『現代思想』 1984年9月 臨時増刊号(vol.12-11) 総特集 ドゥルーズ=ガタリ 【絶版】
訳語:「制度精神療法」 p.28
訳者:宇野邦一
宇野氏によるガタリへのインタビュー「スキゾ分析の方へ」より。 みずからの精神病院での取り組みと、思想的な試行錯誤の関係について、ガタリ本人が説明を試みている。
- 作者: 松本雅彦
- 出版社/メーカー: 星和書店
- 発売日: 1987/11/01
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著者の松本氏は1976〜7年頃、ラボルド病院に三週間ほど滞在している*1。
- 作者: フェリックスガタリ,杉村昌昭
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 1988/03/01
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原書は『La révolution moléculaire』(1980年版、10/18叢書)
- 作者: フェリックスガタリ,Felix Guattari,杉村昌昭,毬藻充
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 1994/06/01
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p.68〜、 p.100〜、 p.141〜
原書は『Psychanalyse et transversalité : Essai d'analyse institutionnelle』(リンク先は2003年刊だが、初版は1972年でFrançois Maspéro社)
- 作者: ジルドゥルーズ,フェリックスガタリ,Gilles Deleuze,F´elix Guattari,杉村昌昭
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 1994/11/01
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この論考「制度のなかにおけるシニフィアンの位置(La place du signifiant dans l'institution)」は、原書では『La révolution moléculaire(分子革命)』(1977年版、Recherches社)に収録されている。 邦訳版『分子革命―欲望社会のミクロ分析 (叢書・ウニベルシタス)』(1988年刊)は、1980年版(10/18叢書)の『La révolution moléculaire』を原本にしており、論考の取捨選択に違いがある(参照)
- 作者: フェリックスガタリ,F´elix Guattari
- 出版社/メーカー: 松籟社
- 発売日: 1995/12
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原書は『Les années d'hiver 1980-1985(冬の時代)』(リンク先は2009年刊だが、初版は1986年でBernard Barrault社)
- 作者: P.コフマン,Pierre Kaufmann,佐々木孝次
- 出版社/メーカー: 弘文堂
- 発売日: 1997/11/01
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訳者:片田珠美
原書は『L'apport freudien』(1993年刊)で、項目はジャン・ウリが執筆している。
「institutionnelle」という単語が「病院」*2と日本語訳されたことについて、のちにウリ本人が「それでは台なしだ」と溜め息をついている*3。 取り組みの趣旨をほとんど真逆に理解した邦訳。
-
- 参照:「『フロイト&ラカン事典』の訳文訂正について」(加藤幹郎氏)
- 作者: フェリックスガタリ,フランソワトスケル,菅原道哉,ジャンウリ,高江洲義英,ダニエルルロ,市川信也,F´elix Guattari,Danielle Roulot,Fran〓@7AB7@cois Tosquelles,Jean Oury,杉村昌昭,村沢真保呂,三脇康生
- 出版社/メーカー: 松籟社
- 発売日: 2000/04
- メディア: 単行本
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原書は『Pratique de l'institutionnel et politique』。 ただしこの邦訳版は、トスケイエスへのインタビューが削除され、逆に三脇康生氏による長大な論考「精神医療の再政治化のために」のほか、菅原道哉氏と、高江洲義英氏へのインタビューが掲載されている。
フェリックス・ガタリの思想圏―“横断性”から“カオスモーズ”へ
- 作者: フェリックス・ガタリ,ジル・ドゥルーズ,杉村昌昭
- 出版社/メーカー: 大村書店
- 発売日: 2001/07/19
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- 各章の原文(部分)
- 「音楽創造における異質発生」 原文:「L'hétérogenèse dans la création musicale」(PDF)
- 「内在の眩暈」 原文:「Vertige de l'immanence」(PDF)
- 「カオスといかに闘うか」 原文:「Combattre le chaos」(PDF)
- 「エコゾフィーの実践と主観的都市の復興」 原文:「Pratiques écosophiques et restauration de la Cité subjective, par Félix Guattari」(PDF)
- ドゥルーズ「フェリックスの著作について」 原文:「Pour Félix」【"Chimères" (n°18, hiver 1992-1993, p.209)初出、⇒『Deux régimes de fous : Textes et entretiens, 1975-1995』掲載、邦訳『狂人の二つの体制 1983-1995』】
- 作者: F・ガタリ,宮林寛,小沢秋広
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2004/01/11
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原書は『Chaosmose』(Galilée,1992)
- 作者: 海老坂武
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2006/06/02
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「thérapeutique institutionnelle」という原語が記され、「機構療法」と訳されている。
論者:海老坂武
フランツ・ファノンが、ガタリらと同じ臨床運動の文脈にいたことが日本では知られていない。
- 作者: ジャックオックマン,Jacques Hochmann,阿部惠一郎
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2007/05/01
