2015-01-01から1年間の記事一覧

「政治を生きるのは、成果主義なき実験台となること」(廣瀬浩司氏)

廣瀬浩司氏のツイートより:*1 トスケイェスとガタリが「政治的なもの」に身を委ねるなか、間に立つウリは「政治」を生きてしまった。政治的なものに身を委ねるたやすさは誰もが知っている。だが政治を生きるのは「成果主義」なき実験台となることである。20…

政治的な武器としてのセクハラ冤罪は、なぜ可能か

2015年は、これまでにも増して、左派のおかしさが剥き出しになったと感じました。当事者論に関連して決定的だったのは、セクハラ冤罪バリケードの件です。 民主参院幹部は「女性が前面に出れば手出しできない。女性による安保反対は絵にもなる」と解説した。…

映画『ハッピーアワー』観てきた

5時間17分に3900円はハードルが高かったが、地元神戸で作られていること、そして監督・濱口竜介の発言が興味深く、足を運んだ(@元町映画館)。結果として、重大な示唆をもらうことになった。この件はずっと考えたいし、知人たちと話し合ってみたい。*1 以…

「その体験は、完全に無駄だった」のか

髭男爵・山田ルイ53世「引きこもりは完全に無駄」 人生の豊かさという意味で完全にロス。みんなと一緒に楽しく勉強して遊んだ方が絶対にいい。人生設計的にも苦境に追い込まれますからね。美化するのは違うと思うんですよ。 引きこもったら、不登校になっ…

「他者との連帯を拒絶する者が底辺である」(北田暁大)

@QueenWaks なぜわたしが大事に思ってる女の子たちがこんな社会の最底辺彷徨ってるようなクズに毎日毎日罵詈雑言投げつけられて苦しまなきゃいけないのか。こんなに言われると人でも殺したのかと思うけどデモやっただけだからね アホかよ。*1 @QueenWaks: わ…

「反知性主義」と、潜行的な知性

上尾真道氏【《書評》:ジャック・ランシエール著、梶田裕、堀容子訳『無知な教師』】 書評本文より(以下、枠線内はすべて上尾氏の文章からの引用)*1: 当代の知識人たちが寄稿するこの雑誌が、知性の代表みたいな風にして、(ポピュリズムの政治も含め)…

『自殺予防総合対策センター』について(メモ)

これまでは内閣府の所管だったのですが、2016年4月から、厚労省に移管するようです。 【内閣官房及び内閣府の業務の見直しについて】(PDF直リン、平成27年1月27日閣議決定) 2-(3)内閣府機能の見直し 〔4〕厚生労働省に移管する業務 自殺対策(平成28年…

《切断》ができるための、《接続》事情の当事者性

【「20世紀末・日本の美術」から「新しき場所」へ】(togetter)より: .@EnricoLetter 「接続と切断のサイクル」という大山様の発言には、千葉雅也さんの著作との響き合いも想起しました(僕は読めてないので単に想像でしかないんですが)。いずれにせよ、…

制作と参加を、内側から語ること――『20世紀末・日本の美術』

サイト: http://jart-end20.jugem.jp/ 20世紀末・日本の美術―それぞれの作家の視点から作者: 中村ケンゴ,眞島竜男,永瀬恭一,楠見清,木村絵理子,小金沢智出版社/メーカー: アートダイバー発売日: 2015/04/15メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見…

古臭い「新しさ」と、時間軸の社会的編成

画家・永瀬恭一氏に対して、さらにこちらでお返事してみます(お返事というか、関連したメモみたいなものですが)。なおネット書店の遅延が続いていて、『20世紀末・日本の美術―それぞれの作家の視点から』は未読です。(以下、赤字や太字の協調は全て引用者…

コミュニティの技法としての文体

【『20世紀末・日本の美術』についての大山エンリコイサム氏の感想ツイート】(togetter) .@EnricoLetter 大山様、「20世紀末・日本の美術」へのコメントありがとうございます。拙発言の偏りも含め、前向きに読んでいただけたようで、大変にうれしいです。…

「ヤクザを取材すること」そのものについての当事者的な報告

潜入ルポ ヤクザの修羅場 (文春新書)作者: 鈴木智彦出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/02/17メディア: 新書購入: 3人 クリック: 105回この商品を含むブログ (22件) を見る 本のタイトルや帯はやや扇情的ですが、 中身はむしろ淡々として、突き放した筆…

内在的な分析が、紛争生産的であること

すでになされている関係性や仕事に、「入る」こと。 閉じこもり状態をめぐる支援は、まずは「外から内を」目指す。 しかし「入った」あとにも、場所や関係性への怒りはあって、 これは「入る前」に抱いていた怒りとは変質している。 閉じこもる人は、すでに…

時間を論じる議論が、時間「について」論じるばかりで、時間「を」生きる技法を問い直せていない。必要なのは技法であって、規範ではない。不当なメタ(現象の外部)を前提にすると、技法が硬直する。論じる自分や集団は、時間を生きることそのもの。 【4月4…

「わかりやすすぎる現実」にいかに抗うか

【『20世紀末・日本の美術―それぞれの作家の視点から』著者インタビュー(1):永瀬恭一】(アートダイバー) リンク先は美術の話ですが、モチーフとして共有できる点を感じたので、 引用しながらメモします(強調は引用者)。 「触れられていない事象や側面…

