「宮台真司ロングインタビュー vol.2」

宮台: ギデンズの言葉を使えば「再帰化ツール」。 自分たちは何者で何をしているのかという自意識を与えること。

影響力のある語り手は、その時代の「ナルシシズムの提供者」なのだと思う。
宮台真司氏は、「状況と実存の関係」の提示者として、度はずれたナルシシズムの提供者になっている。
彼のメッセージは、自分や他人を動機づけるのに、徹頭徹尾モチーフが《自意識》にある。 【ex.「田吾作」「まったり」「はしご外し」「格好いい」etc...】
「ニヤッと嗤う(自分には分かっているが、あなたにはそうではないんですね)」。 相互承認は、どこまでも自意識的に行なわれる。 自意識的分析の共有が「エリート意識の共有」で、しかしナルシシズムに奉仕する分析はどこを目指しているか。
状況に影響力を行使するのに自意識というファクターが重要であるのはわかるのだが、動機づけのされ方がどこか違う気がしている。
ただ逆に言うと、つまらない分析は「ナルシシズムの提供装置」として粗悪なので、分析そのものとしてもちろん優れている。 痛めつけられた自意識まわりの分析装置は、宮台氏から繰り返し多くを吸収できる。 【ex.「再帰性」「主知主義主意主義」etc...】