2009-01-01から1年間の記事一覧

「第173回国会 予算委員会 第3号 平成21年11月9日」(参議院会議録)

○島田智哉子君 温かい御答弁ありがとうございました。 次に、引きこもりなど、子供、若者に対する支援策についてお聞きをいたします。 さきの通常国会におきましては、当時の私ども野党と与党の修正協議によりまして、子ども・若者育成支援推進法が成立をい…

『A Research Agenda for DSM-V』の全文(無料)

DSM-V研究行動計画作者: デイヴィッド・J・クッファー,マイケル・B・ファースト,ダレル・A・レジエ,黒木俊秀,松尾信一郎,中井久夫出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2008/07/24メディア: 単行本購入: 16人 クリック: 224回この商品を含むブログ (10件) を…

自己検証がないという暴力

継続的に攻撃を加えられると、とうぜん心身に異常が出てくる。 (略) まさしく「精神的な殺人」がおこなわれるのである。嫌がらせや軽蔑、侮辱がくりかえしおこなわれれば心身の調子がおかしくなるのは当たり前のことであり、孤立させられたり集団でいじめ…

コミュニティの形をした支援

支援対象者のナルシシズムを守ることにおいて、支援者のナルシシズムが守られる。 この相互承認の繭(まゆ)が最優先で、あとの問題意識はすべて抑圧される。 現状に疑問をもつと、疑問をもった者が排除される。 関係性のスタイルの押しつけこそが、思想の押…

正義の自己顕示に終わる関係性ではなくて、《つながりかた》を問うべき

マイノリティ*1を受け入れる人は、その「受け入れようとしている」という態度でナルシシズムに浸るので、関係のディテールに再考察を迫られることを拒否することが多い。 「受け入れようとする」という、その一方的な態度じしんが生み出す抑圧もあるというの…

性愛は、商品売買ではなくて、コミュニティ形成活動

商品市場では、成功したかどうか(売れたかどうか)だけが問われる。 つまり、成功の量的側面だけが問われる。 同じことが、性愛で起こってしまう。 《つながりかた=質》が問われないで、《つながったかどうか=量》ばかりが喧伝される*1。 社会参加やコミ…

結果と手続き

コミュニティでは、結果的な意見そのものというより、「そういう方向で考えるしかない」というスタイルの支配がある。 表面的には反論していても、「どういう方向で考えるか」については、支配は終わっている。 【追記】: これは本当に恐ろしい話だ。 全体…

政治力のなさ自体が歴史的

焦点はコミュニティの問題だが、既存の共同体主義はうまくいかない。 とにかく伝統を大事にするとか、単につながろうとしてもダメで、むしろ《つながりかた》が難しい。どういう方向で、何を重点的に考えればいいのかとか、そのレベルにすら合意がない。 そ…

しぶとさ

勉強と試行錯誤を続けながら、問題意識を洗練させていくしかなくて、 らせん状にしぶとくやっていくしかない。 直線的な優等生にはムリ。

考えてしまっていたこと

iPS細胞というのは、「受精卵 → 体の細胞」を逆にしたようなもので、 たとえば皮膚の細胞から、どんな臓器にもなる万能細胞が作れるらしい。 考えてしまったのは、これの物理学バージョンはできないだろうか、ということ。 晩年の芥川龍之介は、「神も希望通…

TV番組「人体再生 iPS細胞 山中博士の挑戦」*1

深い感銘を受けました。 「本人の皮膚から、全身のパーツをどれでも創りだすことができる」という夢のような話 外国と比べ、はるかに劣悪な研究環境(参照)で成果を出した 近隣国でのデッチ上げ事件など、自分に責任があるとは言えないことで苦しめられた …

《社会性》をどう設計するか

わかりやすい宗教の実体名ではなくて、生きようとしている社会性のスタイルの違いが、以前でいう「信仰のちがい」みたいになっている。 その意味で信仰の違う、つまり社会性のスタイルの違う相手と同席する拷問。 相手の誠意が、私にとっては許しがたい裏切…

コミュニティ臨床と、「社会関係の再分配」

文化系トークラジオ『Life』 2009/08/16 「Life 政策審議会」 以前から発言に注目している樋口明彦氏が出ておられて、4時間ほどある podcast をすべて聴きました。 番組のテーマは、「私たちは、そもそも何を望んでいるのか。それを実現するには、どういう…

かりかりのトーストに、柔らかいバターを塗りつけるような

岡崎乾二郎氏の作品集『ZERO THUMBNAIL KENJIRO OKAZAKI』をめぐるエントリー: 「蜜と眼」(みつばちの箱) キャンバスはパンをトーストにするサイズに統一されていて、まるでバターを塗る行為から連鎖が生まれ作品に転じていく。これだけでわたしはお腹い…

コミュニティ臨床としての、リアルタイム民主制?

