2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「読み合わせ」

ある地域の「若者サポートステーション」オープニング・イベントで講演させていただいたのですが、やはり《読み合わせ》という表現に、強い反応をいただきます。 申し上げているのは、次のような説明です。 私たちにはそれぞれ所属や立場があって、できるこ…

「コネクションズおおさか」開設記念イベント 聴講

記念対談:「若者の支援の現在、社会的な支援のあり方について」(PDF) 玄田有史(東京大学教授、『ニート―フリーターでもなく失業者でもなく』等、著書多数) 斎藤環(精神科医、『社会的ひきこもり―終わらない思春期 (PHP新書)』等、著書多数) 工藤啓(…

場所の分析

制度への倒錯的順応主義*1やフェティシズムではなくて、お互いの役割関係への距離と、体験されたトラブルの素材化が必要だ*2。 「今の世の中は制度順応とフェティシズムが支配しているから」と、それだけに頼ってみずからの社会参加をマネジメントする人が多…

ひきこもりメモ

ひきこもりとは、政治的硬直であること。 孤立した政治的硬直をどう解きほぐすか*1。 私は発達障害も、「孤立した政治的委縮」という大きな枠の中で見ている*2。 本屋に寄ったら、売上総合ランキングの第3位が『発達障害の子どもたち (講談社現代新書)』だっ…

「読み合わせ」という考え方

ある地方都市で、ひきこもりの親の会の集まりにお邪魔してきたのですが(場所は保健所)*1、「読み合わせ」という比喩での説明が、すごくいい感じです*2。 私たちは、それぞれの「役割」を演じています。 医者とか、親とか、ひきこもる本人とか。 それぞれが…

加害と被害――役割順応と、当事者的な自己検証

モラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられない作者: マリー=フランスイルゴイエンヌ,Marie‐France Hirigoyen,高野優出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 1999/12/01メディア: 単行本購入: 22人 クリック: 332回この商品を含むブログ (43件) を見る 被…

雑誌『ビッグイシュー』 第98号 発売中

斎藤環さんと私の往復書簡 「和樹と環のひきこもり社会論」、今号は私で、『「自明の前提」の前に』です。 ひきこもりについての話を、いきなりメタ理論にしてしまい、お互いの目の前の関係を具体的に考えない――その意味で、解離的な知的ゲームにはまりこん…

制度に絡む実存

メタ的に「制度とは」を論じると同時に、具体的に目の前の制度と付き合ってそこで揉みくちゃになって生きていかねばならないのだ、どんな時代になろうとも。制度をメタに論じるだけで、論じている自分自身の制度との付き合い方は優等生的でしかないというの…

「制度を使う」ことと法律

社会生活にはトラブルがつきものだから(参照)、小学校時代からリーガルマインド(法的思考)を少しずつ訓練しておくべき。法律談義を導入した紛争処理というのはたいへん traumatic な作業であり、長期的に馴染んでゆく必要がある。それをしないでいきなり…