2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

まとめ

「ジェンダー」について、 斎藤環氏は精神分析にもとづき、「事後性」の問題と捉えている。 宮台真司氏は社会学にもとづき、「再帰性」の問題と捉えている。 これはそのまま、欲望のマイノリティにおける「当事者論」と言える。 今の私の選択は、すでに生き…

「再帰性」と流動性不安

宮台真司 「アンチ・リベラル的バックラッシュ現象の背景」 社会学のオーソドックスな枠組みから言うと、ジェンダーフリーは、ジェンダーレスではありません。 ジェンダーレスは「社会的性別の消去」だけど、ジェンダーフリーは「社会的性別に関わる再帰性」…

欲望の倫理と「構成の自由」

私が拙著や当ブログで試みているような膨大な言説努力に対して、その価値を「ジャンルとして」否定されたことがあった。 「能力が低いからダメ」なのではなくて、努力の方向性として意味がない、「科学ではない」と。 「あなたの言説の動機づけは病理的もし…

友人との電話メモ

終了後にやや追加 なにもかもいやになってるけど それでもやろうと思うものは何か 「生活の場面にも政治がある」という言い方の嫌さ加減こそが 再帰性と自意識の苦しさ その語り自身が政治であることになる 無視しろ ひきこもりは 要するにこの社会のタブー …

TBS 「文化系トークラジオ 『Life』」 (土曜 夜8:00〜9:00)

生放送の聴取は関東ローカルだけですが、 後日 podcasting で聴けるようになります。 1月27日(土)のテーマは「『働く』ということ」 出演は、鈴木謙介(charlie)、柳瀬博一(日経BP)、斎藤哲也(編集者)。 ゲストはベストセラー『「ニート」って言う…

土曜ドラマ 「スロースタート」 (夜 9:00〜9:58)

“ひきこもり”・“ニート”を社会へとつなぐ “コミュニケーションのプロ”がいる 「仕事として作る関係」と、「個人的に関係が(悪い意味でも)できてしまう」という要因と。 そのけじめと緊張関係が気になる。 cf. 「関係性とコミュニケーションのちがい」(斎…

nihon-go

『Shutting Out The Sun』巻末に 「Dictionary of Japanese Terms」 があるんですが、 akuru-hara ――alcohol harassment amae ――a close dependency, as between a mother and her son anime ――Japanese cartoon animation boosozoku ――a motorcycle gang or…

『Shutting Out the Sun: How Japan Created Its Own Lost Generation』

著者: Michael Zielenziger (マイケル・ジレンジガー)氏。 【本人のブログ】 たしか2001年と2002年に、インタビュー取材を受けました。 取材対象の経験当事者は複数おられて、本の冒頭には「For Kenji」とあります。 引用された私の発言をざっと読みまし…

「「ひきこもり」関連英語文献リスト、アップデート版」(macskaさん)

本当に助かりますし、励みになります。 ありがとうございます。 昨年からの変化で重要なのは、9月にひきこもりに関する英語圏で初の書籍が出版されたこと。 日本に7年間駐在したジャーナリストの Michael Zielenziger による「Shutting Out the Sun: How J…

阪神・淡路大震災 被災直後 ラッシュテープ (1〜11)

YouTube サイト右上の検索ボックスに、「 HANSHIN AWAJI 」と入れて検索してみてください。 かつて(関西だけで?)TV放映された、編集のほとんど入っていない取材テープを、どなたかが(1)〜(11)までアップされています*1。 ▼現場に同席しているような、…

方針メモ

「超自我は攻撃欲動の内面化である」という柄谷行人の指摘。 「二重の再帰性」(宮台真司)――近代という衝動強迫*1――自意識そのものの嗜癖的性格 後期近代では、底の抜けた再帰性が超自我のように機能する。 「二重の再帰性」から、「二重化された無意識」(…

「「無常観」と「死の欲動」」(新宮一成)

「無常観」、それをどんな風に説明すればいいだろう。 国文学者の川端善明氏は、ある訳書の中で「在るものすべてへの絶望的なうとましさ」という表現を用いられた。 精神分析学は、フロイトが一九二十年代に確立した「死の欲動」論という火種を抱えていた。 …

「宮台真司ロングインタビュー vol.6」

宮台: でも本当に危機一髪だった。 あそこで前妻に出会っていなければどうなっていたか(笑)。 宮台氏はここで、速水由紀子氏と出会っていなければ「どうなっていたか」と笑う。 別の女性についても、以前に語っている。 もしその女の子と出会っていなけれ…

「宮台真司ロングインタビュー vol.2」

宮台: ギデンズの言葉を使えば「再帰化ツール」。 自分たちは何者で何をしているのかという自意識を与えること。 影響力のある語り手は、その時代の「ナルシシズムの提供者」なのだと思う。 宮台真司氏は、「状況と実存の関係」の提示者として、度はずれた…

「批評的な当事者語り」への態度が、その人の動機づけスタイルを表現する

三脇康生氏と電話。 ここ最近考えていたことを一気に聞いていただく。 以下に記しておく。 当事者という概念は、弱者擁護や労働の基点であるとともに(左翼)、主意主義の基点であり(右翼)、愛の問題でもある(宗教・性)。 ▼責任問題、作品創造、ジャーナ…

論争の担い手として脆弱すぎる。

ひきこもりとは、解消不能の論点*1につけられた名前であるとして、 個人レベルでの事態の改善は、この論点からの離脱を意味するだろうか。 この論点を忘れることができるということは、本人がそこで問題になっていたことを忘れられたということだ。 忘れるべ…

ひきこもりは、それ自体が不可避の論争として経験されている

「『文庫増補版・サブカルチャー神話解体』(筑摩書房)がまもなく出ます」(宮台真司) ルーマン的、ギデンズ的の「二重の再帰性」が、めちゃくちゃクリティカルです。 以下、個人的なメモ。 対人恐怖や社会恐怖も、「自他の関係性を考えつめすぎること」と…

「「NHKふれあいミーティング」参加者大募集」

今回のテーマ: NHKスペシャル「ワーキングプア II 〜努力すれば抜け出せますか〜」 NHK側出席者 担当プロデューサー 春原雄策 (報道局・報道番組センター 社会番組部) 担当ディレクター 池本 端 (報道局・報道番組センター 社会番組部) 担当記者 岩田敏…

「なにもしない」 Doing Nothing

働かない―「怠けもの」と呼ばれた人たち作者: トムルッツ,Tom Lutz,小澤英実,篠儀直子出版社/メーカー: 青土社発売日: 2006/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 90回この商品を含むブログ (37件) を見る 冒頭は、「何もしない自分の息子」に著者が激…

「ひきこもり学生:和歌山大が支援室 専門スタッフ配置」(毎日新聞)

ひきこもりは全国で40万〜100万人いるとされる*1。 同大でも大学院を含め計約4000人の学生のうち、常時80〜100人程度がひきこもりの状態にあるという。 同大保健管理センター所長の宮西照夫教授(精神医学)の調査によると、学内で精神疾患を…

あけましておめでとうございます。

初詣。 赤ん坊も高齢者も、わずかな時間のナマミだなと、しみじみ。 僕もすぐに消える。 元旦夜、宿泊先のBS放送で『極道の妻たち』 『フルメタル・ジャケット』を連続鑑賞。 「オタク」の心的リアリティにこだわっている表現者はこれだけたくさんいる――だか…