2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「分析的な当事者論」としての制度論

「バラバラなあり方を単に肯定する」のではダメだ。 すでに生きてしまっているバラバラさは、単に自由なのではなく、常にすでに一定の制度を生きてしまっている。それは、生きられた制度についての当事者的分析であり、また、一定の権力を生きてしまっている…

分析の前提となる《制度》という概念について

「実存のもんだいと制度の問題は分けなければならない」とよく言われる(宮台真司)。 私はその上で、「個人の主体化のありかた」が硬直していたり不自由だったりすることを問題化したくて、《制度》という言葉にこだわっている。そういう文脈として、以下の…

カテゴリーと逸脱

女性や性的マイノリティであることは「改善されるべき逸脱」ではないので、ひきこもりや発達障害と一緒にすることはできない。しかし、「あるべきとされる姿(制度)からの逸脱」の問題として、次のような点を指摘できる。 ある逸脱の属性を名指して中心化し…

ジェンダーと、特定セクシュアリティの中心主義

参照:「フェミニズムと異性愛中心主義:上野千鶴子さんとの対話報告」(小山エミ氏) 以下、小山氏が上野氏に向けた疑問を箇条書きで整理し、引用してみる。 上野さんの発言が彼女自身の意図せざる異性愛中心主義を露呈している。 (略) 「注意深く発言す…

外部社会による制度的排除と、実存の制度

ひきこもっている人間は、硬直した自意識の制度に投げやりになったり、自己卑下的な自意識に閉じこもることはあっても、みずからの「欲望の制度」自身を解体的に分析することはほとんどない。意識の制度は、独りではなかなか変えられない。 実存の制度を問題…

硬直したナルシシズムの制度(その連合)

「女性がホストに求めるもの」 id:font-da 『女性がホストに求めるものは、言うことを聞いてくれることではなくて、いわゆるジェンダー規範に基づく理想の男性(男らしくてリードしてくれる)ではないか、と私は推察しています。男性客が女性ホステスに「た…

欲望の制度

欲望のあり方が、制度や「多数派」に決められてしまう。労働や力関係に巻き込まれることは、欲望の制度に順応すること*1。正しく欲望しなければ逸脱する。(運動には運動の欲望の制度がある。) ただし、そのような環境を不愉快に思っている自分自身が、つね…

自分の当事者性を捨象する男性フェミニスト

属性レベルで支援の構図が決定される状況では、男性社会の序列はそのまま温存される。 男性フェミニストの多くは、「女を守る」と宣言して男性ヒーローを演じ、他のオスを威圧する。――これは実は、「強い男が女を独占して権勢をふるう」という男性優位思想を…

《制度》としてのジェンダー役割

不登校経験者の集まりで、今のところ「異性愛女性」の多い*1『Soui』への参加は、ちょっと印象に残るほどラクだった(参照)。 女性がヘゲモニーを握っていて、「おとこ」扱いされない場が、いかにラクか・・・。*2 しかしこのとき、貴戸理恵だけは「おんな…

特権化のアリバイとしての当事者属性

貴戸理恵は、「コドモであり続けるためのスキル」というのだが、実は貴戸自身は、「こども」としての制度順応に失敗し、「おんな」としての制度順応で社会参加に成功している。つまり、小学校時代に不登校で、思春期以後はずっと社会参加。 「変なコドモ」と…

共同サイト 『論点ひきこもり』 URL移動のおしらせ

ドメインを新しくし、新規体制で再出発することになりました。 新しいURLは、 http://ronten.net/ です。 お手数をおかけして申し訳ありません。 今後とも、よろしくお願い申し上げます。

井出草平氏(id:iDES)の著書刊行

ひきこもりの社会学 (SEKAISHISO SEMINAR)作者: 井出草平出版社/メーカー: 世界思想社発売日: 2007/08/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 130回この商品を含むブログ (36件) を見る 関連情報 自著紹介: http://d.hatena.ne.jp/iDES/20070811/118685652…

「トラカレの同人誌『ナツカレ!2007』を夏コミで販売します」

参加したチャットを掲載するとの連絡をいただいたのですが、立派なつくりになっていて驚きました。 掲載ありがとうございます>chikiさん

映画『マグノリア [DVD]』鑑賞

以下、ネタばれを含む感想。

クリップ:「セルフノンフィクション」

藤井誠二:「「セルフノンフィクション」の授業。愛知淑徳大学で今年もスタート。」 課題は、「ノンフィクション」を書くことなのだが、ノンフィクションの「種類」を大きく二つにわける。一つは、取材対象を「外部」に設定して取材をして書く。もう一つは取…

『博士も知らないニッポンのウラ』(水道橋博士×宮崎哲弥)

第8回 岡留安則(『噂の真相』元編集長) 第9回 町山智浩(コラムニスト・映画評論家 id:TomoMachi) それぞれがゲストの回を、無料で視聴できます。

マイケル・ムーア監督

http://www.gyao.jp/cinema/sicko/ 最新作『シッコ』(参照)予告編のほか、 2004年アメリカ大統領選挙で話題になった『華氏911』、また同監督がコロンバイン高校銃乱射事件を扱った『ボウリング・フォー・コロンバイン』の全編を、無料で視聴できます(9…