2011-01-01から1年間の記事一覧

超越論システムと、主体化のプロセス

@schizoophrenie さんから頂いたコメントをきっかけに、*1 今の自分の理解のしかたについて、少し考えてみました。長くなったのでブログへ。 window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if…

《超越=不連続》のスタイルこそが発明されていない

「社会は「発達障碍化」しているか」(togetter)をまとめました。 ひきこもり状況に必要なのは、「反復できる不連続」の方法論。 ところが支援では、恣意的連続性を押しつける人しかいない*1。 以下、志紀島啓氏とのやりとり: @ueyamakzk @schizoophrenie …

語学学習に、《つくる》要素を入れることで維持する

単語は絵具みたいなもの 鉛筆のすべる手触り、サリカリいう音、木の匂い 言葉は、《正しくする》のではなく、《つくる》とみなす。 間違えてはいけないのではなく、つくる 絵具と粘土でこね上げるみたいに作る、ことばを クロッキーみたいにくり返し書く 抑…

ニコラ・タジャン Nicolas Tajan さんのサイト

ジャパン・タイムズの記事(参照)に登場していたかたです。 http://www.wix.com/nicolastajan/1 ↑サイト右上の『Japanalysis』をクリックすると、彼のブログが*1。 今は京都大学の立木康介さんのもとに留学中で、不登校・ひきこもりの日仏比較研究をされて…

クライン/ラカン的な対象論と、ウリ/グァタリ的な制度論を同時に考えるのに、廣松渉の「モノからコトへ」は無視できないと思って検索していて、以下の三つを続けて読んだ。これは素晴らしく示唆的だった。 廣松渉『哲学入門一歩前-モノからコトヘ (講談社…

写真家 Pierfrancesco Celada ピエルフランチェスコ・チェラダ さん

http://www.pierfrancescocelada.com/hikikomori/hikikomori.html http://www.pierfrancescocelada.com/iwish/iwish.html 関東のとある支援団体に、3カ月ほど滞在して撮影したそうです*1。 通りすがりに、好奇の目で撮影するのと、 3か月一緒に過ごして作品…

当事者性と、素材化

【承前】 一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル作者: 東浩紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/11/22メディア: 新書購入: 14人 クリック: 581回この商品を含むブログ (164件) を見る 著者がこの本を、ルソーからの「二次創作」(p.250)と言ったことで…

衝動ではなく、分析の生成過程としての《無意識》

【承前】 一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル作者: 東浩紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/11/22メディア: 新書購入: 14人 クリック: 581回この商品を含むブログ (164件) を見る 情報技術に期待したい最大の点は、それが本書にいう《総記録社会》…

むしろ、「中間集団2.0」が要る

一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル作者: 東浩紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/11/22メディア: 新書購入: 14人 クリック: 581回この商品を含むブログ (164件) を見る 既存の政治に絶望し、人間関係に苦しさを抱える私にとって(参照)、 この本…

内部と外部

「東日本大震災:被災地引きこもり、現状を考える NPOが神戸でシンポ /兵庫」(毎日新聞) 私の発表では、次のようなお話をしました(大意+補足)。 東北の体験談にもあったが、1995年の被災時にも、感動的な助け合いがあった。 しかしそれは、ライフラ…

労働の呼吸

『11/27 ライブトーク ふたつの「あの日」が揺らしたもの in 神戸』終了。 詳細にレポートするより、生じた変化を生きてみたいという感じがあります。 懇親会は居酒屋『ひとりぼっち』にて。 手入れの行き届いたおんぼろ家屋での手料理は、ひとり1万円の高級…

ジャパン・タイムズ「ひきこもり」記事の失態

横浜でご一緒した日仏ひきこもり比較研究のチーム(参照)が、 『The Japan Times』にインタビューを受け、記事になっています*1。 http://www.japantimes.co.jp/text/fl20111120x3.html 【※以下、英語は原文のままですが、日本語訳は当ブログ主がやっていま…

当事者概念の歴史と可能性

日本語にいう《当事者》(旧字で當事者)は、外国語にうまく置き換えられない。 たとえば英語で「person concerned」「party」などとしても(参照)、日本語で《当事者》というときの何とも悩ましい経緯(いきさつ)は、かなり言葉を尽くさないと説明できな…

主観性と関係性について、再帰的であること

横浜でご一緒したかたから、10月末に頂いたメールの一部より(許可を得て引用): 関係性、あるいはコミュニケーションが成り立っていることのスタイルを問題にすること自体が、なんらかのスタイルを介してでなければ伝わらない、というパラドクス?のような…

難しさの焦点が、なかったことにされている

支援団体や自助グループ、ひいては就労へのアクセスが難しい理由として、次の2つがある。 しがらみ(党派性)に巻き込まれる ストーカー 説明の切り口はほかにも作れるが*1、「人とのつながりに入ることの恐怖」として、この2つが――話題としてすら――抑圧さ…

ライブトーク 《ふたつの「あの日」が揺らしたもの - 大震災が問うひきこもり問題 - at神戸》

日時: 2011年11月27日(日) 13:30〜16:30(13:00 開場) 場所: こうべまちづくり会館(神戸市中央区元町通4-2-14) 2Fホール 入場料: 1,000円 (経費を除いた収益はNPO法人フェアトレード東北へ全額寄付いたします)*1 定員: 80人 懇親会あり(有料) …

病気/障碍/葛藤 ?

