2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「新しい役割理論的な位置づけ」

斎藤環: パーソンズの「病人役割」は私も参照しているが*1、いささか古い。 ひきこもりが社会学に突きつけている問題として、「ひきこもっている人を、公正さの観点からどう位置づけるか」ということがある。 「位置づけなくていい」という野蛮な議論は相手…

「支援者としての欲望」

斎藤環: 医学生として最初は統合失調症に魅せられていた。 今はひきこもりを専門にやっているが、どうしてなのかよくわからない。 先生だった稲村博の問題*1、ひきこもりについて出した本*2が自分の唯一のベストセラーになったことなども「きっかけ」だが、…

「欲望・未規定性」の体験枠組みとしての再帰性

「ICCシンポジウム」の斎藤環氏の発言から、少し引用します。 私が今回の対談イベントで言いたかったこと、そこからあらためて整理してみたことは、こちらのご発言との関係で考えたほうが分かりやすいので。 ヨーロッパのアーティストにはメタレベルがあると…

おことわり

先日のイベントを終えての私的なエントリーです。 引用部分には誤り等あると思いますし、公的な記録ではありませんのでご注意ください*1。 取り上げられたモチーフはこれで全てではありませんが、今後も継続的に検討する予定です。 *1:主催者側で、音声など…

さらに私的なメモ

自他への根源的懐疑と、底の抜けた過剰適応との不毛な往復。 うかつに順応して引き受けたらまずい、という恐怖。 「巻き込まれたら最後、過労死まで追い込まれる」*1。 懐疑がネックなのだから、何百億円かけようがハードだけあってもダメ。 取り組み指針に…

私的なメモ

ひきこもり支援者の専門性とは何か(誰が専門家なのか) 斎藤環:「私自身も含め、“専門家”は一人もいない」(教育プログラムの不在) ご家族・支援者・当事者本人それぞれが提示する「プロに必要な条件」には、各人の欲望が表現される。 「ひきこもりはオタ…

明日のイベントに向けて、メモをいくつか。 基本的には、即興的なやり取りに終始すると思いますが・・・

インターネットラジオ:「オールニートニッポン」

生きづらさを抱える若者のためのインターネットラジオ 〜「オールニートニッポン」 2006年10月27日放送開始!〜 日時: 06年10月27日より毎週金曜日、19時から21時 (毎月第4金曜日渋谷T'sサロンにて公開生放送) パーソナリティ: 巨椋修、 小穴哲至、 永冨…

生田武志氏講演会@「カフェ・コモンズ」 参加 (15日)

コモンズ1周年記念イベント: 『ひきこもり/野宿者〜2つの「ホーム」レス』 「野宿者襲撃」論作者: 生田武志出版社/メーカー: 人文書院発売日: 2005/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 93回この商品を含むブログ (45件) を見る ひきこもっている…

雑誌『ビッグイシュー』 第59号 発売中

斎藤環さんと私の往復書簡 「和樹と環のひきこもり社会論」、今号は私で、『「社会参加」という信仰生活』です。 ▼以下、その原稿より。 ひきこもりの親子関係は、いわば異教徒間の宗教戦争のように見えてきます。 嫌がる人を無理やり社会参加させようとする…

宮台真司氏のひきこもり論と、高齢化

http://podcast.tbsradio.jp/miyadai/files/sensei20061006.mp3 (音声ファイル)*1 ダウンロードされるまでに時間がかかるので、左クリックしてそのまま数分待つか、右クリックで「対象をファイルに保存」で保存してから聞いてみてください。 少し文字起こ…

サービスの義務と責任

以前聞いた話だが、あるひきこもり支援団体の説明会では、 「預けてあった子供が自殺したが、どうしてくれるのか」 と、団体代表が詰め寄られる場面があったとのこと。 「アイ・メンタルスクール」のような犯罪性がまったくなくても、生きるか死ぬかの瀬戸際…

「工賃は1個1円、月給が4〜5千円」について

先日、広島県三原市のイベントにお邪魔した際、上記記事で批判的に話題にされた妹尾敏昭さん(71)と同席し、詳しくお話を伺えた。 妹尾さんは、かつて労働組合の専従を2年されていて、むしろ労働問題に意識の高い方。 多くの方が話題にしていたような、「…

現代思想: 動画や音声

UbuWeb: ジャック・ラカン アーティストのデータベースのようなのですが、なぜかラカンが。 『テレヴィジオン』の元になったと思われる1時間半の動画、『ディスクール』所収の「ラジオフォニー」音声ファイル、セミネール(参照)の録音など(最後のカラカ…

「数字で見る地球という村」

一部引用してみます。 世界 過去4000年で誰かに殺された人30億人 毎年生まれてくる人1億3190万人, うち5歳の誕生日を迎えられない子ども1100万人 毎年戦争や紛争でけがをする子ども60万人 殺害される子ども20万人 孤児になる子ども10万人 一日を120円未満で…

ICC オープニング・シンポジウム: 「ネットワーク社会の文化と創造」

パネリスト: 宮台真司、 斎藤環、 藤幡正樹、 浅田彰(司会) サイト左側のところから、動画でシンポジウム全編を視聴できる。 めっちゃおもしろい。 ひきこもりに関しては、54:40 あたりから、それ以後のやり取りなどがキモ。 キーワードは「再帰性」。 ▼…

NPO法人「神戸オレンジの会」 7周年記念イベント: 「ひきこもりの未来」

第1部 講演 爽風会佐々木病院 斎藤環 先生 第2部 対談 斎藤環先生(爽風会佐々木病院) 上山和樹氏(『「ひきこもり」だった僕から』著者) 【注:私です】 日時: 10月28日(土) 1部 13:00〜 2部 14:15〜 場所: 兵庫県こころのケアセンター 3F 大研…

雑誌『ビッグイシュー』 第58号 発売中

斎藤環さんと私の往復書簡 「和樹と環のひきこもり社会論」、今号は斎藤さんで、『「希望」は症状にしかない』です。 ▼以下、その斎藤さんの原稿より。 ところで僕には、ラカン理論で「ひきこもり」を語るさいに、どうしてもゆきついてしまう「究極の結論」…