2014-01-01から1年間の記事一覧

作品活動と侵犯(メモ)

《男女300人の絡みを撮影【大橋仁 INTERVIEW】》【はてブ】 論争の焦点となっているのは、以下のくだりです。 大橋仁:〔…〕2005年くらいからプライベートでタイの売春宿に通い、撮影を始めたんです。とはいえ、金魚鉢での撮影はそうそう簡単にはいかないわ…

疑似科学の傲慢さと、「不可逆の時間」を扱えない科学の傲慢さ

話題になっていたツイートより: @mcnang / ガードナーによる疑似科学者の特徴は、ざっくりまとめると、... ある学問領域で実績があり、科学論については穏当な見解をもつ論者が、政治経済や差別問題では唖然とするような議論をしていることからして*1、実は…

紛争をめぐる生成と技法――制度分析

集団の生きるパターンや条件を分析し、これをタイミングごとに組み替えようとする方法論*1には、 雇用やサービスをめぐる民事的契約からの逸脱 という要因があります(最初の取り決めからも逸脱し得るので)。そうすると、そういう意味での制度分析をスタッ…

抑圧の実行行為としての分析

思想とは、紛争導入のスタイル。愛する≒紛争する。執着のないところに説得はない。▼このテーゼ自体が自己言及的。私はこのように導入している。 紛争は思い通りにならない。紛争こそ中動態であり、事件と受働に満ちている。*1 昨今の言論は、情報処理のパタ…

時間との付き合いかた――映画『インターステラー』

以下、ネタバレ注意。

「反日」という概念の位置づけは、「反ユダヤ」と完全に同じです。

左派は、名詞形の当事者概念を強固に信仰しており、 それがゆえに、名詞形の分類(民族など)を要因として含んだ党派性を分析することを許さない。この「許さない」が欺瞞になる。 左派の議論じたいが、人の分類を前提にした、差別の実行行為になっている。 …

自分を問い直すことが出来るという意味での専門性

私のツイートより: 左翼・リベラルを含め、差別的な人たちの言説は、それ自体が依存症のフレームを成している。(これは自己検証のモチーフで、くり返し思い出す必要があります)2014-11-02 10:54:17 via Twitter Web Client 「客観性」を口実にすることは…

「障害-調整-生存-年(DALY、ダリー)」

WPA 疫学・公衆衛生セクション ミーティング -「日本の参加者の方へ」*1 この度、わが国でははじめてとなる WPA 疫学・公衆衛生セクションミーティングを2014年10月16〜18日に奈良で開催することになりました。 読みやすいように少し改変して引用: WHO(世…

技法の問題としての《自由》

《自由な時間をなくせ!》(押川剛)*1 こころの病気のひとが精神科病院に入院すると、 程度の差はあれど、良くなるのはなぜか。 治療や投薬の効果はもちろんだが、 他者が介入する、という側面があることは、 非常に大きいのではないだろうか。 人権侵害だ…

生と事業を構造化する「当事者」概念

浅田彰《黒瀬陽平へ――「『当事者性』の美学」の余白に》(REALKYOTO)より: 僕の基本的な考えは、当事者性の論理は社会学的・社会政策的には重要でも、文化的にはむしろ障害になる、というものです。〔…〕 女性−レズビアンの女性−アフリカ系のレズビアンの…

「ニート・ひきこもり問題だけで、生活保護費は今の5倍になる」

「第183回国会 参議院 予算委員会 平成25年5月7日」(参照)より: 有村治子: 現在、ニート、引きこもりで困難な状況にある方々がこのまま年を取って生活保護を受給することになった場合、幾らぐらいの社会保障費が必要になってくるのか。民間のシンクタン…

問われているのは、技法的な実態と、その加担責任

澤田稔氏《ソーシャル・マジョリティ研究会セミナー2014》(minor’s blog) 「当事者研究」に感じている疑念と興味をめぐって、あるいは今後の対話的なやり取りの可能性に向けて、いくつかのヒントを頂きました。以下、引用しながらメモしてみます(強調は全て…

「決定的な証拠ほど、公開しにくい」というジレンマ

《橋本聖子セクハラ問題における男性差別の根深さ》(浦部孝法『法廷日記』) 本件がセクハラであるのであれば、橋本聖子氏と高橋選手のキスシーンというのは、まさに高橋選手が性的に蹂躙されているシーンである。〔…〕 被害者が若き女性スケート選手であれ…

あなたは、どうやって自己検証を免責したか

「大昔、産経新聞の読者投稿欄の手紙を毎日20〜30通読んでからまともなものだけを論説のお爺さんに渡す係してました」 http://tue1972.tumblr.com/post/89152002545/hayakawa2600 右派の言説についての活写。 この記事を通じて、左派や宗教が同じ事情にある…

幻想の回路に、相手を巻き込むこと

田房永子 《どぶろっくと痴漢の関係》(Love Piece Club) 「俺は痴漢やナンパをしたことがない、やろうと思ったことすらないのに、どうして女性たちは、無条件的に被害者意識を向けてくるのか」――そういう疑問の一部に答えてくれる文章。 ハラスメント研修…

