2015-01-01から1年間の記事一覧

自分の生きる制度への分析は、自他への臨床活動になる

【第1回DG-Lab研究会開催報告(その2)】(ドゥルーズ・ガタリ・ラボラトリ) このレポートを拝読するかぎり、山森裕毅氏は『医療環境を変える―「制度を使った精神療法」の実践と思想』という本を乗り越えたと主張した形なのですが、では山森氏の説明に新機…

論者たちじしんの、労働の技法は?

濱口桂一郎【労働と「思想」】(hamachanブログ - EU労働法政策雑記帳) 先日の拙エントリが参照されているのですが、 通りすがりにひどく罵倒されています。 このブログの人は、「思想研究」の対語を「実学」などと言っているので、その時点で話にならない…

思想研究にも実学にも、集合的な技法という意味での試行錯誤がない

思想史の研究と、いわゆる「実学」研究の関係について、 研究者間の論争状態を目にしたので、それを部分的に引用しつつ、*1 既存の政策論や臨床言説に欠けているポイントを記してみます。 書籍『労働と思想』 市野川容孝、渋谷望・編 発行:堀之内出版 『労…

狂信の武装解除は、狂信になっていないか?

廣瀬浩司氏のツイートより: イスラム国は国家の脱構築のひとつの帰結である。そのことはデリダはわかっていた 私がデリダに持つ疑念と、さらにもう一つ、 私の課題である《動詞形の当事化》に関係するように見えるので、 これはぜひ詳細に伺ってみたいです…

才能、技法、環境条件――山田ルイ53世さんの場合

【引きこもりからの栄光なき受験が糧に 髭男爵・山田さん】(朝日新聞) Wikipedia -「髭男爵」より: 山田ルイ53世(1975年4月10日 - ) 兵庫県三木市出身、六甲中学校に進学するが、中学2年生の夏頃から引きこもりになり、中途退学。大学入学資格検定を経…

阪神・淡路大震災から20年

ダブル・スタンダードは当事化されない。しかしそれを言うだけでは、インセンティブの設計にならない。分析で最も困難なのが動機づけ。人は「うまくいかない」に直面しなければやり直さないし、頓挫しても、かえって自分を棚に上げる、逃避的パターンに固執…

謹賀新年――作業過程の蘇生

「画材店は楽しい」と気付いて、 子供のころの工作のわくわく感も思い出し、 それまで考えていたことが、いろいろ繋がった気がします。 観念論的なあり方を、唯物論的なあり方にするという意味での治療 《不可逆の時間》の技法が要る。不当に空間化するので…