芸術の趣旨と臨床の趣旨は、お互いに単に外在的なのか

以下の公開研究会に参加してきました。 公開研究会【地域のアーティストの地域精神保健サービスへの参画の可能性について――フランスのリールがイタリアのトリエステから学んだもの(ガタリとバザーリア)】(甲南大学、三脇康生氏) 関連:*1 芸術の価値を福…

「福祉専門職の統合を検討」 メモ

【福祉専門職の統合を検討 1人の職員で子どもから高齢者まで】(福祉新聞、2015年03月23日) すでにある資格を持つ職員が別の資格を取り直したりしなくて済むような方策を検討する。フィンランドの保健医療の基礎資格「ラヒホイタイヤ」などを参考に、職種…

「当事者」は、政治活動の主体であって、意見はお互いに対立する

【[提言] 若者は政策的支援を受ける権利もあるが、自ら環境を変えていく権利と義務がある。若者参画に向けたチャンスとエンパワメントが必要だ】(ビッグイシュー ONLINE) 私が斎藤環氏に反論したのは、まさにこれの実演です。 しかしその結果生じたのは、…

「思い」という抑圧

【国連防災会議、大川小保存を卒業生が世界に訴え】(加藤順子、池上正樹) 「大川小の校舎を残したい」 そんな思いから、 こう思いを明かした。 強い思いが伝わる内容となっていた。 「思い」という語は、そういう語でまとめる自分の態度が生んでしまう問題…

必要な問題意識と、業績の問題意識

事態改善のためには耳目を集めなければならないとして、 しかしいつの間にか、注目を集める動きが自己目的化する。 ジャーナリストもアーティストも、一時的に耳目が集まれば自分の業績になる。 しかしそれは、事態を改善することとは(ひとまず)別の動きで…

いまは、理論言説を現実世界に引きずりおろす途上

規範から技法へ 不登校・ひきこもり・依存症――これらにとって規範言説は有害。必要なのは技法の試行錯誤。*1 「私は健康とされているから再検証の必要はない」では困る。《集合的な場》の技法論的醸成に、加担責任がある。*2 知的言説が規範論に終始している…

【Asia Insight「中国 捨てられた子供たちを救え!」】(NHK)【参照】

再放送をぐうぜん視聴。 中国では捨てられた子どもが毎年10万人に達する。多くは難病を抱え、医療費を払えない親が手放すケースだ。 取材されていたある一例(画面に映し出された大まかな経緯) 父親に置き去りにされた2〜3歳ぐらいの女児。自分が捨てられた…

逸脱的に生きざるを得ないと、常態的な希死念慮との戦いになる

順応的になれない、所属を持てないのは、あぶない*1 しかし、そういう境位でのみ為せることがある 私が死ぬことで喜ぶ人への怒り 私のために待ってくれた人への申し訳なさ 希死念慮は、誰にとっても珍しくない →むしろヒトを、希死念慮との関係で位置づける …

悪意やデタラメに対処できる集合的な状態とは

百田尚樹『殉愛』の真実作者: 角岡伸彦,西岡研介,家鋪渡,宝島「殉愛騒動」取材班出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2015/02/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (17件) を見る この案件では、2ch の当該スレッドを長々とリアルタイムで読み続ける、という…

アートや支援と《生活》は切り分けられるのか

【トークセッション「ARTISTS' GUILD:生活者としてのアーティストたち」をめぐるツイートいろいろ】- togetter 芸術活動と生活については、 物象化に支配された世界で、素材をどうするか →人事権、人脈、マーケット的影響力を持つ人に抵抗しにくい。 「逆ら…

斎藤環の特大のブーメラン:「キャラ消費で免責するな」

斎藤環【差別発言、キャラで免責】(朝日新聞) この記事は、斎藤氏じしんにとってブーメランとなっています。*1斎藤環氏は、 上山和樹を「ひきこもり当事者」というキャラに監禁し、それを消費することでしか関係を作れなかった(参照)。*2 ご自分自身が「…

その議論は、快適な時空間を生み出すことに貢献しているか

ジャン・ウリ 「転移と、言う空間」("Transfert et espace du dire"、PDF)*1 私たちは、何かが生じられる空間を集合的に作り出す必要を強調する。 〔…〕 特別な領野を定義する必要がある。 nous insistons sur la nécessité de créer collectivement des e…

「ひきこもる」というテーマの焼き直し

「安倍政権をどうするか」 「ひきこもる○○さんをどうするか」*1 「人事権に居直る○○氏をどうするか」 「学問言説に自閉する学者をどうするか」 これらのモチーフは重なっている。 言説の党派性、マーケット的影響力、肩書きや資産による既得権。 それぞれの…

「気持ちを分かってほしい」の暴力

「気持ちを分かってほしい」とかいうのは、感情的同一化を要求する暴力です。 これに共感を示すのが誠意ということになってる間は、むしろ権威主義は温存されます。 たとえば引きこもり問題では、「私の気持ちを分かってほしい」と言う人が、自分以外の「気…

知性の体質みたいなもの

みずからの事情を含む制度論的分析(≒当事化)については、私と似た体質の人は、最初からそういう話をなさっている。その人の言うことを聞いていると、こっちもスーッと楽になったりする。 あれこれ説明しなくても、異様に話が通じる。ふつうならいちばん難…