以前の告知 ⇒ 《コモンズ大学公開講座 第五回 「ひきこもり後の社会」》 《お誘い》 当日の動画: http://www.ustream.tv/recorded/18342802 冒頭の1時間半です。 私の発言部分では、 (1)精神医学が病因を突き止めるに至っていないこと、その概念操作の未…

お誘い

明日(14時〜17時)のイベント、まだ空席があるそうです。 当日の飛び入りも可能かもしれませんので、ぜひお問い合わせください。 info★taiyoh.org (コモンズ大学事務局) ← ★を半角の@に替えるとメールアドレスになります。 私からは、 ひきこもりをめ…

集団的に生きられる主観性と、主体化の失敗

以下のセミナーを聴講。 「断片的主観性:主観性の生産プロセスをめぐる冒険」(第23回ときめき☆セミナー) 講師: ステファン・ナドー(ヴィル・エヴラール病院)*1 日時: 2011年10月31日(月) 15:00〜18:00 場所: 大阪大学(吹田キャンパス) 生命…

「がんばった人こそがヤバい」という矛盾

10月25〜26日は、横浜にいました。 【10月25日】 (1)フランスから短期で来日中の、「日仏ひきこもり比較研究」をされているチーム(参照)と、 (2)関東で10年以上、ひきこもりに関する討論サークルや読書会、親の会などを継続されている皆さん(参照)が…

「コモンズ大学公開講座 震災後の社会を考える 第五回 「ひきこもり後の社会」」

ひきこもりを経験した人が生きていくには、企業で働くとか、医療や福祉行政に頼るなどは考えられますが、それ以外の道はあるようで不明瞭です。震災後の復興も、企業に任せるとか、税金や行政でするとは考えますが、それ以外の道もあるでしょう。一七年前阪…

いま一番やらなければならない仕事は、問題意識のあり方を変えることだ。「それをやれば仕事をしたことになる」の暗黙の了解が狂っている。専門性が、役に立たないどころか、有害さの焦点になっている。

解体=再編として生きられる、schizo-analyse

以下に引用するのは、 『現代思想』 1984年9月 臨時増刊(vol.12-11) 総特集: ドゥルーズ=ガタリ*1 に掲載されている、ガタリへのインタビュー「スキゾ分析の方へ」(聞き手・訳は宇野邦一氏)の末尾である。 今回あらためて読み返して、「1984年の時点で…

臨床活動の条件としての病い?

http://d.hatena.ne.jp/impuissance/20110928 より(強調は引用者): アルトーにとって作品制作は非常に重要な仕事であった。アルトーは、社会の側から見れば精神病者であるが、アルトー自身から見れば社会のほうが狂っているので、自身は健康そのものであ…

社会性こそがルーチン化している

社会学を専門にされる関水徹平氏の論文を幾つか拝読*1。 なかでも論考 《「社会性」概念の再検討》*2 は、直接的に支援とかかわる。 「文化的判断力喪失者 cultural/judgemental dope」は、もとの文脈でもっていた意味に留まらず、臨床実務上の機能を持ちう…

映画『人生、ここにあり!』観にいった

ヒューマニズムがどうとか、そういうイデオロギーはどうでもいいから、 チャンスのある人はぜひ。 【上映館】 個人的に、ジージョの顛末が・・・

作品活動はセラピーなのか

公開シンポジウム「美と病のトポロジー」を聴講した。 本シンポジウムは、美と病の交錯を「トポロジー(つながり具合、位相を明らかにする学)」の観点から総合的に論じることにより、これまでの成果をさらに掘り下げようとするものです。精神医学・美術批評…

「transfert dissocié」

フランスは20世紀前半頃まであまりブロイラーの概念を好まなかったようで,連合弛緩はassociationの障害ということでdissociationと呼んでいた.だから,psychose dissociativeっていうと「解離性障害」じゃなくてブロイラーの「分裂病」の意味です.2011-09…

「地図作成=メタモデル化」とは、動詞形の《当事者-化》

9月17日は、 午前に日本社会学会大会の分科会「ひきこもり (社会病理・逸脱(1))」、 午後にメルロ=ポンティ・サークルのシンポジウム「メルロ=ポンティと看護」(PDF) を聴講*1。 重要なテーマは、次のようなものだと再確認した。 《言説や活動のメタ…