2004-11-01から1ヶ月間の記事一覧
最も感情を動かされる事態を、最も冷酷な知性で分析する必要がある。
刺激的。 提出された論点をいくつかこの場で紹介するかもしれない。
世間から「甘えている」などと言われる「引きこもり」だが、高齢化した当事者にとっては当たり前のように「生き死に」の話。 この温度差はなんとかならないか。 ギリギリの切実さが、社会的なものと切り結ぶところで話ができたと思う。
何を考えればいいか。
「社会的排除」防止の努力は、誰のために為されるのか。 ●(1) 排除された人たち ●(2) 活動家本人 ●(3) 既得権益(被包摂)層 活動家は、被排除層のための利益を実現するためには、既得権益層に訴える必要もある。 その際には「セキュリティ意識の亢…
アメリカが強硬な措置をとれば、「政治的怨念」の火に油が注がれ、国際テロが起こるでしょう。そうすれば、セキュリティ不安が惹起されますが、このセキュリティ不安を、アメリカ一極集中型の情報管理行政を徹底させようとか、それに関わるアーキテクチャー…
ネオコンの政策的主張とは、一口にいえば、「社会政策的な遂行」よりも「法的意志の貫徹」*1を圧倒的に優先させるネオリベ的な内政図式を、国外にも投射したものです。ここに、ネオコンの大きな特徴があるんですね。イギリスやアメリカの中東政策史が蓄積し…
ここ以下の引用は、すべて宮台真司氏 「粗野で乱暴なだけがネオコンじゃない」 からです。 不透明な「脱社会的」弱者 かつて「食うための犯罪」がもっぱらだった時代には、犯罪に手を染める少年たちは「見るからに弱者」であり、「社会政策的措置の遂行」に…
「格差」「階層」というとふつう経済(構造)問題だが、山田昌弘氏の≪希望格差≫は、「主観要因+客観事態」という言い方になっている。 → 玄田氏「ニート」論の困難さ・難解さと重なる。 「社会的排除」に関し、内面要因と客観的条件の共犯関係が問われてい…
『ニート―フリーターでもなく失業者でもなく』を再読し、『中央公論』12月号の山田昌弘氏の論考 「希望格差社会の到来 ―― 努力が報われる人、報われない人」 を読んで、ちょっとだけ整理できたような。 例によって思考メモです。
「自分自身がお金持ちになって社会の内部に入ろうとする」面と、「排除される人たちの問題に取り組むことによって自分が社会に内部化される」面と。 いずれにせよ、早く自分を社会に内部化しないと、自分と家族が命取り。
20日夜のある企画で、私が『ニート―フリーターでもなく失業者でもなく』を紹介し、議論する予定なんですが、全体をパラパラと読み直していたところ、≪まったく読めていなかった≫ことが判明(滝汗)。 適当な情報だけを拾った「斜め読み」しかしてなかった…
「生死のかかった問題への、アクセス可能な手続き」を見失ったときに、絶望的な気持ちになる。 意欲がなくなる。 つねに、「アクセス可能な手続き」を模索し、創造しなおす必要がある。 ≪手続き≫を、そしてそこから生まれる「課題」を、つねに本質的・効果的…
具体的に提出された「リアルな手続き」は、しかしこの「ひきこもり」という社会問題の「最終解決」には至らない。 そういう意味でなら、「問いの前に立ち尽くし、言葉を失う」という経験を、真摯さの指標として採用してもいいのではないか。 「様々なファク…
私は親御さんたちから、「当事者のリアル」の代弁(翻訳)者になってくれ、という役割をまず期待された。 最近では、保健師など、専門職のかたからのご依頼も頂く。 現場の情報格差をなくすために、それは重要な仕事で、今後も続けたいと思うが、私の口にす…
「謎として可視化された弱者」の問題に取り組むのは、その謎が生まれてきた背景を変えるためだと思う(環境を変えるだけではなく、当事者へのアプローチの仕方も含めて)。 だとすれば、「リアルに創造」されるべきなのは、「謎」(それは弱者としてすでに存…
