2004-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ああ

自分の言語の貧しさにゲンナリ。やっぱり、アタッチメントのない人間の言葉は貧困化するよ・・・・。だからますます社会的に弱い立場に追い込まれてゆく・・・・。 これ、重大な問題だと思う。言葉が使えない人間は社会的に徹底的に弱いところに追い込まれる…

ヒキコモリ=過労?

id:aimee が、「過労と餓死は似ている」というコメントをくれている。彼女は車上ホームレスなどを経験し、今は徹夜を含む早朝から深夜までの殺人的スケジュールに耐えているのだが、「餓死を選択する精神状態と、過労の精神状態が似ている」という指摘は考え…

「接点の回復」の難しさ

僕は35歳になるから、同世代の連中が集まると、往々にして80〜90年代の昔話になる。「あの頃は楽しかったよね〜」というわけだ。 こういう席で、僕は黙り込んでしまう。 80年代の消費文化に、僕はまったく馴染めなかったし、同世代の思春期文化にも疎遠感ば…

理論の必要・ジャンルの色気

上記鼎談には、「(社会学では)理論的なものが求められなくなってきている」という話題がある。僕は「理論に興味がなくなった」ことを自分の個人事情だと思っていたのだが、そうではなかったのか。 ヒキコモリとの関連で考えてみる。 僕よりも年上のヒキコ…

attachment のみちすじ

東氏・北田氏が語る『批評空間』周辺の話はうなずけるものばかり。(僕は彼らより3歳上だが、なぜか時代感覚がほとんど変わらない。) 彼らが僕と違うのは、やはり「アタッチメント*1が続いた」ということだと思う。「何をすればいいのかわからない」と言い…

 接点をもたらす理論

いくつものコメントありがとうございます。しつこいようですが、お返事しなくても無視しているわけではありませんので。すべて読んで、参考にし、楽しませていただいております(書き込みはいつも僕を励ますものと思ってください)。 『波状言論』鼎談「リベ…

メモの終わりに

思想や哲学に興味のある当事者は多くても、ヒキコモリという状態そのものを巡って思索してくれる人はあまりいない。「ボクつらいんです」というベタな当事者語りはたくさんあっても、その自分の発言や置かれた状況そのものを分析的に理解する作業(メタ語り…

「solution(解決)」と「問い」の螺旋的深化。

一つの学問的決着は、新たな問いの生産にすぎない。ただし問いは深化されている。 それと同じように、生活努力においても、日々の答え(=稼ぎ)と同時に、どこかで深化されていく問いの要因を持たなければ、持続的にやっていけないのではないか。 ある方か…

詩的に楽しむということ、そして≪現実≫

「気に入った人物は詩であり、私を詩にしてくれる」。 イエス、なるほど。 しかし、小さな子供は必ず詩だろうか。 3歳児のブログ 『さほちゃん』 その子が自分で撮った最もお気に入りの写真 : 「うた」 合理的目的意識(生活の言葉?)とも私性とも無縁な…

80〜90年代の個人的記憶断片

実感の極北(と思われる)文学と、実感排除の極北(と思われる)数学との類似性(すくなくとも従事する人たちの精神的近親性)がよく語られる。柄谷行人氏の仕事や個人史はつねにこの2つの緊張関係で成立している?(ていうか80年代の知的言説が?) 「あえ…

「俯瞰的拒絶」と「接続して味わう」

「現場との緊張関係でなされるメタ語り」にこそ、最もスキャンダラスで甘い果汁がないか? 僕はといえば、一人で考えているとついすぐに「世界全体を拒絶して」、「世界全体を一挙にどうにかしてやりたい」というトンデモ系思考に埋没してしまう(当ブログで…

無意識――実感・構造・郵便

「豊かな実感」をもたらすもののように思われる「夢」。 フロイト/ラカンは「切断」を重視し、ユングは「全体的融和」を重視する(というふうによく言われる)。「実感信仰派」にはユングの方が受けがいいみたい。 フロイトは誰だったか*1に、「最強の詩人…

情念から砂漠へ and back?

僕が浅田彰氏の発言から受け取った最も強いメッセージの一つは、「情念の湿地帯から、砂漠のような遊技場へ!」というものだった。 → 「カラカラすぎて生きられない」 アインシュタインは、ある人から「あなたは世界のすべてを数学で記述できると思っている…

前書きと引用

『波状言論』の鼎談(宮台真司×鈴木謙介×東浩紀)を読み終え、いくつかブログを見ていて思いついたことのメモです。 見出し分けは、整理のための便宜上のもの。今日の書き込みは1個のメモとして一気に書き上げました。 id:Ririka さんの 「詩の魅力、あるい…

ふう

くだらないものも含めて書きたいネタはたくさんあるのですが、今日は長くなったので・・・・。 さいなら。*1 *1:【個人的ご連絡】 書くのを忘れていましたが、僕は諸般の事情から、3月一杯で「しごとふれあい広場アメリカ村」のスタッフを離れました。期待…

