私的なメモ

  • ひきこもり支援者の専門性とは何か(誰が専門家なのか)
    • 斎藤環:「私自身も含め、“専門家”は一人もいない」(教育プログラムの不在)
    • ご家族・支援者・当事者本人それぞれが提示する「プロに必要な条件」には、各人の欲望が表現される
      • 「ひきこもりはオタク化すればいい」*1という斎藤環氏の提言も、「支援者としての欲望」として話題化できる。
      • 長田百合子氏は、世間や親御さんの欲望を代理執行している?
      • 冊子『共同生活施設のルール』(同じ10月28日に東京でイベント)


  • 長期化・高齢化・サバイバル
    • 高齢化は、ひきこもり業界では「当然の事実」だが、不登校業界では「当事者=若者」が前提であるように見える*2。 また、若者支援事業の相談窓口であっても、「○○歳まで」となっている。
    • 訪問活動には懐疑的であるべきだが、「本当に出て来れない人」については、ご家族への対応しかないか。
    • 現実的に言って、サバイバルの財源は。


  • 不登校〜ひきこもり〜ニート発達障害(支援業界の文脈)
    • 不登校業界は「病気ではない」と主張するが(それはそうなのだが)、「病気や障害ではないから支援策は必要ない」として、高齢化したひきこもりに予算がつかず忘却が進んでいる。 いまのところ活用可能な枠組みはニート支援事業しかない*3が、これも「34歳まで」などとされる。



  • 「差別される」という問題
    • 「ひきこもっていた過去がある」というだけで、社会的に不利になる。 「一度ひきこもってしまった人間は、もう再帰の可能性はある意味で絶たれているのではないか」と思えてしまう。
    • ほとんど議論されていないが、必要なテーマではないか。


  • 支援者へのケア
    • 親御さん・支援者・本人のそれぞれにとって、《継続》が課題になる。 とりわけ、あまり話題にされない「支援者へのケア」が重要(引き受けてしまった人の孤立化など)。
    • 永冨奈津恵氏によると、支援団体のほとんどは赤字。
    • 「ひきこもり支援者は、まじめな人ほどすぐに燃え尽きる」(斎藤環






*1:選択肢の一つであるとは思うが、「フェティシズムによる懐疑の忘却」という指針には、やや疑問が残る。 あるいは宮台真司氏の「まったりしろ」のように、それ自体が強迫化しないだろうか。

*2:これについては、私自身に具体的なエピソードがある。

*3:→ 「引きこもり対策議員連盟」に期待?