斎藤環氏は上記『中央公論』掲載文章の末尾で、「わからなさの維持」についてこう述べている。 啓蒙的段階を過ぎ、私が引き続き「専門家」を自称し続けるならば、今後はひきこもりの「わからなさ」についてより多く語るべきなのかもしれない。 「専門家」と…
「必要なステップ」としての≪謎≫化 不可視の弱者(他者)は謎にはなり得ない(存在に気付かれていないのだから当たり前)。 尊重も施策も起動しない。 事件や報道をきっかけに、大量に存在するらしき「不可視の他者」がイメージされるが、既存社会は、この≪…
「不可視かつ透明」 ←→ 「可視かつ不透明」 自立して経済生活を送れる人の内面は、謎ではあっても放置される(非難されない)し、放置されていい(謎的な相手の自由の尊重)。 しかし引きこもり当事者の「主体の謎」は、謎に留まることを許されず、「お前ら…
さて、昨日のエントリーの続きです。 全体で1つの投稿なので、まだお読みでない方は昨日の【1】を先にどうぞ。 その前に 今日扱っている「内面探求 ←→ 社会施策」という話は、1回きりで終わらせることなどとてもできない、重要で難しい問題だと思います。…
「確率の問題」 → 「構造の問題」 斎藤環氏は、「『ひきこもり』がもたらす構造的悲劇」と題する短い論考*1で、先日起こった東大阪市の両親殺害事件に触れ、「これまでのひきこもりの事件は、確率的に起きた異常事態*2とも見なせるが、今回の事件は、ひきこ…
フリーターの姿を「可視化(フーコー)」させることが必要だ。 このブログはそのための試みなのだ。 すべての記述が不可視化する圧力をはねのけるために書かれている。 *1 フリーターが「正社員になりなさい」と説教され、フリーターを食い潰すことで生き残…
自分では何もできず、完全な無力に追い詰められた人間が、その問題に関わろうとする人間のすべてに悪態をつく : 「ほっといてくれ!」 あるいは逆に、「早くなんとかしろよ!」。 自分の発言がどのような社会的結果をもたらすか、それが自分や自分の置かれ…
『フリーターが語る渡り奉公人事情』というBLOGの全エントリー全文を2枚のHTMLメールにコピペし、文字の色などを変えながら読んでいる。 すべての意見に同意できるわけではないが、私にとっては大切な出会いだと思う。*1 生活条件の劣悪化が、状況に対抗す…
【今日のエントリーは、翌日分と合わせて全体を一つの草稿として読んでもらえるとうれしいです。 太字・赤字強調は、すべて私です。】
「フリーター生活のなかで失ったもの」*1 読んでいて胃が痛くなり、意識が遠くなる。 無理をして家を出ても、待っているのはこういう生活だ。 *1:「フリーターが語る渡り奉公人事情」より。 (via id:yodaka さん)
帰路、パネラーの浜口真吾氏、宇根英美氏、樋口明彦氏、大学院生*1、私で、 喫茶店で談笑。 → 楽しかったし、収穫が多かった! 行政サイドの浜口氏との会話は貴重だったし、宇根氏に(伝わったかどうかは分からないが)ひきこもり問題の深刻さを事例を挙げつ…
正直、絶望感を深めた。 行政は、深刻なひきこもりの問題には何もできないのではないか。 しかし、現場にもこれだけ認識のギャップがあるという事実を再確認できたのはよかった。 樋口明彦氏の発表をしっかり聞けたのも収穫。 閉会後、「オレンジの会」代表…
質問者4名中*1、3名が「オレンジの会」の親御さん。 ご両親たちからの質問は、「施設まで行けない当事者はどうすればいいのか」という一点に集中した。 言葉の端々から、行政サイドの呑気な認識への激しい苛立ちが感じられ、会場に不穏な緊張が走る。 浜口…