抑鬱や精神疾患と《炎症》

文庫 「うつ」は炎症で起きる (草思社文庫 ブ 2-1)作者:エドワード・ブルモア草思社Amazon【単行本&電子書籍ページのほうが説明が詳しく冒頭サンプルがある】 日常的に抑鬱状態があり、特に自己免疫系の疾患に苦しんでいたり、「抗うつ薬が効かない」という…

うつ病――神経伝達物質モデルから《炎症》モデルへ

昨晩(2026年10月11日)𝕏で流れてきたポストを読んでびっくり。 うつ病は、第一に「セロトニン不足」の問題ではありません。それは「炎症」の問題なのです。 だったら、57歳で自己免疫疾患 EGPA に罹患した私が10代のころから心身の不調に苦しみ続けたのは、…

半年ぶりに味と匂いが戻ってきた!

炎症を抑える、つまり免疫の暴走を抑えるステロイドという薬には強い副作用がいくつもあり*1、できれば飲まずに済ませたい薬です。昨年8月のEGPA発病時に始まったステロイドの大量服用(最初は1日に50mg)。服用量を少しずつ減らして今年4月にゼロになったん…

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ小野賢章Amazon機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女小野賢章Amazon初代『機動戦士ガンダム』(1979年) に小学5年生で衝撃を受けたもののその後の作品群についていけず――というか「リアリティがない*1のに難解…

岡野原大輔『ヒトとAI』――社会運動系"当事者"論への批評になり得る

ヒトとAI (岩波新書)作者:岡野原 大輔岩波書店Amazon「当事者能力を持たない」のに特定の情報処理能力が凄まじい存在を、社会的にどう位置付けるか。*1生成AIのことを「確率的に次の語を探してるだけ」と見下すのが定番だったのが、 ここ最近は数学の未解…

岡野原大輔『生成AIのしくみ』(岩波書店、2024年12月)

生成AIのしくみ 〈流れ〉が画像・音声・動画をつくる (岩波科学ライブラリー)作者:岡野原 大輔岩波書店Amazon一読してしっかり内容を理解するのはちょっと無理で、ただどういう話題と論点が登場するのかを一通り見せてもらった感じ。とにかく関連書をいく…

味と匂いがよく分からない

私は EGPAに関連して この病気 ↓ でもあるらしく。 www.nanbyou.or.jp 今年6月に耳鼻科で全身麻酔の手術を受けて、鼻づまりについては快癒した印象があったのですが――3月以来もう5ヶ月くらい味と匂いがよく分からず*1、そっちはあまり良くなってない。手術は…

イアン・ハッキング『表現と介入』

表現と介入: 科学哲学入門 (ちくま学芸文庫 ハ 43-1)作者:イアン ハッキング筑摩書房Amazon「数学の物理性」という私の焦点に関連する文脈理解のために通読。 理論化ではなく、工学技術(engineering)が対象にかんする科学的実在論の最良の証明である。科学…

通読本メモ(鈴木智彦、筒井康隆)

潜入ルポ ヤクザの修羅場 (文春新書)作者:鈴木 智彦文藝春秋Amazon 私の携帯電話には17人、抗争で殺された暴力団員の電話番号がメモリーされている。自殺した人間を含めると、その数は3倍近くに跳ね上がる。(pp.271-2) 以前にも読んだのだが勉強本の合間に…

英国「レイプ・ギャング調査報告書(The Rape Gang Inquiry Report)」

英国で、パキスタン系イスラム教徒を主な加害者とする強姦被害が25万人以上もあり、しかもそれを政治/司法/警察/医療/福祉が組織的に隠蔽し放置している――その悲惨な実態が暴露された調査報告が公開された。英米を中心に激怒が沸騰している。そのPDF「レ…

熊野純彦『マルクス 資本論の哲学』(岩波新書)

マルクス 資本論の哲学 (岩波新書)作者:熊野 純彦岩波書店Amazon冒頭いきなり「世界革命」の話をするので*1、本書では「マルクスにとっての世界革命」の説明がなされるのかと期待して読み進めたが話は資本そのものの解説に終始し、来るべき未来社会について…

大浜啓吉『「法の支配」とは何か』――憲法への信仰の告白談義

「法の支配」とは何か――行政法入門 (岩波新書)作者:大浜 啓吉岩波書店Amazon 国会は憲法に違反する法律を作ることはできません(憲法98条1項)。 「法の支配」にいう「法」とは単なる法律の謂いではなく、「最高法規としての憲法」という意味に解さなければ…

平野克己『経済大陸アフリカ』(中公新書, 2013年)

経済大陸アフリカ 資源、食糧問題から開発政策まで (中公新書)作者:平野克己中央公論新社Amazon非常に面白く勉強になった。 社会政策のもっとも重要かつ困難な課題は、だれを扶助の対象として認定するかというターゲティング問題だ。〔…〕この政策設計がとも…

読書記録(精読・通読したものだけ)

「チャレンジしたけど途中で挫折」は他にもある。(特に物理/数学系)日本の国会 審議する立法府へ (岩波新書)作者:大山 礼子岩波書店Amazonファイナンス理論全史――儲けの法則と相場の本質作者:田渕直也ダイヤモンド社Amazon新版 金融の基本 この1冊ですべ…

