2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

パンフより

雑誌の理念を説明する文章に次のような一節が。 ホームレスと若者に共通性? それは、ともに仕事がないこと。大卒者の就職率は55・8%(2004年)、しかも3年後に30%が離職しています。若者にとっての仕事は、具体的な社会参加の機会でもあります。若…

目標(自立への階段)

以前、生田武志さんの「カフカの階段」を紹介したが、『ビッグイシュー』では「自立への階段」として以下の3ステップを目標にしている。 路上からの脱出 ドヤ(簡易宿泊所)では二畳なら一泊600円から、三畳なら1000円からある。1冊で110円の収入になるか…

行動規範

『ビッグイシュー』には、「行動規範」の一つとして次のように書かれている。 ビッグイシューのIDカード*1をつけて『ビッグイシュー』の販売中に、金品などの無心をしません。 たとえば、次のようなことがあったらしい。 お金のありそうな男性が1冊(200円)…

アルミ缶350個 = 1kg = 100円

ホームレス状態にある人は、真夜中にアルミ缶を集めて仕事をし、昼間は寝ている(だから近隣住民から「仕事をしないで寝てばかりいる」などと言われる)。 ところでその「アルミ缶集め」だが、1kg集めて100円の収入になる。 「アルミ缶1kg」とは何個分か。…

「購買者の4分の1が20代の女性」

頂いたパンフレットにあった情報より。 男女別購買層比較 【購買層ランキング順】 ▽20代女性 26% ▽30代女性 13% ▽20代男性、40代女性、50代女性 11% ▽50代男性、30代男性 8% ▽40代男性 6% ▽60代女性、60代男性 3% ▽10代女性 2% ▽10代男性 0・2…

雑誌の背景いくつか

佐野さんによると、『ビッグイシュー』立ち上げ時には相談したすべての人に「失敗するからやめとけ」と言われたという。 理由は主に3つ。 無料の冊子(フリーペーパー)が当たり前の時代なのに、有料 街頭での立ち売りしかしない 販売人がホームレスだけ 一…

『ビッグイシュー』編集部訪問

11月11日、梅田にある編集部にお邪魔し*1、代表の佐野章二さんと13時半〜20時半(!)、ずっとお話させていただきました(企画に関して)。 「中間集団」についての歴史的な話や、雑誌立ち上げ時のエピソードなども聞けて(道交法に関する警察との交渉など)…

 経済行為

今日のエントリーも、全体で一つです。

岸政彦さん:「会話のきっかけレシピ展」について

まあ確かに会話って苦痛だよな、確かに。それが極端になるとひきこもりとかになっていくんだろうか。 俺はしたくない会話は、無理してしないなあ。無言はさすがに気まずいので、見え透いた嘘をついてその場を離れるかな。いや、堂々と「じゃ、私はこれで。」…

「ひきこもりは精神障害という誤解が根強い」

精神障害から連想されることを選ぶ質問では、「ストレス」(77・0%)が1位だったが▽「ひきこもり者」(58・7%、4位)▽「事件や事故」(53・1%、5位)▽「虐待や暴力」(51・9%、6位)も上位に入った。 すでに何度か論じてきたことだが、…

岸政彦さん:「社会に関する初歩の初歩」

科学者たちのミクロな実践を科学という社会現象と同一視してしまえば、「初歩的な数学や物理学もわからん文系の連中が何を偉そうに」という反発を食らうのは当然なのだが、他方で理系の人が社会についてものすごく素朴なイメージをもって語っているのをみる…

掲載についてのやり取り*3 (11月12日)

上山より。 10日までのやり取りについて、一部を転載しました。 http://d.hatena.ne.jp/ueyamakzk/20051110 【昨日いただいたお返事もぜひ掲載したかったのですが、内藤さん の私的な情報もございましたし、これについては掲載許可を頂いて おりませんでした…

内藤 → 上山 (11月11日)

上山様 上山さん。こんにちは。今、追いつめられていて、よく練った長い文章をかけないこ とをお許しください。走り書きになります。 上山さんの文章を読んで、こんなふうに「当事者」概念を鍛え上げることができるも のだと、敬意を覚えました。 実をいえば…

上山 → 内藤 (11月10日)*2

内藤朝雄様 『Freezing Point』の上山和樹です。 お忙しい中、お返事ありがとうございます。 わたしは議論になると同じ点よりも、違う点に興味が集中するタイプなので、まず、9割方賛成と前振りをして、おもむろに楽しい方をはじめます。 私はこれまで、仕事…

内藤 → 上山 (11月9日)

上山和樹さま 拝見いたしました。 わたしは議論になると同じ点よりも、違う点に興味が集中するタイプなので、まず、 9割方賛成と前振りをして、おもむろに楽しい方をはじめます。 わたしは不平等を、さまざまな個別の領域ごとに、許容できる範囲内のものと、…