「上山さんの言う『餓死』っていうのは、要するに自殺でしょう」

と、ある人に言われた。積極的な意思表示としての自殺ではなく、「そうするしかなかった」という限りなく受身的な現象だが、たしかに「死を選んでいる」と言えるかもしれない。 それは「本人が死のうとした」のか、それとも「そこに追い込まれた」のか。 僕…

実名か匿名か

興味深い書き込みありがとうございます。少しだけ僕の意見というかコメントを追加します。 「当事者は匿名が当然」という空気になってしまうと、「ヒキコモリというのはやはり隠すべき恥ずかしいことなんだ」という前提が崩れず、実名者のニュース価値は上が…

的確で濃密な議論が必要だよ

どうもこのところ体調不良です。全身ダルくて、ボーッとして。 しかし使えそうな時間を使って、『波状言論』の第3号と4号に掲載された鼎談「社会学の現在、宮台真司の現在」(宮台真司×鈴木謙介×東浩紀)を読んでました。(ずいぶん前に配信されたのに今頃・…

実名のあとさき

3月27日の合同説明会&シンポジウム「地域で支える『社会的ひきこもり』」についての記事が毎日新聞はんしん版4月1日(日刊)にあり、僕と永冨奈津恵さんの発言要旨が掲載されています。自分のまとめた文章ではないのでもどかしい部分もありますが、「今回の…

「降りるしかできない不自由」

「脱社会的存在」という言葉について考えているうちにいろいろ構想が広がって、東浩紀さんのメールマガジン『波状言論』に掲載された鼎談を読んだりしています。「脱社会的存在」という言葉をキーワードに社会学に入門する、というのもアリでしょうか。 少し…

「必要な思考」

僕は理論的に考えることをいちど放棄してしまった人間なんですけど、実はそれっていろんな学問分野でも起こっている現象らしくて。「理論的に考えたってしゃーない」っていう気分が共有されてるってことでしょうか。 東浩紀さんがいつか「理論的に考えるとは…

「味方がいない」

「好みのタイプは?」 「うーん・・・・好みっていうか、これは男性でも女性でもそうなんだけど、初対面で出会った瞬間に相手を異性として品定めして、『自分の恋愛対象じゃない』と踏んだ瞬間に信じられないほど冷たい態度に出る人っているでしょう。ああい…

「魅惑」できないから

僕はこのブログで繰り返し「魅惑すること」について書いてるんだけど、考えてみれば、みんな「魅惑できない」からこそ苦しんでいるわけで。あるいは、「魅惑できるかできないか」の瀬戸際のきわどい緊張感に疲れ果ててる。 対人恐怖や視線恐怖は部分的には、…

 味方のいない脱社会的存在

あまり気張った書き込みばかりしているとまた息切れするので、まぁ今日は茶でも飲みながら。(昨日は寝込んでました。うう。)

いま思うこと

「ヒキコモリ」の問題は、それがひどい苦痛を伴うという意味においては「医療」の問題だし、日本においては文脈上まずは精神科医が啓蒙のイニシアチヴを取る意味があったと思う(「犯罪者予備軍」「甘えている」という偏見に対抗するには、いったん医師が「…

「解決」ではなく

他にもネット中毒の問題など、いくつかの話題が出たが、会議全体を覆う「治療対象としてのヒキコモリ」という雰囲気がとてもつらくて、実はそれ以上はあまり覚えていない。 発言者席に座っている当事者は僕だけだったが、会場には他にも日本人当事者がいて、…

社会的・人文的観点

後半が始まった。 鈴木謙介さん*1、漫画家のイ・ヒョンソク(Lee Hyun Seok)さん(都立大に留学中)*2が、社会学の観点から興味深い指摘をしてくださる。高度成長期を終えた日本の事情、日本と韓国の若者文化の変遷、日本で好まれる宗教の変遷(来世利益か…

休憩時間

共同通信(だったと思う、ウロ覚え)の記者さんに呼び止められる。会議にあたって、どういったことをお考えですか、と聞かれたので、「ヒキコモリは若い間は価値観の問題ですむが、高齢化とともに生き死にの問題になってゆく」という趣旨の発言をする。(帰…

「餓死」というテーマ設定

・・・・そう、そういう戦略的な意味合いにおいて、僕は韓国で失敗したかもしれないんだ。 僕は会議前には、「今回の会議では、何か発展的な論点を示せないか」と息巻いていて、それを集約した話題が「餓死」というものだった。 当事者も親も若い間は、ヒキ…

「治療」?

会議では、これまでに参加してきた日本のヒキコモリ関連のイベントでは絶対になかったような途轍もないつらさを味わい続けた。これはなんだろうと思ったら、どうやら韓国側の参加者を支配している「ヒキコモリは治療せねば」という雰囲気のせいらしい。彼ら…