2006-01-01から1年間の記事一覧

良いお年を!

お元気で、良い年を迎えられますように。 今年も1年、ありがとうございました。

「雇用・能力開発機構の廃止・解体による民業活性化案」(PDF)

雇用・能力開発機構の財源は雇用保険(失業保険)である。 機構の自前収入は1,026億円、対して雇用保険(労働保険特別会計)からの交付金が2,301億円であり、経常収益合計3,363億円(その他36億円を含む)の7割を占める。 ほかに出資金が359億円もある。 人…

公共的ということ

永冨奈津恵さんの追記の最後の一文に、強い感銘を受けました。 彼女とは意見の相違があることは否めませんが、ひきこもり問題に取り組む姿勢――その公的性格――において、あらためて信頼を深めました。 今後は、「何が価値のある活動なのか」をめぐって、意見…

内藤朝雄氏の集中講義@京都大学に参加(12月28日)

ひきこもりなどの対人支援における「専門家」を、「例外状況(放置すると死んでしまう)への対応を許可された存在」と考える視点が興味深かった。 これについては、後日あらためて検討したい。 受講しておられた皆さんとの議論(数名の方とは翌朝まで)も刺…

雑誌『ビッグイシュー』 第64号

斎藤環さんと私の往復書簡 「和樹と環のひきこもり社会論」、 今号は斎藤さんで、『なぜ「それをする」のですか?』です。 本屋さんでは売っておらず、すべて立ち売りです。 販売場所はこちら。 各販売員は、バックナンバーも大量に取り揃えて立っておられま…

「批判されているみたいなので……」

私の批判的エントリーについて、永冨奈津恵氏が真摯なレスポンスを下さっています。 年末の多忙を極める中、ありがとうございます。 以下、補足的に追記しておきます。 永冨氏は、1996年以来、ずっとひきこもり問題の取材を続けておられる方であり*1、その実…

永冨氏への反論――内発的なリアリティと、理論的な制限

支援者サイド自身が、みずからを「動機づけと心的リアリティの《当事者》」と考えることを怠っている。 「ひきこもり」は、政策課題としては、予算がついたことがない。 つまり現状の公共圏においては、「ひきこもり支援」は、狭い利害に囚われた私的な問題…

政治的な発言ポジションとしての《当事者》

マスコミ出演や著作の形を取らなくとも、《当事者》がなにがしかの形で自分の声を伝える努力をすれば、そこにはすでに 「That's 当事者の声」 の尊重構造が出現してしまいます*1。 ▼ひきこもりは、とりわけ「不可視かつ声がない」存在ですから、「当事者であ…

「当事者によるひきこもり論」が問題となる理由

【1】 社会的な意義と、個人的な負荷とのバランス。 「当事者発言」は、本人にとっての危険を伴う。 【2】 言葉との付き合い方の問題。 「考えれば考えるほどしんどくなる」可能性がある。 そのような姿勢が伝播すれば、他の当事者にも悪い影響が出るだろう…

公私にわたる、「当事者発言」の功罪

番組の冒頭で、永冨奈津恵氏は次のように語っています。 今回、上山和樹さんをお呼びしたんですけれども、お呼びしておいて言うのもなんですが、実は私は、ひきこもり当事者の方々がしゃべるのに消極的なんです。 最初のうち、90年代ぐらいまでは、すごく積…

 ポジションと発言内容の政治

今日のエントリーは、全体で一つです。 「オールニートニッポン 過去の放送を聴く」 上記リンク先から、私が出演させていただいた12月15日放送分を聞くことができます。

雑誌『ビッグイシュー』 第63号 発売中

斎藤環さんと私の往復書簡 「和樹と環のひきこもり社会論」、今号は私で、『少し議論を整理します』です。 これまでの議論を振り返り、今後に向けた論点を整理しています。 本屋さんでは売っておらず、すべて立ち売りです。 販売場所はこちら。 各販売員は、…

インタビュー:「『機動戦士ガンダム』の生みの親、富野由悠季監督に聞く」

『ビッグイシュー』第63号(現在発売中の最新号)より。 そうした大人との対立の中で、考え出したのがニュータイプという概念です。 自分がニュータイプであることを信じろ、信じて生きるんだ、と。 それは、発狂寸前の主人公を生き延びさせるためについたギ…

トークショー:森達也×倉田真由美 【参照】 参加

理論社「よりみちパン!セ」 『世界を信じるためのメソッド・・・ぼくらの時代のメディア・リテラシー』刊行記念。 冒頭で、TV作品『森達也の「ドキュメンタリーは嘘をつく」』上映。 前日に、永冨奈津恵さんの『オールニートニッポン』出演で「当事者発言」…

