2003-11-01から1ヶ月間の記事一覧

作家/知識人

僕が生まれた直後(1968年10月)に収録された、川端康成・三島由紀夫・伊藤整の鼎談をTVで観る。川端氏のノーベル賞受賞により、「西欧が日本文学を“文学”として認知した」「翻訳で評価されたって・・・」云々。三島は2年後、川端は4年後に自殺した。 「作…

不適合者の生きる道

会社勤めをしているある友人は、社内での陰湿な人間関係に悲鳴をあげていた。若くてカワイイ女子社員が入ってくると、年配女性社員たちが徹底してイジメる。強制的に参加させられた飲み会では男たちがフリチンで裸踊り。ものすごい派閥主義。*1・・・・こう…

「職探しできる人」

ひきこもり支援とは、ひきこもりを「普通の失業者」にすることだろうか? 仕事に就けなくて困っている人は世界中にたくさんいる。こうした人たちが「ひきこもり」としては問題にならないのは、彼らが「職探しをできる」からだ。 「職探しできない人」を「職…

「置いてきぼり」の社会学

友人が教えてくれたのだが、人文學報という雑誌に「失業,社会学的対象の誕生」という論文があって、これはいわば「失業」が社会学的に「発見」された頃のことを問題にしているらしい。1880年にはフランスで『怠ける権利』という本が出版されていて、この辺…

社会資源としての単語

PTSDは現在、DSM-Ⅳ(ISBN:0890420254、ISBN:4260118862)にも記載されている「精神疾患」だが、これは「差別」のためではなく、そもそもはベトナム帰還兵たちが社会保障を獲得するために設定されたカテゴリーだった。 PTSDはまさに「論争を呼ぶ物騒な単語」…

年齢差別 ――アメリカと日本

sivad さんが引きこもりに関連して「年齢差別」に触れてらして、これは大事な話。 アメリカではAARP(the American Association of Retired Persons、全米退職者協会*1)というNPO団体(といっても会員数3500万人!*2)の運動で定年退職制度をふくむ年齢…

 ハタラク カタチ

努力してキャリアを積み上げアラビア語に堪能になった人物が30才で殺された。その報せに接して感じる空しさと恐怖は僕の人生観の基本。努力すべてへの諦念に沈み込みそうになるが、ショックは自分の「次の行動」に結び付けるべきなのだと思う(政治的であれ…

“ turn a negative into a positive picture” - Lauryn Hill (あるサイトから)

昨夜、

流れ星を見た。

岐路

「はてな」に関わって2ヵ月半が過ぎた。 「次の行動」を決めるために考えてきたのだが・・・ ひきこもり支援はまだジャンルとして確立されたわけではないから、各人がいわば「ルールの創設」と、「優秀なプレイヤー」の両方をやらねばならない。 いわゆる「…

ご推薦

・アマルティア・セン『不平等の再検討――潜在能力と自由』ISBN:4000028782(杉田さん) ・川本隆史『現代倫理学の冒険』ISBN:4423730731(id:windvalley さん) 特にセンの「capability」という考え方は気になる。(単なる工学ではない、「倫理を含んだ経済…

「自称ひきこもり」

22日のコメント欄から。 cyotukan 『自称ひきこもりってどんな人の事ですか? 確かに「あんた当事者かよ?」って感じる人もいると思いましたけど、そういう言い方は、専門家やアイコンとしてメディアに取り上げられる元当事者や支援者から言われると、感じ…

主張はヒント

id:hikilink さんの指摘や id:Ririka さんの「付記」を受け、21日の孫引きについて再コメントする必要が出てきたので、正高信男『ケータイを持ったサル』(ISBN:4121017129)を購入、通読した。(以下、お二人に対して悪意はないので念のため。) 「ひきこ…

 岐路

23日は家族で外出。夜に弟と話した。

私としては、当日記コメント欄に持ち込まれたトラブルが ①普遍的な問題に発展できると思われる場合 ②個人的に深く共感した場合 ③介入的に関わることに意義があると思われる場合 以外には関知しませんし、「自称ひきこもり」の主張すべてに常に全面同意するわ…

