2025-01-01から1年間の記事一覧

単なる消費ではつながりが生まれない

www.web.nhk 偶然見かけて最後の15分だけ視聴。 仕事と作品で人がつながってゆく。私は2001年に貰った執筆機会*1以後、文章生産に精魂傾けたが、それは限定的な評価しか頂けず、必死になって取り組んだblog執筆(つまりこのblog)は孤立した。東日本大震災が…

大木毅『独ソ戦』

独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書)作者:大木 毅岩波書店Amazon人類史上最大規模とされる戦いの大枠をつかむ読書として適切と感じた。紙の本で、傍線をたくさん引きながら読んだ。病院の待合室で読み進めたのだけれど――本のなかでは100万人単位の人が "死者数"…

「数学は物理的に具体化された認識である」

「mathematics is physical」というテーマについて以前から生成AIに尋ねているのですが、最近また ChatGPT が賢くなったようなので、あらためて質問してみました。示唆的な回答をもらいましたので、貼り付けておきます。*1 *1:文字の大きさがチグハグなのは…

高野和明『踏切の幽霊』

踏切の幽霊 (文春文庫)作者:高野 和明文藝春秋Amazon 娯楽小説としてとても面白く読んだ。【※以下ネタバレ注意】思い出したのは、先日観たこの番組だった。www.web.nhk 《なんのために生まれてきたのか、なんのために生き延びようとするのか》という問いが、…

竹内外史『数学的世界観』

数学的世界観: 現代数学の思想と展望作者:竹内 外史紀伊國屋書店Amazon 著者の竹内氏が《気になっているがよく分からないまま書きつけた論点》で共鳴できた部分を引用します。*1 直観論理のなかで一番本質的で深い内容をもった論理概念は、「ならば」という…

『圏論の地平線』

圏論の地平線作者:西郷 甲矢人技術評論社Amazon『世界は圏論でできている』や『圏論の道案内 ~矢印でえがく数学の世界~ 数学への招待』を同時並行で読みながらだったんですが圏論それ自体についてはなかなか理解が進まず*1。本書も数学や物理の説明それ自…

見事な言語化の能力をもった、《言葉の学問》としての数学

www.youtube.com 示唆的で面白かった。 特に、ゲストのお二人が現代数学を《うまく言い表すこと》と説明したこと。逆に言うと、言葉が欠けている(まだ上手く開発されていない)場合には問題が解けない(証明できない)。 その箇所の文字起こし。(動画25分3…

呉勝浩『爆弾』

爆弾【電子限定特典付き】 (講談社文庫)作者:呉勝浩講談社Amazon映画化されたというので【公式サイト】原作を読んでみました。 爆弾をめぐる仕掛けとしては面白かったんですが――装飾過多の過剰に "文学的な"、格好良さを気取ったような説明の連続にややシラ…

『ユダヤ人の歴史』通読

ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで (中公新書)作者:鶴見太郎中央公論新社Amazon「社会や環境のせいでそうなった」と、「本人の主体性ゆえにそうなった」を絡み合わせながらの記述。 (1)中間コミュニティとしてのユダヤ人集団…

柚月裕子『孤狼の血』

孤狼の血 「孤狼の血」シリーズ (角川文庫)作者:柚月裕子KADOKAWAAmazon【以下、ネタバレ注意】 善良なだけの人間はさんざん利用された挙句、都合が悪くなると捨てられる――それを気持ちいいほど残酷に見せてくれる娯楽小説。某所で『ナニワ金融道』『闇金ウ…

「大学数学のロードマップ」

木村すらいむ✍趣味の大学数学(@kimu3_slime)さんによる図⇒ https://t.co/QLVfHDZ3ya高校数学から教養数学~数学基礎、というあたりで何度もしつこく「もがく」しかないな…。 pic.twitter.com/N73KtI3Fqv— 上山和樹 (@ueyamakzk) 2025年10月21日 高校数学が…

『不思議な数eの物語 』

不思議な数eの物語 (ちくま学芸文庫)作者:E・マオール,伊理 由美筑摩書房Amazon書き込みをしたいのでハードカバーの旧版を古本で購入。なにしろ対数に馴染みたくて。複素関数が出てきた辺り(p.227~)から急に難しくなって細部は理解できなかったが、とにか…

『論理と集合から始める数学の基礎』

論理と集合から始める数学の基礎作者:嘉田 勝日本評論社AmazonAmazonの購入履歴によると10年前(2015年)に入手してるが当時は読み始めたもののさっぱり要領を得ず「何のためにこんな話を?」が分からず早々に挫折、そのまま積読状態。今回は論理と集合の話を…

