サービスの義務と責任

以前聞いた話だが、あるひきこもり支援団体の説明会では、

  「預けてあった子供が自殺したが、どうしてくれるのか」

と、団体代表が詰め寄られる場面があったとのこと。
アイ・メンタルスクール」のような犯罪性がまったくなくても、生きるか死ぬかの瀬戸際に追い詰められた人のお世話を志せば、トラブルに直面するリスクは高くなる。
支援の態勢が整備されていない現状では、支援される側からの不満や提言はどんどん口にされるべきだと思うが、どのような形でサービスと責任の線引きをするのか明確にしておかないと、「関わった以上は個人で全部背負い込め」というのでは、しかもそこにこれだけのリスクがあり、かつほとんどの支援団体が赤字というのでは、――支援を志す人が出て来ない。
それとも、「必要ないサービスだ」ということか。
ただでさえ複雑な事情を持った支援なのだから、責任の所在と、使い得る社会的資源の所在を明らかにしないと、支援活動自体が、社会的に遺棄されてしまう。