私は、"当事者" などという概念に関わるべきではなかった。

私にとっては誠実さの拠点だった概念が、じつは詐欺と不正の拠点でしかなかった。

生活者としての自己治療

高校から大学1~2年レベルの教科書的な本をずっと読んでる。私はマルクス関連や20世紀フランス/ドイツ思想まわりはいろいろ読み散らしてきたんだけど、生活者としての常識的な学力が欠けてると感じ、その穴埋め作業をしてる感じ。例えば以下の2冊は勉強にな…

「結論ありき」だった斎藤環との往復書簡

斎藤環氏はこんな発言をしてたんですね。*1斎藤環氏は私との公開往復書簡で、まさに「結論ありき」の恫喝的言動で対話の場そのものを壊したのでした(当時のやり取りのうち私の側の原稿は全文を公開しています)。この往復書簡は出版も決まっていたのに、彼…

映画『シドニアの騎士 あいつむぐほし』

シドニアの騎士 あいつむぐほし逢坂良太AmazonTV版の第1期, 第2期を観ていることが前提の作品。異形の存在だからこそ感情移入する、という回路があるなぁ…。

TVアニメ『シドニアの騎士』第1期, 第2期 全話イッキ見

www.youtube.com www.youtube.com 二瓶勉氏の素晴らしいデザインセンスで世界観が構築されてる。 そのセンスに浸るだけで異世界感を楽しめる。 ただ…、人物と人間関係は1980年代のラブコメ漫画みたい…。

映画『エイリアン:ロムルス』

【※ネタバレ注意】 エイリアン:ロムルスCailee SpaenyAmazonアマゾン・プライムで視聴。 『エイリアン』シリーズの時系列的には第1作と第2作のあいだにあたり、 位置づけとしては「スピンオフ」らしい(参照)。 初代『エイリアン』(1979年) の "あの感じ" …

高野和明『ジェノサイド』

【※ネタバレ注意】 ジェノサイド【上下合本版】 (角川文庫)作者:高野 和明KADOKAWAAmazon評判が高いので期待して読み始めたが、 3分の1もいかないうちにこれが左派のポリコレ談義であることに気づき、鼻白みながら読むことに。連載は2010年というから15年以…

映画『サブスタンス』

【※ネタバレ注意】 サブスタンス(字幕/吹替)デミ・ムーアAmazon若返りの有難みを外見だけに特化してることなど、男としては感情移入がしにくい。電話越しに指示された住所はいかにも怪しそうな場所で、あそこに入り込んでしかも自分の体に大量の薬剤を注…

単なる消費ではつながりが生まれない

www.web.nhk 偶然見かけて最後の15分だけ視聴。 仕事と作品で人がつながってゆく。私は2001年に貰った執筆機会*1以後、文章生産に精魂傾けたが、それは限定的な評価しか頂けず、必死になって取り組んだblog執筆(つまりこのblog)は孤立した。東日本大震災が…

大木毅『独ソ戦』

独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書)作者:大木 毅岩波書店Amazon人類史上最大規模とされる戦いの大枠をつかむ読書として適切と感じた。紙の本で、傍線をたくさん引きながら読んだ。病院の待合室で読み進めたのだけれど――本のなかでは100万人単位の人が "死者数"…

「数学は物理的に具体化された認識である」

「mathematics is physical」というテーマについて以前から生成AIに尋ねているのですが、最近また ChatGPT が賢くなったようなので、あらためて質問してみました。示唆的な回答をもらいましたので、貼り付けておきます。*1 *1:文字の大きさがチグハグなのは…

高野和明『踏切の幽霊』

踏切の幽霊 (文春文庫)作者:高野 和明文藝春秋Amazon 娯楽小説としてとても面白く読んだ。【※以下ネタバレ注意】思い出したのは、先日観たこの番組だった。www.web.nhk 《なんのために生まれてきたのか、なんのために生き延びようとするのか》という問いが、…

竹内外史『数学的世界観』

数学的世界観: 現代数学の思想と展望作者:竹内 外史紀伊國屋書店Amazon 著者の竹内氏が《気になっているがよく分からないまま書きつけた論点》で共鳴できた部分を引用します。*1 直観論理のなかで一番本質的で深い内容をもった論理概念は、「ならば」という…

『圏論の地平線』

圏論の地平線作者:西郷 甲矢人技術評論社Amazon『世界は圏論でできている』や『圏論の道案内 ~矢印でえがく数学の世界~ 数学への招待』を同時並行で読みながらだったんですが圏論それ自体についてはなかなか理解が進まず*1。本書も数学や物理の説明それ自…

見事な言語化の能力をもった、《言葉の学問》としての数学

www.youtube.com 示唆的で面白かった。 特に、ゲストのお二人が現代数学を《うまく言い表すこと》と説明したこと。逆に言うと、言葉が欠けている(まだ上手く開発されていない)場合には問題が解けない(証明できない)。 その箇所の文字起こし。(動画25分3…

呉勝浩『爆弾』

爆弾【電子限定特典付き】 (講談社文庫)作者:呉勝浩講談社Amazon映画化されたというので【公式サイト】原作を読んでみました。 爆弾をめぐる仕掛けとしては面白かったんですが――装飾過多の過剰に "文学的な"、格好良さを気取ったような説明の連続にややシラ…