時間そのものは古くなることができない。

「古くなる」は時間の経過を意味するが、その時間という特質そのものは劣化しない。5億年前も今も5億年後も、完全に同じ《時間》が生きられる。

時間と結びついた空間は、つねに絶対的鮮度に満ちている。

私たちが《現実》として仕方なく受け入れているのは、この絶対的鮮度のことだ。(鮮度という要因そのものは古くならない)


ハイデガーが問題にしたような《存在》は、古くならない。古くなるとかならないとかいう話の手前にある。