2020-01-01から1年間の記事一覧

当事者概念をめぐる議論それ自体の、紛争性の高さ

治療は文化である―治癒と臨床の民族誌 (臨床心理学 増刊第12号)作者:発売日: 2020/08/18メディア: 雑誌磯野真穂「声と沈黙」を読みました。私が貴戸理恵氏と東京シューレの事案を扱って、もう15年以上が経ってしまいました。これはまさしく、【当事者/アカデ…

シナリオ通りの当事者と、関係性への加担責任

www.nhk.or.jp家族会の関係者から伺ったところによると、この番組での各人の発言には事前に用意された内容があったようで、「当事者にシナリオ通りのことを言ってもらった」ということのようですね。もちろん事前に話し合いはあったでしょうし番組の都合上そ…

孤立支援は政治・宗教など、生々しい思想の問題が避けられない

www3.nhk.or.jpwww.nhk-ondemand.jp 支援にかかわる方々が、なんとかして関係を築こうとする――しかし最も難しい問題が、「ご本人による支援の拒絶」だという。あるいは「居場所」が大事なのは確かでも、参加を続けるには、その場の関係がどういう発想で成り…

名詞に支配された、ダブスタの規範言説

ポリコレ系の言説は、名詞形のカテゴリ分けを議論の大前提とする。(「男」「女」「○○人」「LGBT」etc.)これはいわば、超越的で絶対不可侵の前提であって、そもそもそのカテゴリ分け自体が便宜上のものに過ぎないこと、また「カテゴリ以前に同じ人間だろう…

いまだに双方向的な課題設定ができていない引きこもり論

www.mag2.com「けっきょく悪いのは引きこもる奴ら」を落としどころにしても、そういう語りそのものが事態悪化に加担してしまう。 「引きこもり」は親が養ってくれるから安心して自宅にひきこもれるのだが、親は彼らが50代になったからと言って「いい加減に働…