2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

お互いの当事化の技法を問うこと

「当事者」の時代 (光文社新書)作者: 佐々木 俊尚出版社/メーカー: 光文社発売日: 2012/03/16メディア: 新書購入: 5人 クリック: 146回この商品を含むブログ (63件) を見る 「マイノリティ憑依」というコピーは、上野千鶴子流の当事者論へのカウンターとして…

《うむ》、《なる》、《つくる》

宇野邦一『【現代思想の現在】ドゥルーズ---群れと結晶 (河出ブックス)』p.19 より*1: 丸山眞男が『忠誠と反逆―転形期日本の精神史的位相 (ちくま学芸文庫)』で、日本の歴史意識の「古層」について述べたことは、いまも強く印象に残っている。彼はその「古…

生産する分析過程の技法論

『アンチ・オイディプス草稿』p.22、ドゥルーズの発言より*1: この本の技術的な面についていうと、ふたりで書くということにとくに問題はなかったのですが、それはある明確な機能を果たしていたのであり、われわれはそのことを徐々に自覚するようになりまし…

ドゥルーズは、ガタリの書記係

精神科医@schizoophrenie と東浩紀:「臨床とドゥルーズ&ガタリ / ラカン的欲望と『一般意志2.0』」(togetter) ドゥルーズ/ガタリに臨床的意義を見出そうとする@schizoophrenie さんに、大きな励みを頂いています。 ラカンに限らずどの思想家でも同じこ…

素材化としての togetter

twitter(ツイッター)の細切れのつぶやきをまとめ、一覧して読めるようにするサービスを「togetter」(トゥゲッター)といいます。さいきん私はこれをよく編集していて(参照)、発言者の方々ともやり取りをさせて頂きました。 しかしまとめには葛藤があり…

制作プロセスの、創発的な造形

精神科医@schizoophrenie と 東浩紀: 「臨床とドゥルーズ&ガタリ / ラカン的欲望と『一般意志2.0』」(togetter) 私が「臨床」と言うときは、ひたすら《制作プロセス》、その身体性の話をしている。 『医療環境を変える―「制度を使った精神療法」の実践…

必要なのは、《超越性≒不連続》の技法論

「ラカンの「欲望に関して譲歩するな」と、バブリーな消費主義 - @schizoophrenie さん」(togetter) ラカン派の超越性のかなめが《欲望》であるとして*1、 アンティゴネに相当する葛藤は、日本の日常で言えば何に当たるのでしょう。 あるいは例えば、次の…

「マイナーになること」は、超越性の創発の話

フェリックス・ガタリ的な「マイナーな存在になること」とは要するに「父になること」の拒否、もっと言えば責任逃れの言説でしかなかったのかもしれない。2012-03-12 21:27:36 via web 特異化や「lignes de fuite」(漏洩線)が逃避でしかない、というのは、…

最適解という、不可能な使用価値

インタビュー「安冨歩」より: 実は私は、いわゆる「学問分野」を成り立たせているのもまた「盲点の共有」ではないかと考えています。例えば経済学の場合、最適化、つまり最適なものが選択されるというのが経済学の基本なんですが、それは稀少性、つまり物が…

2012年3月16日 参議院予算委員会 ひきこもり、発達障碍、孤立死

「参議院インターネット審議中継」 発言者「山本博司」*1で検索し、「2012年3月16日 予算委員会 約7時間4分」をクリック。始まった動画でいったんバーを最後まで移動させて、最初の画面が終了した後に自動的に始まる次のパート(後篇)の、1時間42分12秒あた…

グルーチョ・マルクス:「あなたは、腐敗した政治家ですか?」

司会者の横に座る人の職業を当てるクイズ番組、「私は誰でしょう(What's my line?)」より。 最初に映るのがグルーチョ。 www.youtube.com 参照:google:フルシチョフ ドリフでよく観たシーンのネタ元*1: (音が大きいので注意) *1:ネタ元というか、その…

《仲裁》という最悪の欺瞞

食事時にたまたま観た番組が、個人的にタイムリーだった。 「ホットコーヒー裁判の真相 〜アメリカの司法制度〜 後編」(BS世界のドキュメンタリー) 焦点は、「強制的仲裁条項(Mandatory Arbitration)」(参照)。いろんな契約書に小さい文字で書かれてい…

グァタリと réel

impuissance さんが引用(参照)している、邦訳『カオスモーズ』p.126 の一節を、原文から訳し直してみました*1。 事実、精神病の存在様式において、さらには幼児期の「新生自己感(創発的自己)」のあり方(ダニエル・スターン)や美的創造のあり方など、そ…

分離の内面化――スキゾ分析と精神医学

「「スキゾ分析」が成立するための論点はどこか?」(impuissance さん)より: ガタリは 抑圧‐象徴界‐神経症の方ではなく、 排除‐現実界‐スキゾを含んだ精神病の方へと向かっていくという構図だが、 そこで現実界の豊かさを描こうとするのである(ガタリは…

「労働は、生きた、形を与える火である」(マルクス)

あちこちで引用されている、マルクスの記述をメモしておく。 『経済学批判要綱』より。 マルクス本人のドイツ語原文(PDF): 「Die Arbeit ist das lebendige, gestaltende Feuer; die Vergänglichkeit der Dinge, ihre Zeitlichkeit, als ihre Formung dur…

逸脱的であることへの技法

先日のエントリ「現実を対象化する技法」に関連して、志紀島啓さんに質問したところ、 ていねいにお返事をいただきました(ありがとうございます)。 「発達障碍、神経症、精神病について - @kay_shixima さん」(togetter) 以下、拝読してのメモです。 (1…

現実を対象化する技法

志紀島啓氏の tweet より: スキゾとアスペの差異をハイデガーのアレテイアとヴィルクリヒカイトの差異と考えてみてはどうか。2012-03-05 11:03:42 via web 最適解という考え方は極めてアスペルガー的。2012-03-05 11:07:00 via web アレテイア(aletheia)…