「強制された自己決定」

最近、東京の小学校のPTA会長(僕と同い年)が、公の場で日の丸・君が代問題に触れたところ、辞任に追い込まれたそうです。 朝日新聞の記事であることを差し引いても、これが事実だとしたら本当におぞましい。

  • 「お子さんがいじめられるかもしれない」
    • 予想される子供たちのイジメ行動への黙認宣言、という形での脅迫(「ご家族が危険に晒されますよ」)。
    • 「私がいじめるわけではない」から、「私の責任ではない」。
    • 「イジメが起こってもやめさせるから安心しろ」とは、誰も言わない。 (「イジメをやめさせる」ことへの無力感がある。)


  • 「PTAは思想的に真っ白であるべきだ」
    • よく聞くフレーズだが、「思想的に真っ白」なんてあり得るのか。
    • 「真っ白」、すなわち「無垢」が、「政治的な正しさ」のアリバイ表現になっている。


  • 「辞任は本人の意思」
    • 「問答無用の弾圧による不可避的選択」を、「本人の自己決定」にすり替えている。



僕は「ひきこもり当事者のための選択肢を増やせないか」と思って天皇の話をしたのですが、やはり既存の文脈では、「天皇」の話はすなわち「日の丸・君が代問題」であり、それは「選択肢の豊饒化」ではなくて「選択肢の抹殺圧力」。


「世間が許さない」は、「日の丸・君が代」と連動していないでしょうか。 「ひきこもることは、日の丸に逆らうことだ」というのが、保守派の言い分なのでは。 もっとはっきり言えば、「ひきこもりは、非国民だ」と言われているのではないか。