2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧

距離感

上記の友人*1によると、「恋人と友人のちがい」の一つは、「悩みの共有度合い」なんだそうだ。 友達が悩んでいても、「大変だねぇ…まぁ頑張ろうよ」で済むが、恋人だと、ヘタをすると自分も同じレベルで傷つく。 相手の抱えている問題は、そのまま「自分の悩…

「長所を伸ばし合う」という贅沢

「誠意と耐性のジレンマ」について考えているうちに暗澹たる気持ちになっていたのだが、おそらく1年以上ぶりに遠方の友人に電話して、長時間話し、ずいぶん救われた*1。 彼女は僕のこれまでの仕事のいい面を指摘してくれたのだが、どれほど心の整理に役立っ…

 大事な人、大事な仕事

ついに36歳。

「硬直する視界」

うまく言えないのだが、「視界が硬直する」という感じ、わかります? 凡庸な比喩だが、まさに「牢獄の中に監禁されている」感じが、視界そのものの体感にあって、これが僕の「感受性の態度」を閉鎖的かつ非交流的に硬直させている。 それはひょっとするとお…

「対話的誠意 ←→ 精神的耐性」?

id:tigress-kyoto さんからいただいた、涙が出るほどうれしいご指摘。 人の意見に対して自分の自意識や自信、尊厳がずたずたになろうとも全身全霊で人の意見に対し向き合う姿勢を崩さないこと。 (中略) その姿勢って、たまにネット空間以外のところで「今…

魅惑的「ひきこもり学」?

すごくうれしく、唸らされたのが次のご指摘。 (……)そのために上山さんが文化論、社会論、経済論、コミュニケーション論、精神分析などなど、実に様々なレベルの議論に一人で何役もこなしながら触れるというとても大変な作業をなさっている。 そう、たしか…

認識と実践

「ひきこもりにおいては、幻滅や絶望によって欲望や動機が失われてゆく」という≪認識≫を作る人は大勢いる。 しかし、それへの具体策として「実際に魅惑する」人はほとんどいない。 魅惑に失敗した人間を罵倒する人は、たいてい罵倒相手以上につまらない。 勉…

能動化に必要なもの

「この世を受け入れることができない」 「働くぐらいなら死んだほうがマシ」 という、(幼稚に聞こえるがじつは切実で本気な)問題設定。 幻滅と絶望しかなく、生きていこうとすれば「苦痛は必定だ」*1とすれば、どうやって残りの生を受け入れればいいのか。…

「自己を動機づける」訓練?

私見では、ひきこもりとはある種の「無能力」なので、≪訓練(修行)≫という要因はどうしても外せない。 だが最も本質的な無能力は、おそらく「動機づけられることにおけるインポテンツ」ではないか。 もはやすべてに(少なくとも個人的に)絶望・幻滅してい…

うれしい悲鳴

4日のコメント欄に、chiki(id:seijotcp)さんより、とても真摯なコメントをいただきました(ありがとうございます)。 書き込みをいただいた直後から考えているのですが、なかなかどうも生産的なレスポンスが難しくて(勉強もし足りないし)。 ずいぶん苦し…

 「強度が必要だ」は強度に成功していない

7日・8日と、家族で誕生日を祝ってもらっていました(少し早いのですが)。 36歳。 うかつに年齢のことを考えていると鬱になるので、とにかく取り組める事業案を考える努力を。

「ひきこもり+サブカル」 → 「ひきこもり+ホームレス」

斎藤環氏は「ひきこもり+サブカル」という関心フィールドを持つが、僕は「ひきこもり+ホームレス」らしい。 「サブカル」の話にはまったく興味をもてないが*1、「ホームレス」およびそれに関連する裏社会的な話には、引き込まれてしまう。 要するに、僕は…

謎めいた状態像

4日、漫画版『こころ』を見もせずにコメントしてしまって反省していたのですが、買ってきました『スペリオール』。 この第2話を見る限り、やはり「先生」の状態像は「ひきこもり」とは言えないのですが、しかし連続線上にあることは間違いない。「誰が本当…

取材

8月5日、『ビッグイシュー』 さんからのインタビュー取材を受けてきました*1。 いやぁ、楽しかった! インタビュアーの稗田氏がとても疎通性のいい方で、こちらの話をすぐに理解してくださる。 ホームレスの方々についてのお話も面白くて。 「ホームレス・サ…

苦痛軽減と情報生産、ふたたび(いやみたび?)