10月23日深夜の『朝まで生テレビ』(参照)と、それに続く議論(参照)が刺激的です。 《素材化=当事者化》が、コミュニティ臨床と意思決定の問題であることを確認しつつ、取り組まなければならない事業を考え直しています。 以下は簡単なメモ。 直接民…

ビデオ「ひきこもり脱出マニュアル 全3巻」(監修:斎藤環、2003年)

制作・著作・販売: 「PEエデュケーション」 【注文フォーム】 ある図書館でお借りして、視聴できました。 ひきこもり状況の再現ドラマのあと、斎藤環さんが細かく解説し、ご家族向けのアドバイスを提示するというもので、お話の内容そのものは、全国の講演…

適切な批評や創造は、臨床活動になる

永瀬恭一氏よりのレスポンス: 追記によって更に明瞭になっていると思うのですが、このエントリ自体が「制度分析」になっている −たとえば、端的に言って、「上山和樹という制度」の分析になっている。 私が素材化や当事者化と言っているのは、まさにそのこ…

永瀬恭一個展「ノートの終わり・ノートの始まり」

私が気になる絵は、たとえば中西夏之(参照)、高木紗恵子(参照)、岡崎乾二郎(参照)などで、何か神経症的な順応主義と反対の、そこでもう一度「やり直させてくれる」ような、かといってぞんざいではなく、必然性を探す緊張感があって、そのための応援を…

無記名的な*2素材としての自分

「暇すぎて死にそうなので>>4の半生でも聞こうと思う」(ニコニコVIP2ch) 【はてブ】 凝った筆名や実名ではなく、「4」「325」など、番号だけで「自分語り」がされていく。 本当に目指すべきはこっちだ。 2000年前後に「当事者本」が流行ったが、そうした本…

「概念創造のスタイルを変える」という臨床行為

*1「概念を創造する」といっても、すでにある生産態勢で「創造」したって、同じルーチンでしゃかりきになることでしかない。 本当に必要なのは、考える態勢そのものを変えることであり、嗜癖的な労働ルーチンを組み直すことだ。組み直すことが自己目的なので…

社会化の方針

私は、「もう一度考え直す」のが仕事だと思っている。 【当事者主義、制度分析】 彼らは、「できたことにしてしまう」のが仕事だと思っている。 【専門家主義、商品化】 一緒にやれるわけがない。 追記(10月03日) 私はここで、《分析的な再素材化》と、《…

コミュニティがあって、それが紛争で駄目になるのではなく、紛争処理のスタイルが、コミュニティとして生きられる*1。 直接的な利害対立というより、「処理スタイルの違い」が、対立の火種になる。 大昔にはバラバラだった紛争処理が、司法システムで一元化…

大人とは、必要な仕事を自分で決められること。 「やりたいこと」「どうやったら愛されるか」ではなく。 難しいのは、それが自分には(人間には)できないとき。 射程圏内にある「必要なこと」を自分で見つけられれば。 「人生は、次の二つで出来ている。や…

当事者論の貧困は、妄想的糾弾主義を生む。

カテゴリー当事者*1を擁護する人の間違いを指摘すると、自動的に「カテゴリーに敵対している」とされてしまう。 彼らは、「○○の味方」を標榜するだけで正義と思い込んでいるから、とにかく批判しただけで「○○の敵」にされてしまう。 「私たちは○○の味方をし…

脱洗脳とパターナリズム (メモ)

私たちの意識は、その都度プロセスとして営まれている*1。 そのプロセスは、硬直して一定のスタイルを続けている(気づかれていないが)。 制度分析は、メタ・コンテンツの正しさに屈服させるのではなく、プロセスの態勢を変える臨床運動といえる*2。 それは…

社会参加臨床 メモ

カテゴリー当事者ではなくて、プロセス当事者をしなければならない。 カテゴリー当事者という方法は、人権運動や女性運動で取り組まれてきた。 しかしそれだけでは、そもそもカテゴリーで人を分けることそのものの弊害を論じられない*1。 カテゴリーではなく…

「社会全体を、改善された学校や病院のように」

イヴァン・イリイチの「脱学校化・脱病院化」という主張が知られている: 「社会が、学校や病院のようにヒエラルキックに管理された場所になってはいけない」。 しかし、むしろ逆ではないか。 学校や病院であれば理不尽に管理されてよいのではなく、学校や病…

説得、権力、環境管理

説得に成功した時にしか効果が現れない臨床活動がある。 するとこの活動は、「作品づくり」や政治説得に近づく。 ある精神病院のデイケアサロンでは、患者さんが料理をつくる。 このとき、患者さんに指図するのではなく、「誰が作ってもおいしく作れる調理器…

専門教育が、「処理力」と「編集力」の構成を変えるべき。

もと和田中学校長の藤原和博氏と、10月の神戸市長選に立候補予定の樫野孝人氏の合同講演会を聴きに行った(参照)。 樫野氏はリクルート時代の藤原氏の後輩で、選挙に向けてタッグを組むとのこと。 藤原氏が板書した以下の表で、さいきん考えていたことを…