口実にする全体主義がエビデンスを軽視する

私にとって倫理とは、フェアな形での自己の素材化のことだ。そこでおのずと生じてくる創発的分析の特異性、そのできる限りの尊重*1をこそ倫理的な営みと呼びたいのだがいわゆる左翼リベラルにとっては、「当事者のために」というような絶対擁護を口実にする…

「当事者」という役割への監禁ではなく、共事者研究というスタンスへ

★藤谷 悠(フジタニ ヒロキ)【「ひきこもり学」を構想する 二人のひきこもり経験者の対話――当事者研究から共事者研究へ】(『日本オーラル・ヒストリー研究』第16号、2020年12月、PDF直リンク) 関連して語りたいことが山ほどあって、細かい文脈や背景まで説明しない…

【「ひきこもり」の30年を振り返る (岩波ブックレット1081)】読了

「ひきこもり」の30年を振り返る (岩波ブックレット 1081)作者:石川 良子,林 恭子,斎藤 環岩波書店Amazon 著者のお三方と私は、以前には何度も面会ややり取りがありました。*1私としては2008年の『ビッグイシュー』での一件がどう扱われているかを知りたかっ…

《弱者性=マイノリティ性=被害者性》の、物神化=資本化

《弱者性》という資本を、 「私はその弱者を代表している」という代表権の詐称 その弱者問題の解釈権の恣意的独占 で独り占めしようとするのが活動家。彼らは弱者性という価値の独占資本を目指す。*1ひとりひとりの《弱者》よりも、弱者価値の代表権と解釈権…

主体化の困難の核心にあるテーマ

論理関係を考えるときには時間を無視している。論理的に考えるといっても論理を瞬時に操ることはできないから、なにがしかの時間を食う。「見比べる」などという簡単な動作ですら、なにがしかの時間を必要とする。まして、時間と共にどんどん変化するものを…

ツイートできなくなった【追記アリ、すでに復旧ずみ】

ツイート: 1日あたり2,400件が上限です。1日あたりのツイート数のリミットは、さらに30分単位のリミットに分けられています。リツイートもツイートとしてカウントされます。(Twitterリミットについて理解する | Twitterヘルプ) 1日あたり2,400件なら1時間…

この世への加担

▼《当事者》概念には主体化の困難と「政治の都合」が詰まっているので、解体構築で妥当な形でやり直すにはまだ数百年かかる。▼私はもはや、暴力に加担するか、一方的に使い捨てにされる形*1でしか社会化されない――そう思い始めるとまずい*2。労働では、生活…

当事者うんぬんの話では、《被害/加害》だけでなく、《功績/加担責任》の軸が要る。

今は当事者といえば被害者ポジションの奪い合いばかりで、誰も「当事者としての責任」を取ろうとしない。しかし日本語の "当事者" には「加担責任」の意味もあるはずだ。*1《被害/加害》だけでは、「この人が引き受けた」の評価軸がない。しかし当事者的で…