2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

続けられない

「固定された成功状態を実現できなければ、お前には価値がない」とすることが、本当の意味での保守だ。最初から到達地点を決めておいて、それに到達できなければ尊厳がない、と見下す。 宮台真司、斎藤環が保守なのは、制作と目的地の関係にある。彼らはすで…

「他人にかわって語るのは下劣だ」

クレール・パルネ*1によるドゥルーズへのインタビュー(1986年)より。 『記号と事件―1972‐1990年の対話 (河出文庫)』pp.177-9掲載、強調は引用者。 クレール・パルネ: あなたはミッシェル・フーコーに向かって、こんな発言をしておられます。 「あなた…

ネットで参照できる授業

東京大学教員の講義資料を無償で公開する『UTオープンコースウェア』 そのサイト内の、【アクセスランキング】 東大『学術俯瞰講義』 2006年冬学期 「学問と人間」 その「ビデオ・講義ノート」 上野千鶴子氏の「学問と当事者性1」「同2」「同3」(すべてP…

思惑と責任のからみ合い

何かの「当事者」として発言する人は、商業主義やイデオロギー、個人的な功名心などに、利用される危険がある。使命感からカミングアウトしたはずが、私的利害や党派的思惑に巻き込まれただけ、という…。 体験談を求められたり、カミングアウトを試みたりす…

素材としての有名人

急逝したマイケル・ジャクソン氏の次のような言葉が、TVで紹介されていた。 僕は一皿のスパゲッティみたいなものだ。 何百本もの手が頭上から伸びてきて、むしり取られる。 どんなに努力しても、身近に悪意があればおしまいだ。

《つながりかた》という、政治的・臨床的な課題

いくつかの集まりに参加し、生きづらさや居場所についての話になった。 それであらためて、繋がろうとすることよりも、《つながりかた》こそが問題なのだと思い至る。 「論じかた」=「つながりかた」。 知識人たちの言説に非常に特徴的なのは、彼らの論じる…

「分節過程を中心化する」という核心部分

全員が制度順応しか考えていない、ゆえにのっぺりと平和なら、分析を導入することは異質さと政治の導入になる。 しかし「分析という政治」は、基本的に排除される。 順応で維持される関係者のナルシシズムを毀損するからだ。 ナルシシズムが支配する場では、…

居場所を守るのは、集団的な労働だ

昨日のエントリーより: problematic consensual frames 問題のある《合意や共感のフレーム》 between existing and emerging frames 存在しているフレームと、生成しつつあるフレームの間 偶発的な出会いやシャッフルが「関係フレームの移行」を引き起こす…

「Hikikomori は、炭鉱のカナリア?」  ミーガン氏の引きこもり論

神戸大学・海事科学部の特任准教授(参照)、George Meegan(ジョージ・ミーガン)氏*1による引きこもり論。(以下、強調はすべて引用者) 「Hikkikomori – Canary in the mineshaft? Part 1」 「Hikikomori Part 2」 「Hikikomori Part 3」 「Hikikomori Co…

渡辺位(わたなべ・たかし)氏 逝去

不登校問題に尽力された渡辺位氏が、5月25日に亡くなられたとのこと。 http://foro.blog.shinobi.jp/Entry/116/ (山下耕平氏のエントリー) 私は面識はありませんでしたが、この問題に取り組んでこられた先行世代が「亡くなりつつある」という現実を、あら…

洗脳されたまま反復する日常

社会参加に関して、実務と理論がある。 ただしひきこもる人も、その状態のままですでに実務に参加している(参加していなければ生きていない)。 ところが、意識だけがその参加状況を黙殺していたら…? これは、ひきこもる人だけの問題ではない。 「参加して…

《分析》は、触媒というよりも、排除のきっかけになりがち

東京劇場―ガタリ、東京を行く作者: フェリックス・ガタリ,梶洋哉出版社/メーカー: ユー・ピー・ユー発売日: 1986/04メディア: 単行本 クリック: 15回この商品を含むブログ (6件) を見る以下は、浅田彰氏による記述(p.144-p.145、強調は引用者) 数日後、坂…

「マジメさの反対は、フマジメではない」

失業について、「それには構造的排除の面がある」といわれる。 本人を実体化して責めても、本質的な取り組みにはならない、と。 同じようなことを意識について言い出したら、どうなるだろう。 「私がこんな状態なのは、させられてきた面があるのです」、と。…

