2004-08-04から1日間の記事一覧

苦痛軽減と情報生産、ふたたび(いやみたび?)

こうした「文化的」な話、あるいは「隠喩」をめぐる話は、現実に「ひきこもり」という状態像で苦しんでいる当事者(経験者)の苦痛軽減に、役立つだろうか ―― そういう臨床的=批評的意識は、つねに維持していたい。 というか、そういうギリギリの問いを伴わ…

私信への返信

上山(id:ueyamakzk)さんの文字通り命がけの対話の姿勢を心から共感し、リスペクトしています。ここ数日、お体の具合がすぐれないとのこと、どうぞご自愛ください(「病院に行くオフ」とか開催してみたり:笑)。chikiは現在、blog上では思考停止みたいな状態…

≪崇高≫ と ≪不気味なもの≫

chiki さんはひきこもりの「表象のされ方」を問題にされているので、ここでは次のような指摘をしてみます。 夏目漱石『こころ』の冒頭は、次のように始まっています。 私はその人を常に先生と呼んでいた。 だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明け…

≪外発的≫ ―― 「滑るまい」とすれば

「我々の遣っていることは内発的ではない、外発的である。 これを一言にして言えば現代日本の開花は皮相上滑りの開花であるという事に帰着するのである。 (……) われわれの開花が機械的に変化を余儀なくされる為にただ上皮を滑って行き、又滑るまいと思って…

「啓蒙」 → 「幻滅(絶望)」?

漱石が西洋/東洋を「啓蒙」という視点で捉えていたように、「ひきこもり」も、啓蒙された状態に訪れるアパシーの(シニシズムの?)ひとつとして捉えることが出来るのではないかと思っています。 まだ消化できないのですが、興味深いのでメモ。 「日本独特…

明治期の「神経衰弱」 → 平成の「ひきこもり」?

現代には阿部和重『ニッポニアニッポン』という、「ヒキコモリ+不敬文学」という構造によって描かれている見事な小説があります。 この小説で描かれている「病んだニッポン=天皇制(解決としてのテロ)/ひきこもり(ニッポンの現代病)」という図式が、漱…

「受動的無能力」なのか 「意思的選択」なのか

『スペリオール』という漫画雑誌にて、夏目漱石『こころ』が漫画化されているそうで(さっそく読んでみるつもり)、そこでは「先生」が「ひきこもり」として描かれているとのこと。 漱石の登場人物は「神経衰弱」の「高等遊民」が頻繁に登場します。それが「…

chiki さんの備忘録

chiki(id:seijotcp)さんが、「メインディッシュ解禁前」にもかかわらず、「ひきこもり」について興味深いエントリーをされています。 僕は「文学」がまるでわからないので、とてもフォローは仕切れないのですが、放置するにはあまりにもったいない論点を含…

吐血後の経過

まだ「胃〜食道」の痛みは残っていますが、通常に近いレベルの食事を摂りはじめ、自覚的体力はほぼ回復したつもりです。 ご心配をおかけした皆さん、ごめんなさい+ありがとうございました。 じつは8月3日に予定していた 『ビッグイシュー』 さんからの取材…