2004-11-19 内面と客観条件の交点 「格差」「階層」というとふつう経済(構造)問題だが、山田昌弘氏の≪希望格差≫は、「主観要因+客観事態」という言い方になっている。 → 玄田氏「ニート」論の困難さ・難解さと重なる。 「社会的排除」に関し、内面要因と客観的条件の共犯関係が問われている。 希望に関する社会環境の4類型*1 格差なし 【理念的共産社会】 希望がなくなる (努力してもしなくてもみな同じ) 格差固定 【前近代身分社会】 希望がなくなる (努力しても階層が変わらない) 格差は努力の反映 【戦後日本社会】 希望がもてる (努力すれば階層が上昇する) 希望格差社会 【現代日本社会】 希望がもてる人と希望がなくなる人への分断 (努力で階層が上昇する立場にいる人々と、努力しても空しい立場にいる人々への分断) 「絶望したのは私のせい」なのか。 症候的絶望? *1:山田昌弘「希望格差社会の到来――努力が報われる人、報われない人」(『中央公論』12月号)より