選択肢

「優秀な作家は異邦人(亡命者)として母語の外に立つ」というモチーフを追った Ririka さんの日記 コメント欄から。 僕のコメント。↓ 疎外感やイジメに苦しんだことのある人は、意識的努力によって「外国語のように話そう」ではなくて、「どうして自分のこ…

 考え中

実は原稿はまだあがっていない。考えれば考えるほど新しい局面に直面してしまう。 これはいかん・・・

 いま

取り返しがつかない、というモチーフ 現象は手遅れ 言葉の機能に期待するもの(言葉しか与えられていない) 残ったもの 言葉で何かを為しても(古代ギリシア) 金稼ぐことの空しさ(でも必須) 自覚的な努力 時間は止まらない 死ぬもの同士

日本の町を徘徊していたらなぜかジジェクが登場。なぜか診療所のようなところで二人とも輸血だか血液検査だかを強要される。先にジジェク。大量に血を取られていて(2リットルぐらい)恐くなる。係員のいない間に、「これはまっとうな血液採取に見えるが実…

付記

・認識することが欲望することにならず、我慢することにしかならない。 ・残された自分の人生を1個のプロジェクトにして、仕事を実現して死のうという感覚。「長生きすること」に価値は見出せない。 ・「無意味を楽しめない」のは欲望が希薄だからか。 「自…

メモ

私の中に遺された、マイナス経験の痕跡(疼きつづける)が思考と行動を駆動する。 「いつの間にかそうなってしまう」ことに対して、私の意識が責任を取ろうとする。(当事者性*1) 私が課題によってみずからを組織するのではなく、課題は外側に用意されてい…

バフチン「行為の哲学」*1

●真理と当為 ある判断を真理として是認することは、その判断を何らかの理論的な統一に関係づけることなのだが、この理論的な統一は、わたしの生の唯一の歴史的な統一とはまったく別のものである。 唯一のわたしの生を統一できない感覚 ●行為の問題 理論的な…

「ひきこもり」という語の、社会的効用について考える。 僕はまだ、人生への色気を持っているだろうか。

やっと気付いた。僕は「ひきこもり」という言葉に深く傷ついているのだ。 仕上がっていた原稿をすべて破棄。やり直し。 【デビューネット】(淡路プラッツ) 今日は東京から友人Nさんが取材に来た(名前出していいのか?>N)。参加者は僕と id:hikilink …

付記

ひきこもりに「義務」を強要する第三者も、重度の身体障害者に「働け」とは言わない。だが引きこもり当事者にとって、ひきこもりは一種の「障害」として現れている。 (さらに付記:いろんな人の発する「ひきこもり」という語が何を意味しているかは、言説か…

うーん、

法律や政治思想の問題として考えるべき論点と、欲望や訓練の問題として考えるべき論点とに分かれる気がしてきた・・・・

私はどうしても「欲望」や「言語訓練」という路線を考えてしまいます。

「欲望」というのは、本人の内発的な勤勉さが生まれ得るかどうか(内発性が外界との接点を持てなかった場合、究極は餓死にいたる)。「言語訓練」は、マニュアルを習熟することであったり、詩を朗読することであったり、作品を作ることであったり、文字通り…

親が本人に「義務」を突きつける場合は、

直接トバッチリを受けている存在ですから「契約」を結ぶための直接対決、ということになるでしょうか。ただしそこで何が「義務」となるかは、とても難しい議題です。親はたしかに子を養っていますが、子は自分で望んで生まれてきたのではない。親が「生きた…

ひきこもりに対して「義務」を突きつける第三者は、

よく考えると「法的拘束力のない自分の価値観」を他人に押し付けていることになる。これは「思い通りにならない他人」に影響力を行使したいときに、思わず出てきてしまうボキャブラリーなのかもしれません。 → 他人の人生に法や契約以外の「義務」を要求する…