 「他者のリベラリズム」と、「開かれた場所としての当事者」

内藤朝雄氏とのメールのやり取りの一部を、許可を得てここに転載する。*1 わたしは「当事者主義」ではなく「他者のリベラリズム」の立場をとっています。 という内藤氏からのメッセージに対し、私はこちらのエントリーを提出した。 それへのお返事より。 *1:…

単独的な当事者性*4、「名付けられていない問題の当事者*5」

みずからの当事者性を、社会的に流通し得るカテゴリーに明け渡さない、つまりみずからの個別特殊性(どんどん変化する)に即した当事者性をそのつど構築する必要もある。▼「不登校」「ひきこもり」など、当事者性を構成する大きなカテゴリーは政治的なものが…

飛躍と継続

ひきこもり:「社会への信仰を失うことによる社会的行為の消失」(非合理な信仰の喪失による、合理的行為の消失) 合理性の連鎖の中には、人を動機付けるものはない。人が動機付けられるときには、必ず非合理な飛躍がある。 当事者性(属性)による連帯と、…

「受苦者と連帯」

大澤真幸氏が山之内靖氏にあてた手紙*1に紹介されていたエピソード: あるシンポジウムの冒頭、姜尚中氏が石原慎太郎氏の「三国人」発言に「怒髪天を衝く」勢いで激怒する発言をし、会場が一気に緊張する。ところがその後の参加者たちの発言はグダグダだった…

長所短所

【他者のリベラリズム】 「圧倒的な弱者」あるいは「被差別者」は、「多彩なパースペクティヴが散乱する他者の海のなか」で、溺れるしかない。そのような者は、「対話と交渉の相手」としての他者であると同時に、「保護と支援の相手」としての他者である。▼…

「戦術的アイデンティティ」(岸政彦氏の指摘より)

当事者性を「降りる/降りない」について。 たしかに従来の民族的アイデンティティが、個を抑圧する機能をもちあわせていたこともまた事実であり、そこからの脱却は重要なことである。しかし、集団的アイデンティティの「必要性」までも否定することはできな…

≪「当事者主義」から「他者のリベラリズム」へ≫

メールによる内藤朝雄氏(id:suuuuhi)のご指摘から、「他者のリベラリズム」というテーマを得る(ありがとうございます)。 あらためて氏のブログを見直してみると、以下のような記述が。 わたしが関わってきたいじめ問題で例を出せば、いじめの被害者は、…

 「非合理な飛躍」 と 「合理性の連鎖」

いくつかの要因がつながったので、途中経過としてメモしておく。*1 今日のエントリーは全体でひとつ。 *1:引用箇所の強調はすべて引用者

『論点ひきこもり』:≪「“会話のきっかけ”レシピ」展 箱(ばこ)さんインタビュー≫

ひきこもり系の多くの人たちにとって、就労において「最もつらい」と思う瞬間は、「仕事をしている最中」ではなく、《休憩時間》だという*1。 つまり、その場の「雑談」に加わらなければならない、あの不確定な揺らぎの恐怖・・・・うまく「雑談サーフ」でき…

東京シューレの≪貴戸理恵著『不登校は終わらない』に対する見解≫

削除されているようです。

「名言集」

なにやら気になるのがいっぱい。 「人間の目的は、生まれた本人が、本人自身につくったものでなければならない。」(夏目漱石) 「幸福の秘訣はしたいことをすることの中にはない。むしろ、なすべきことをしたくなることの中にある。」*1 必然性の発掘が恍惚…

本田由紀さんの「問いかけ」

あのー、まじで問いたいのだが、みんな(若い人たちを念頭に置いてます)、高校とか大学とかで、生活や将来の仕事に直結しそうなことを教わるというのは、あまり望まないのだろうか? (中略) よかったらどなたでも意見をください。 書き込み、すでに多数。

「立花隆 最前線報告 サイボーグ技術が人類を変える」*6

【番組関連情報】 アニメ『攻殻機動隊』の「義体」の基礎技術が成立しつつある印象。(「100年後には草薙素子がいるだろう」とかなり本気で思えた。) 「悲しい」という感情は、脳髄の「Cg25」と呼ばれる部位【参照】が関係しているらしい。うつ病患者に対し…

気になっていること

ジョルジョ・アガンベンの「剥き出しの生」という概念。 それから、稲葉振一郎さんのこちらの書評が、勉強の指針として役立ちそう。

《両義性》――腐敗と抵抗

女性ホームレスを扱った丸山里美氏の論考「数々の脱出(エクソダス)をつなぎあわせて」(『現代思想』2005年11月号p.206〜)より。(強調引用者) 軽い知的障害のある女性ホームレス、Aさん(36歳)。東京のとある公園で2人目の夫と暮らしている。そのつど…