精神科病棟を、入院とはべつの賃貸物件にできるか

《精神科病床が住居に? 長期入院は減らせるか》(NHKクローズアップ現代) 精神科の関連施設をめぐる議論は、多くが規範的です(患者さんを受け入れる「べきだ」)。先日も小児科医による反対運動が問題になりましたが(参照)――この医師を「規範的に」糾弾…

状況を悪化させる「語り方」

福井県の仁愛大学に、招待講義にお邪魔してきました。*1 私自身にとって充実した時間でした。 講義資料のタイトルには、「ひきこもり」ではなく「孤立」を入れました。こうすることで、たとえば次のようなテーマも、やや距離をとって、しかも他人事ではなく…

超越的当事者に対する、「超越論的当事化」について

6月9日の拙ツイートより: 《そこから再帰的に、かつて「主体」と呼ばれた広がりを創設すること》 ――ここを「良くわからなかった」と書いたことに対して、廣瀬浩司さんからお返事を頂きました。▼大事なヒントを頂いたので、引用しながら少し連投します。(20…

逸脱運動の素材的必然と、それを抑え込む記号の慣性

現代思想2011年9月臨時増刊号 総特集=緊急復刊 imago 東日本大震災と〈こころ〉のゆくえ作者: 中井久夫,神田橋條治,磯崎新,香山リカ,川上未映子,平沢進,荻上チキ,藤村龍至,三好春樹,斎藤環出版社/メーカー: 青土社発売日: 2011/08/24メディア: ムック購入: 9…

フランソワ・トスケイエスと記号学(メモ)

精神の管理社会をどう超えるか?―制度論的精神療法の現場から作者: フェリックスガタリ,フランソワトスケル,菅原道哉,ジャンウリ,高江洲義英,ダニエルルロ,市川信也,F´elix Guattari,Danielle Roulot,Fran〓@7AB7@cois Tosquelles,Jean Oury,杉村昌昭,村沢真…

「私は完璧だ」――メタな規範談義のナルシシズム

《「僕は完璧なのに」、「女はみな殺してやる」……米連続殺傷事件、「非モテ」男の語り残したこととは》(NAVER まとめ) この事件をめぐる議論が、あまりにズレている。 女性嫌悪と人種差別を規範的に説教し、 「良心的な知識人」のポーズを誇示して終わって…

《暴露≒分析》のスタイルこそが政治的な選択

特別シンポジウム 《精神分析対談: 立木康介著『露出せよ、と現代文明は言う』をめぐって》 立木康介 × 十川幸司 聴講してきました。 メタファー*1や倒錯*2をめぐるお二人の考えについて、あるいは対立点について、もっと詳細に聞いてみたかったです。 ラカ…

名詞形のウソ

ルワンダ虐殺拡大のきっかけとなった、HipHopラジオ RTドキュメンタリー演劇 Hate Radio URL2014-05-09 01:35:03 via Twitter for iPad リンク先の『Hate Radio』(SPAC)より: DJは「ツチ族」との友好を否定し、「フツ族」の団結を歌った、シモン・ビキ…

「同化する」と「社会化する」は、どう違うか?

小山エミ氏へのお返事が長くなったので、ブログ記事にまとめます。 経緯:《虐殺や占領支配と、建国の歴史》 今ここで完結するような「答え」は私には作れませんが、 議論を整理し、勉強をし直すのに重要な刺激を頂きました。 @ueyamakzk 建国をやり直すとい…

『なるにわ』さんの呼びかけから

『全国ひきこもりデー(4月1日)』の呼びかけから考えたこと ●(1)積極的に「ひきこもろう」という呼びかけは、実際のひきこもり状態にあるような《切断》とは、異質のふるまいになる。ストライキは、社会的な意思表示であり、最初から活動的だ。ストライキ…

ひきこもることと社会契約

ルソー『社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫)』より: だから純粋に公民的な信仰告白というものが必要なのである。その箇条を定めるのは主権者の役割である。それは厳密に宗教的な教義としてではなく、社会性の感情としてである。この感情なしで…

評価の設計図

武藤香織氏(東大医科学研)執筆の、「STAP細胞問題をめぐって」より: 文系の研究者からみますと、生命科学(あるいは理系全般?)の研究者は、論文の「背景」・「目的」に対する思い入れが少なすぎます。この思い入れのなさの原因は、論文のインパクトが「…

環境の官僚的体質をどうするか――アーサー・クラインマン講演会

アーサー・クラインマン講演会「21世紀における感性と主観性の変容 −人類は生き残れるか?」(グローバル生存学大学院連携プログラム) 会場は立ち見が出るほど満員だったが、 講演そのものは、あまり面白いものではなかった。 ●医師と患者の関係を「人間的…

「神武革命論」は、形式的禁止の提案に見える

千坂恭二氏のツイートに、「神武革命論」とあった(参照)。 そこで問われているのが、社会における《形式的禁止》であるように思われ、さかのぼって昨年9月からの氏のツイート(おそらく2500個あまり)を通読した。以下に引用するのは、その一部。 @Chisaka…

学問言説それ自体ゆえの疎外

↓こちらの呟きをヒントにしながら。 鍵RT 「society ──をどの様に訳すか問題──は翻訳によってもたらされたものであるとともに、自分たちが他人たちとどのような関係を取り結ぶ(べき)か・そしてそれをどのような言葉で表現すべきか、という課題をもたらすも…