2004-12-01から1ヶ月間の記事一覧

今年1年、いろいろありましたが、やはり当BLOGの活動を通じ、あるいは他の様々な機会を通じて、新しく出会った方々の存在が本当に大きかった。 【旧知の存在が大事なのは、もちろんだけど。 いや、というか、旧知の皆さんとの関係をも、いい意味で考え直す…

最後に斎藤環さんのご本から、関連しそうなところを少し。

『社会的ひきこもり―終わらない思春期 (PHP新書)』の「社会的ひきこもりは病気か」という章に「ひきこもりの国際比較」という節があり、さまざまな国の精神科医の引きこもり論を紹介したあと、次のように述べられています。 これらの見解をまとめると、一般…

その概念の流通によって誰が得をするのか

概念はヒトが支えないと消えてしまう。 製薬会社とAPAは「社会不安障害」概念を強く支持している。 「ひきこもり」概念を支えるヒトは少なく、その力は弱い。 「APA」というのは、「American Psychological Association」のことでしょうか*1。 とすれば、「…

「ひきこもり」 → 「ニート」?

「ニート」という語の登場によって「ひきこもり」が廃れてしまった、という見方もあるようです。 しかし『ニート―フリーターでもなく失業者でもなく』にも描かれていますが、ニートの最深刻層はやはり「ひきこもり」状態にあり、語の運用価値は残っている。 …

概念の運用益

前日に引き続き、id:hotsuma さんの「『ひきこもり』概念の余命は長くない。」について。*1 ぼくは「ひきこもり」概念の余命は長くないと思っている。 この概念が廃れた後には、「対人不安が強過ぎて家族ぐらいしかしゃべれない」ヒトたちをカテゴライズする…

 概念の政治的・臨床的意義

「『ひきこもり』概念の余命は長くない。」

については、翌日へ。

自滅的自発性への社会的処遇

上記引用部分に続くご指摘。 複数の研究は大腸癌の13-25%にうつ病が合併することを示している。 匿名の女医さんは「症状から見てどうやら下部消化管に癌があるな…しかも進行してそう」(id:ueyamakzk:20041222#p1)とまで気づいていながら、患者の決断困難…

「生き延びる」という趣味的選択?

私の「患者に益すること」というエントリーに対し、id:hotsuma さんより、「うつ病は診断されねばならない。」というレスポンスを頂きました。*1 まず、うつ病の概念について。 「自殺念慮(既遂)=鬱病」ではない。 (中略) 次に、精神科医が診断をする目…

 やっかいな自発性

労働・鬱・医療

上記の記事とバランスを取るわけではないのだが(というか取るのだが)、「労働と鬱」に関して気になる記事より。 中年男性の自殺者の多くは失業からまもなく命を絶っている。 (中略) 反町は現在、日本とスウェーデンを比較し、自殺と失業の関係を研究して…

「患者に益すること」

医師のかたから頂いたメールに記されてあった診断につき、やはり医師でいらっしゃる id:hotsuma さんより、「うつ病を見逃したな。次からはちゃんと気づくように。」とのお言葉。 メール内に記されてあった事例が鬱病であるか否かはもちろん私には分からない…

 精神の地べた仕事

「マイノリティとコミュニケーション」

【議論内ネオリベ問題】 マイノリティという、本来的に「コミュニケーション弱者」である存在は、議論(コミュニケーション)において、常に弱い立場に立たされる。 「強い立場にある人々」は、そもそもマイノリティ問題などで議論する必要を持たない。 彼ら…

 コミュニケーション弱者

26日夜9時〜、chikiさん(id:seijotcp)主催のチャット大会。 皆さん多忙のために参加者が少なく、「行く年来る年の雑談」のはずが、いつの間にか議論(当初のテーマ:「マイノリティとコミュニケーション」に関連)。 最後は id:kwkt さんと2人残ってチ…