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訳者:阿部惠一郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/05/29
- メディア: 雑誌
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「制度改編派精神療法」という訳語を提唱。
- 作者: 斎藤環
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/11/01
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ここでの斎藤氏の解説は、あくまで好意的になされているのですが、意味がよくわかりません。少なくとも、私が引き受けようとしている、内在的な臨床の時間には触れられていない(むしろそれを拒絶している)*4。 それは、どうでもいい欠落ではなくて、制度分析の核心部分です。 ▼私は『ビッグイシュー』誌上の往復書簡で斎藤氏への反論を行ない、ほとんどすれ違いに終わったのですが(参照)、それはまさにこの核心をめぐるものでした。ただ、いきなり反論をぶつけるより、この解説への疑問をたたき台に、お互いの趣旨確認をするほうが良かったかもしれません。これは、一時的な感情的対立ではなく、非常に根本的な方針の対立です。
- 作者: 鈴木泉,小泉義之,檜垣立哉
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2008/01/11
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論者:三脇康生
- 作者: 多賀茂,三脇康生
- 出版社/メーカー: 京都大学学術出版会
- 発売日: 2008/08/30
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「psychothérapie institutionnelle」の訳語をめぐる格闘は、内在的な仕切り直しの時間軸を、「ベタなメタ解説」や「メタに固定された現場」にあらがってどう位置づけるか、だと思います。それは、「おフランスからの輸入思想」でも意味がない。歴史的な文脈は説明しつつも、この取り組みの生命線は、自分の日常をどこまで素材化できるかに懸かっています。
- 作者: フェリックスガタリ,F´elix Guattari,杉村昌昭
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2008/09/01
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原書は『Les trois écologies』(Galilée,1989)
- 作者: 絓秀実
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 2008/11/29
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制度を使いながら制度を批判するスタンスを維持する(そのことをドゥルーズ/ガタリは「n-1」たれ、と言った)制度論的精神医療
- 作者: 日本社会精神医学会
- 出版社/メーカー: 医学書院
- 発売日: 2009/03
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執筆:斎藤環
同じ執筆者による『思春期ポストモダン―成熟はいかにして可能か (幻冬舎新書)』(2007年11月公刊)p.225〜とほぼ同趣旨の説明になっている。 公刊時期はずれているが、執筆は同時期ではないか。
- 作者: デイヴィッド・ハーヴェイ,酒井隆史,重田園江,市田良彦,小泉義之
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2009/05
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論者:廣瀬浩司
廣瀬氏には、『Problématique de l'institution dans la dernière philosophie de Maurice Merleau-Ponty(モーリス・メルロ=ポンティの晩年の思想における制度化の問題系)』という、フランス語の博士論文がある(ご本人のサイトより)。
説明のなかで、「制度的(制度における、制度に対する)精神療法」と記されている。 臨床実践の趣旨にもとづく敷衍的な意訳だが、非常に示唆的。
現代思想2010年10月号 特集=臨床現象学 精神医学・リハビリテーション・看護ケア
- 作者: 木村 敏,村上 靖彦,宮本 省三,河本 英夫,西村 ユミ,松葉 祥一,熊谷晋一郎,綾屋紗月
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2010/09/27
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フーコーはこの運動を「制度=施設(institution)」批判として位置付け、そこにトスケイエス、ウリらの「制度論的分析(analyse institutionnelle)」も含めているが、このような「制度」の名における闘争全体、さらには「制度」概念そのものについて、批判的なコメントを繰り返している (以下略) (p.121)
- 作者: 廣瀬浩司
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2011/02/24
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〔制度分析(analyse institutionnelle)は〕 「制度における、制度による、制度に対する」働きかけなのである。 ガタリは言う。 「このような〔医療〕環境の分析プロセスを、外部から行なうことはできないと強調しておこう。それは制度それ自体と一体化しなくてはならない」*5。 (略) ガタリの60年代の実践が私たちの考察に残してくれたのは、制度概念そのものの創造性である。 「制度によって、制度に対して」引き起こされるものであるからこそ、「制度における」特異性の生産を制度化することができる。 (pp.143-4、強調は引用者)
*1:参照:『医療環境を変える―「制度を使った精神療法」の実践と思想』p.39
*2:いわば「psychothérapie hospitalière」。 ▼大熊輝夫『現代臨床精神医学』p.13に、「近代の精神医学はまず精神病院の中から誕生したが、これは「病院精神医学」 hospital psychiatry, Anstaltpsychiatrie といわれる」という記述がある。
*3:『精神の管理社会をどう超えるか?―制度論的精神療法の現場から』p.133
*4:制度分析を説明することは、多かれ少なかれそれを自分でも引き受けることになってしまう。――これは、制度分析の当事者論的な性質をあらわしていると思います。ここでいう当事者性は、「すでに参加している自分のありよう」を問い直す作業課題のことであり、「弱者であるかどうか」ではありません。