内面と客観条件の交点

「格差」「階層」というとふつう経済(構造)問題だが、山田昌弘氏の≪希望格差≫は、「主観要因+客観事態」という言い方になっている。 → 玄田氏「ニート」論の困難さ・難解さと重なる。 「社会的排除」に関し、内面要因と客観的条件の共犯関係が問われている。

希望に関する社会環境の4類型*1

  • 格差なし 【理念的共産社会】
    • 希望がなくなる (努力してもしなくてもみな同じ)
  • 格差固定 【前近代身分社会】
    • 希望がなくなる (努力しても階層が変わらない)
  • 格差は努力の反映 【戦後日本社会】
    • 希望がもてる (努力すれば階層が上昇する)
  • 希望格差社会現代日本社会】
    • 希望がもてる人と希望がなくなる人への分断 (努力で階層が上昇する立場にいる人々と、努力しても空しい立場にいる人々への分断)



 「絶望したのは私のせい」なのか。  症候的絶望?







*1:山田昌弘希望格差社会の到来――努力が報われる人、報われない人」(『中央公論』12月号)より