レジュメ

当事者発言――「代表ヅラ」と、多様性への抑圧 「私的な事情」と、「メタな考察(普遍化・抽象化)」 【cf.拙著の前半と後半】 私は「男性・異性愛」などの属性を持つが、「女性・同性愛」などの属性を持つ方もいらっしゃるはず。 「男性・異性愛」に限っても…

上京前

ラジオ出演に向けて準備中なんですが、「『家族の痕跡』読書会チャット報告」を読み直しています。 《再帰性》という議論そのものの中に、「歴史性」と「純粋な構造」の両軸が含まれている。 「底の抜けた再帰性」(宮台真司) http://d.hatena.ne.jp/ueyama…

『論点ひきこもり』:「永冨奈津恵氏インタビュー」

1996年以来、10年にわたってひきこもり業界の取材を続けており、「ひきこもりに最も詳しいコピーライター」とも言われる永冨奈津恵氏。 2006年4月に起こった「アイ・メンタルスクール」死亡事件を受け、永冨氏の呼びかけ・編集で発刊された『共同生活施設の…

「オールニートニッポン」出演予定

12月15日(金) 19:00〜21:00 永冨奈津恵さんがパーソナリティーの回に、生放送でお邪魔します。

仁愛大学

樋口明彦氏*1とともに、三脇康生氏の授業にゲスト出演。 授業以外にも、親の会の皆さん・経験当事者の方・先生方など、真剣勝負の議論をさせていただく。 重要なヒントを含むので、あらためて取り上げたい。 *1:『準ひきこ「森」』著者の樋口康彦氏にあらず

「エリートニートが学ぶ」

中で取り上げられている、首相官邸「再チャレンジ支援策」

「世界の1%、富の40%保有 日本は格差小さい」

国連大学世界開発経済研究所(本部・ヘルシンキ)は5日、世界の成人人口のうち最も豊かな上位1%が個人総資産の40%を保有する一方、下位50%が保有する資産は全体の1%にとどまるとの報告書を発表した。 「上位1%」に属する人々の約9割は北米、日…

「ニートがニートから脱出できない4つの理由」(『日刊スレッドガイド』)

この話題は、間歇的に熱い議論になる。 既視感のある意見ばかりだが、あらためてコメント欄まで熟読。 「同じ意見が、新鮮であるかのようにリピートされる」という意味について考えること。 探求が試みられているのではなく、信念や信頼の崩壊が問題になって…

NHKスペシャル「ワーキングプアⅡ 努力すれば抜け出せますか」

「働いても働いても豊かになれない…」。 今年7月に放送したNHKスペシャル「ワーキングプア」は、生活保護水準以下の暮らししかできない“働く貧困層”の厳しい現実を見つめ大きな反響を呼んだ。 NHKに届いたメールやファックスをもとに、今回、ワーキングプア…

復帰後の社会

ひきこもる前に追い詰められた社会と、家を出た後に直面する社会は同じであり、 それどころか キャリアもなく年を取った ひきこもっていたという被差別要因 ひきこもったことによる精神的ダメージ などによって、ひきこもる前よりも社会的・精神的条件は悪く…

欲望と無気力――自己言及・専門性・公正さ

「ひきこもり」に関連し、無意識の欲望の問題系と、専門性の問題系がリンクすべきであると感じている。 支援や理論を志す側にとっても、そうした仕事を享受する側にとっても。 《動機づけ》を論じるのに、次の2つはどうしても必要。 動機づけようと思う相手と…

制度と個人――多様性

実際の支援論としては空理空論に聞こえるかもしれないが、 次のようなテーゼを検討すべきだと思う。 「被支援者は、違法でない限りどのような思想を選ぶことも許されるが、支援サイドは、多様な思想を許容する思想的前提に基づいた制度を選択しなければなら…

「優秀な人材に変身するキッカケに出会うか、未熟なまま老いていくか」(『分裂勘違い君劇場』)

なぜ、坂本君は、wiseになれないのかというと、 第一に、誰でも正しいことをするべきだ、ということを主張するだけで、物事を動かせると思っている。 第二に、上司や会社に甘えている。 とくに、この一点めが、intelligentな人たちの、根深い病なのだ。 「誰…

「「民事不介入」と児童虐待」(『わっかnない』)

日垣隆『世間のウソ (新潮新書)』からだという引用より孫引き。 要するに、警察はつい最近まで家庭内の暴力=傷害犯罪に対し、見て見ぬふりを決め込んできたわけですね。[…] 前世紀までなぜ家庭内の傷害事件に警察は介入しなかったのでしょうか。 それは、「…