平野悠『超高級老人ホームに入ってみた』

筒井康隆氏が高級老人ホームに入られたようで、これは別の人だが読んでみた。1944年生まれでライブハウス「ロフト」創業者とのこと。

話題も語り方もいかにも古臭く、登場する人脈が今ではほぼ相手にされなくなった左翼系人士ばかり。30~40年前とは知的風景が一変してしまったことを痛感した。

高級老人ホームといっても高齢者はボーッとして虚無に向き合うだけであり、間近に迫る死を考え――という当たり前のことが雑談風に書いてある。私自身は死については鎮静剤や全身麻酔を経験したことでごく素朴に考えるようになった。「雨が降るように人が死ぬ」というが、自然現象のような非人称なことにすぎず…。