言論分類

ヴィヴィッドな論者がニートに触れると、途端に火が付いたように大激論になるわけですが【ひきこもりのときより激しい気がする。なぜだろう。ニートのほうが想像力を刺激しやすいのだろうか。】、id:ajiyoshi さんがこの問題に関するBLOG論者を樹形図で分類 …

「体験主義」

記事にあった「体験主義」という言葉が気になったので、ググってみた。 それで見つかった記事より。 19世紀から20世紀にかけて活躍したフランスの哲学者ヘンリ*1・ベルグソンは、20世紀は知識優先の社会ではなく、人間が体得し、人間として越えなけれ…

記事より私の発言(2)

「私たちはブログ上の議論でも、ニートやひきこもりの『自発性』を尊重しています。 ところが、このような言動によって国家規模の社会問題とされ、『強制』という恐ろしい政治的な動きになるのではないかと危惧しているのです」 TrackBack をくださった皆さ…

記事より私の発言(1)

「ひきこもりやニートに対して否定的な方々からは、必ず自衛隊と強制労働の話が出てくるんです」 上山さんが先のホームページにこんな感想を載せたところ、多くの反響が寄せられた。 細かすぎるかもしれませんが、私なら「必ず」と言わず「必ずと言っていい…

『サンデー毎日』最新号(1月2日号)

に、「武部自民党幹事長VS.ニート 大ゲンカの行方 『仕事をしない若者は危険な場所で死ね』ということか!」という記事が載っており、そこに私のコメントと、『そこまで言って委員会』の視聴ルポを引用いただいています。 記事には他にも、「自ら“ニートのよ…

 激論必至の「ニート論」

「課題脱落的」と自発性

「社会に参加しなければならない」「生きなければならない」という無条件の課題設定は、この課題を持続できない、あるいは課題そのものを共有できない存在を二重に排除する。 「社会参加」「生きよう」という課題共有を無条件に前提にした周囲の努力や呼びか…

 ひきこもり試原論

「当事者発言」「自発性」云々で煮詰まってきているんですが、勉強してまとまるのを待っていては永遠にアップできないので、メモ的にエントリー。

追記

医師のかたからのメールは、「生活保護を受けていても、苦しんで死ぬのがいやだから生きているだけで、実は楽に死にたがっている人は多いのではないか」「そういう人に税金を湯水のように使っている現実がある」という話。 「自発的生活欲」さえ起動できれば…

「意志への義務」から、「選択肢的受容」へ

「社会的コストの増大」が強調されることには不穏なものを感じる。 が、この問題が社会的衝迫力・説得力を持つときに重大な側面であることは間違いない。 真に重要なのは、「本人たちには、そこまでして生き延びたいという意志があるのか」ということだ。 本…

「強制延命」という高価な嗜虐?

読者のかたより。 (完全に原文のまま転載) 初めまして。 ど田舎で内科医をやっている女医です。 切込隊長ブログのコメント欄から飛んできました。 いくつかのエントリを興味深く読ませていただきました。 殊に「尊厳死について」に関するエントリで、 目か…

 想定された意志へのコスト?

 面会

あるひきこもり支援団体の元関係者のかたとお会いする。 実際に関わった人間にしか分からないようなきわめて興味深く、かつエグイお話を交わさせていただく。 ここに書けないのは残念だが、一般論としてはいずれ書く。 というかもう書いてきていることだが。

19日は「デビューネット」の忘年会でした

大いに楽しく、かつ有意義に過ごしました。 巻き寿司とかおでんとかチヂミとかもつ鍋とかケーキとか。 食事も会話も美味。 その場でも「当事者の発言」について大激論。

今日はもう寝ます。

全力投球のメールや文章を、一日中書いてた。 計17時間ほど。 書きながら、「仕事でもプライベートでも、コミュニケーションに時間とエネルギーとお金を割く*1ことが大事なんだな」と痛感する。 意識状態もちょっと変容してきているような。 当BLOGにぜんぜ…