「反省なき文化強制」

フランツ・ファノンのいう「反省なき文化強制 imposition culturelle irréfléchie (unreflected imposition of a culture)」(参照)という問題意識は、まさに制度分析の話ではないだろうか。 そう読むのでなければ、「他者の文化を尊重しましょう」みたいな…

映画『精神』

監督・想田和弘(そうだ・かずひろ)氏: --「メッセージ&プロフィール」 インタビュー:「モザイクかけたら人間は描けない」(JCAST) 「精神科診療所の内部にカメラを入れた映画監督・想田和弘」(日刊サイゾー) 「僕が見たこと 追体験する」(読売新聞…

国立精神・神経センター精神保健研究所精神保健計画部、「改革ビジョン研究ページ」より

「精神保健福祉に関する、海外の情報」 オーストラリア、イギリス、フランス、イタリア、カナダの取り組み紹介。 「各都道府県の精神医療の状況の年次推移グラフ」 日本の各都道府県のデータ。

「精神病院解体後のイタリアの精神医療−ウンブリア州を中心に」

松嶋健氏の講演をめぐって。(以下、強調は引用者) イタリアでは3年ほど前*1に、ついに全土で公立精神病院が廃絶されたのをご存知でしょうか。 1960年代から精神病院の開放運動が始まったイタリアでは、78年に公立精神病院の廃止をきめる法律180号(運動の…

日本の裁判員制度と、韓国の国民参与裁判制度

以下の企画を聴講。 会場はほぼ満員で、100人弱の参加者*1。 日時 2009年6月6日(土)午後2時30分から6時30分まで 内容1 韓国の国民参与裁判制度について講演とデスカッション 【参照:「李教授への質問事項〜国民参与裁判について」】 内容…

病院名・地名など

l'Hôpital psychiatrique de Saint-Alban サンタルバン(サン・タルバン)精神病院 l'Hôpital Sainte-Anne サンタンヌ(サン・タンヌ)病院 Clinique de La Borde ラボルド(ラ・ボルド)病院

人名表記

Georges Daumézon (1912-1979) 《ジョルジュ・ドーメゾン》 ほかに「ドムゾン」*1など。 ポルトガルの『精神医学年鑑』に、フィリップ・ケクランと連名で掲載した論考において、「psychothérapie institutionnelle」という名称をはじめて用いた(1952年)。 …

「pédagogie institutionnelle」(制度主義教育論 or 制度を使った教育学)

学校教育を変える制度論―教育の現場と精神医療が真に出会うために作者: 三脇康生,佐藤学,岡田敬司出版社/メーカー: 万葉舎発売日: 2003/08/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 37回この商品を含むブログ (9件) を見る制度を使った方法論の、教育での取り…

「psychothérapie institutionnelle」(制度における、制度による、制度に対する精神療法)

『現代思想』 1984年9月 臨時増刊号(vol.12-11) 総特集 ドゥルーズ=ガタリ 【絶版】 訳語:「制度精神療法」 p.28 訳者:宇野邦一 宇野氏によるガタリへのインタビュー「スキゾ分析の方へ」より。 みずからの精神病院での取り組みと、思想的な試行錯誤の…

《制度における、制度による、制度に対する方法論》 邦語文献

同じ取り組みに言及していながら、訳語や人名表記がバラバラであるために、文脈じたいが見えない――という状況があまりにひどいため、「これは同じ話だよ」というリストアップを試みます。 これからも追加していく予定ですので、お気づきの文献等がございまし…

慨嘆

古臭いルーチンをこなしていると、「仕事をした」とみなされ、ねぎらわれる。 本気で内在的に取り組んで身を切るような言説生産をすると、趣味と思われる。 「何をすれば仕事をしたことになるか」の判断を、みんながサボっているのだ。

「労働者健康福祉機構」が運営する、「メンタルヘルス対策支援センター」

全国各地にある。 http://www.rofuku.go.jp/sanpo/eap/center_list.html

書評:『「ひきこもり」への社会学的アプローチ』(ミネルヴァ書房)

「ひきこもり」への社会学的アプローチ―メディア・当事者・支援活動作者: 荻野達史,川北稔,工藤宏司,高山龍太郎出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2008/12メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 46回この商品を含むブログ (11件) を見るhttp://booklog.…