『ゲーデルと20世紀の論理学』

ゲ-デルと20世紀の論理学(ロジック) (1)東京大学出版会Amazonゲーデルと20世紀の論理学2 完全性定理とモデル理論東京大学出版会Amazonゲーデルと20世紀の論理学 3 不完全性定理と算術の体系東京大学出版会Amazonゲーデルと20世紀の論理学 4 集合論とプラトニ…

内井惣七『空間の謎・時間の謎』通読

空間の謎・時間の謎 宇宙の始まりに迫る物理学と哲学 (中公新書)作者:内井惣七中央公論新社Amazon『物理学の哲学入門 Ⅰ: 空間と時間』を読み始めたものの「ミンコフスキー時空」「ローレンツ変換」「ポアンカレ変換」がほぼ説明なく出てきて分からなくなり中…

『プラトン入門』(岩波文庫)通読

プラトン入門 (岩波文庫 青 678-1)作者:R.S. ブラック岩波書店Amazonキリスト教出現より400年くらい前の、《この世界》をめぐる葛藤と議論。 見ようによっては、「なんて下らない議論に精魂傾けてるんだこの人たち…」 人間はそういうことをどうしても考えて…

イアン・ハッキング『数学はなぜ哲学の問題になるのか』通読

数学はなぜ哲学の問題になるのか作者:イアン・ハッキング森北出版Amazon関連する固有名や話題の勉強にはなったが、 いわば "人文的に" この話題を考えてもダメだ。要するに 現在アカデミックな哲学者たちを夢中にさせている唯名論の諸問題は、数学者にとって…

『時間という謎』『〈現在〉という謎』通読

まず『時間という謎 (現代哲学への招待)』を流し読みして大まかな概念を把握し、それからこれを通読。議論の現状を知るのに勉強になったし面白かった。〈現在〉という謎: 時間の空間化批判勁草書房Amazonただ…、時間をめぐる議論としては何か根本的なところ…

存在への態度(ハイデガーとゲーデル)

一方に形而上学(プラトニズム)を捨て別の道行きを探したハイデガーがおり*1、 もう一方に、頑固なプラトニストのゲーデルが居る*2。ゲーデルは思想信条としてはプラトニストなのに仕事は徹底的に現世的で、いわば唯物論的に具体的な記号と言語の扱いに拘泥…

断酒20周年

2005年9月14日の昼頃に最後の日本酒を飲み、そこから激しい嘔吐と離脱症状に苦しみ、2日後の9月16日早朝、朝日を浴びながら断酒を決意した――この記憶に間違いがなければ、今日2025年9月16日は断酒決行からちょうど20年の節目になる。 私なりの方法論は、「形…

EGPA(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)に罹患しました

私の診断名: www.nanbyou.or.jp 経緯メモ 2025年8月14日(木) 下痢が始まる。本人は8月12日に食べた「きんつば」*1の食あたりだと信じ込んでいた。 8月15日(金) 水様便がひどくなる。本人は食あたりと思い込んでおり、とにかく悪いものが出てしまえば恢復す…

「mathematics is physical」を Horizon Beta に訊いてみた

近日中の公開が予定されている ChatGPT-5 の可能性があると囁かれる Horizon Beta*1が無料で使える: 使うのです……API通すとかまだるっこしい事しないでWebから直接Horizon Betaを叩けるopenrouter chatを……https://t.co/DD2ztqF1gP使い方はAdd Modelをクリ…

「mathematics is physical」を Gemini に訊いてみた

Gemini に投げた質問: ロルフ・ランダウア―は「Information is physical」と言い、情報の話を熱力学に結びつけました。一方、数学そのものが記号という時空間的表現を必須とすることから、「数学それ自体が物理的事象である」と言えるのではないでしょうか…

Mathematics is physical.

数学は時空間的にしか実現しない(記号と思考過程)*1。 しかし内容としての数学は時間を捨象している。 ここに整理すべき問題がないか。 *1:「数学と物理」とよく対比されるが、数学は記号という物理的実在と、思考過程という物理的過程としてしか実現しな…

メタ気取りのインテリごっこと、オブジェクト・レベルへの監禁

左派の文脈にある精神分析や脱構築には、論じる自分を検証するスタンスがあったはず。つまり論じる自分にはメタレベルがありつつ、論じられる自分は対象(オブジェクト)レベルにもある。「自分はどのような実情にあり、どのように構築されているのか」――そこには…