こうした「文化的」な話、あるいは「隠喩」をめぐる話は、現実に「ひきこもり」という状態像で苦しんでいる当事者(経験者)の苦痛軽減に、役立つだろうか ―― そういう臨床的=批評的意識は、つねに維持していたい。 というか、そういうギリギリの問いを伴わ…

私信への返信

上山(id:ueyamakzk)さんの文字通り命がけの対話の姿勢を心から共感し、リスペクトしています。ここ数日、お体の具合がすぐれないとのこと、どうぞご自愛ください(「病院に行くオフ」とか開催してみたり:笑)。chikiは現在、blog上では思考停止みたいな状態…

≪崇高≫ と ≪不気味なもの≫

chiki さんはひきこもりの「表象のされ方」を問題にされているので、ここでは次のような指摘をしてみます。 夏目漱石『こころ』の冒頭は、次のように始まっています。 私はその人を常に先生と呼んでいた。 だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明け…

≪外発的≫ ―― 「滑るまい」とすれば

「我々の遣っていることは内発的ではない、外発的である。 これを一言にして言えば現代日本の開花は皮相上滑りの開花であるという事に帰着するのである。 (……) われわれの開花が機械的に変化を余儀なくされる為にただ上皮を滑って行き、又滑るまいと思って…

「啓蒙」 → 「幻滅(絶望)」?

漱石が西洋/東洋を「啓蒙」という視点で捉えていたように、「ひきこもり」も、啓蒙された状態に訪れるアパシーの(シニシズムの?)ひとつとして捉えることが出来るのではないかと思っています。 まだ消化できないのですが、興味深いのでメモ。 「日本独特…

明治期の「神経衰弱」 → 平成の「ひきこもり」?

現代には阿部和重『ニッポニアニッポン』という、「ヒキコモリ+不敬文学」という構造によって描かれている見事な小説があります。 この小説で描かれている「病んだニッポン=天皇制(解決としてのテロ)/ひきこもり(ニッポンの現代病)」という図式が、漱…

「受動的無能力」なのか 「意思的選択」なのか

『スペリオール』という漫画雑誌にて、夏目漱石『こころ』が漫画化されているそうで(さっそく読んでみるつもり)、そこでは「先生」が「ひきこもり」として描かれているとのこと。 漱石の登場人物は「神経衰弱」の「高等遊民」が頻繁に登場します。それが「…

chiki さんの備忘録

chiki(id:seijotcp)さんが、「メインディッシュ解禁前」にもかかわらず、「ひきこもり」について興味深いエントリーをされています。 僕は「文学」がまるでわからないので、とてもフォローは仕切れないのですが、放置するにはあまりにもったいない論点を含…

吐血後の経過

まだ「胃〜食道」の痛みは残っていますが、通常に近いレベルの食事を摂りはじめ、自覚的体力はほぼ回復したつもりです。 ご心配をおかけした皆さん、ごめんなさい+ありがとうございました。 じつは8月3日に予定していた 『ビッグイシュー』 さんからの取材…

鼎談 「ニートが象徴するもの」 (玄田有史×曲沼美恵×村上龍)

メールマガジン 『JMM [Japan Mail Media]』(編集長・村上龍氏) の 最新号【No.282 EXTRA Edition(2004年8月4日発行)】*1より。 ただし直接引用だけでなく、改変した部分もあります*2。 (赤字・太字の強調はすべて引用者によります。) 反抗を放棄した…

課題

死のうというつもりがなくても、死ぬしかなくなる ―― そういうものを、減らせないだろうか。 僕は、「死にたくなっている」のか、「死ぬしかなくなっている」のか。

瀬戸際

投げやりな気持ちにならないためにはどうしたらいいか、そればかり考えています。 身も蓋もないのですが、ここのところ、「もう生きていられない」 「死ぬしかない」 みたいな観念から逃げられなくなっていた。 吐血が、一つの転機にならないだろうか…。 目…

経過

こんばんは。 なんとか固形物を食べられるようになり、そしたら断続的に眠れるようになって、だいぶ楽になってきました(そう思いたい)。 胃潰瘍経験者の友人からは、「次回の大量出血を待っていないで、さっさと病院いけ」と脅されていて、実際ビビッても…

対照

お金と欲望が、 極端に止まっているところ 極端に流れているところ

ホストクラブ

『スーパーテレビ』 8月2日放送 「実録!ホストの花道」 より ドンペリ 1本 ―― 白: 5万円、 ピンク: 10万円、 ゴールド: 25万円 1本 180万円 の酒*1をガブガブ 「お会計、600万円 になります」(たった1回の来店で、30代半ばの女性客1人で) お酒を飲…

餓死

「19歳男性 ・ 自宅で餓死」 182cm で 32kg といったら、短期間で作れる体ではないはず。 「拒食症」 「絶食自殺」 などの言葉が頭をよぎる。 警察は「保護責任者遺棄致死」と母親の放置責任を疑っているが、月収7万円の母子家庭なら、病院に行くのを躊躇し…