2005-01-01から1年間の記事一覧

『中央公論』2006年1月号 甲野善紀×内田樹 p.56-7

内田樹氏の発言より。(強調は引用者) 「これこれを教えてください」と言ってくる人って、学ぶ前の自分と、学びのプロセスが終わったあとの自分が同一人物だと思っているんです。学ぶ前と後で自分自身が主観的には少しも変化しないと思っている。知識や技術…

アカロフ「Economics And Identity」

「Abstract」を訳してみた。 この論文は、「アイデンティティ(個人の自己感覚)」がどのように経済結果に影響するかを考察する。私たちは、振る舞いの経済モデルに、「アイデンティティ」に関する心理学と社会学とを組み入れる。私たちが提案する効用関数で…

熱心な教育関係者は、よく次のように言う。

若者に、《社会性》を身につけさせなくてはならない。 その《社会性》が恣意的すぎませんか。 知識を教えるだけではなく、《人間として》育てなければならない。 「教える」と「育てる」は違う。 その言い方では、私の自発性のロジックが、あなた(教育者)…

「耐えられそうなトラブル」=「無意識的な怒り」

教科書の一行目から読んでいく作業は、たとえ強制であっても成り立つなら、子供に新しい動機付けの芽を生成させるチャンスになり得る。しかしそれがうまくいかず、拒絶反応の強烈さのみが「症候的自発性」*1として経験されるなら、無理やりの従順さは、自分…

 症候的自発性

整備

この執筆作業自体は、私の動機付けを整備するために為された。 何かに取り組んで成果を出すとは、次なる動機付けを準備する作業になっている*1。 *1:ひきこもりとは、次なる動機付けを滅却する作業になっている。

厳密に言えば、

実は「動機付け」には成功している場合が多い。 そういう場合には「動機付け」の問題ではなく、要するに「できない」。

「経済主体の行動原理」の《モデル化》について

「ケインズ経済学の逆襲!」(梶谷懐id:kaikaji 氏) さて、マクロ経済学における'the Missing Motivation'というのは何のことだろうか。これは、70年代においてそれまでのケインズ経済学にかわって学界の主流となったミクロ的な基礎付けを持つとされる(新…

稲葉振一郎氏の発言から引用

「論点を(また)整理するよ。」 ところがここから、つまり労働需要をいかに喚起するか、をめぐってひとつ対立が生じる。リフレ派としては基本的にマクロ的総需要を喚起して、そこから派生的に労働需要を喚起するという提案をするのみであるが、内藤、そして…

《交渉》と動機付け――「教育」と「労働」を駆動するもの

ひきこもりの話は、「抽象的規範としての閉じこもる権利」*1を確保したあとは、教育と労働における《動機付け》*2および《交渉》の話だ。 ▼動機付けを極限的に(生をあきらめるほどに)失敗しているが、その失敗において、貧しい形ではあるが「閉じこもる」…

出発点:「兄が引きこもり、リアルで氏んでほしい」*2

1 :さやか :2005/11/18(金) 08:40:51 ID:TIxiS8Q30 夜中にこそこそ冷蔵庫漁るなカスが 18 :(-_-)さん :2005/11/18(金) 09:06:43 ID:???O ホントは冷たくされるのが怖いから 夜中にコソコソ起きたりするんだ。 このまま突き放し続けたら 対人恐怖症と…

読み手の当事者性を賦活する議論がある。

「論じ手が当事者であれば当事者性を賦活できる」というわけではない。 賦活能力があるのは「より現実的な」議論。 最悪の方法は「説教」だ。

柄谷行人『定本 柄谷行人集〈4〉ネーションと美学』 p.4-5

マルクスは、商品交換は共同体と共同体の間ではじまり、その結果、共同体の中でも個人間でもなされるようになる、といっている。しかし、当然だが、共同体や家族の中にも広義の「交換」がある。それは、贈与とお返しという互酬制である。これはマルセル・モ…

景気と引きこもり

景気浮揚すればニート(若年就労)問題は改善する、という意見が経済学の専門家から出ているようで、確かに現在社会参加できずにいる人の一部はそれで大丈夫なのだと思う。 ▼しかし、バブル絶頂期に20歳前後を過ごした私(1968年生)は、景気が良かったにも…

リスク管理、セーフティーネット

TV番組「犯罪被害者 どう補償するのか」を部分的に観たが、犯罪被害について民事的に損害賠償を求めようにも、加害者に賠償能力がなければ「泣き寝入り」するしかない。 リアルに想像すると愕然とする。 ▼最近、建築士による構造計算書偽造が問題になってい…

「当事者」と「こども」

一部のロマン主義者にとっては、「こども」というのは、「絶対的な《当事者》」ではないだろうか。 天使であり、不可侵であり、崇拝の対象なのだ。 ▼「《当事者》というポジションの無際限な絶対化」と、「オレ様化する子どもたち (中公新書ラクレ)」とは、…

小田中直樹氏:「本田由紀『多元化する「能力」と日本社会』」

「ポスト近代型能力」は「近代型能力」を身に付けるために必要な能力であり、したがって後者のメタ次元に立つと考えるべきではないだろうか。 年内は「主体性を教育する」という営みの可能性について書いて(正確には「書きなおして」)いるところだし、年明…

規範と人命――「教育的介入」と「環境改善」

摂食障害や不登校・ひきこもりへの医療的介入には、「医療の形を取った教育的介入」という要素がないだろうか。▼だからといって単にそれを悪者視はできないのが難しい。現実に人の命が懸かっているのだから。放置は事実上の「見殺し」を意味する【→「人権か…

斎藤孝『教育欲を取り戻せ! (生活人新書)』

図書館の帰りに見つけ、本屋の店先であっという間にほとんど読んでしまう。 主張内容には文句があるが、資料として購入。 ▼ひきこもったりニートだったりへの「説教」は、《教育欲》だと考えればわかりやすい。 大人から若者への、若者間での、国家から個人…

合流と歴史性

これまではずっと「一人で穴を掘っている」感じだったが、最近、いつの間にか「横穴」が通じているような気がすることがある。 ようやくそういう状態になってきた、それぐらいには掘れるようになってきた、ということか。 ▼そうなってみると、自分のしている…

 途中経過

「関西で長時間できるイベントスペースを、どなたかご存知ないですか?」

以前原稿でお世話になった、黒猫房主(id:kuronekobousyu)さんの呼びかけです。 うまくいけば、稲葉振一郎さんと立岩真也さんの対談が関西で実現するかな。 僕の思いつく候補: 「cocoroom」 「ドーンセンター」 「A’ワーク創造館」 「應典院」 ほかにも情…

『論点ひきこもり』:「二流チャット企画――玄田有史氏について」

「ニート」問題をあえてクローズアップした玄田有史氏に対しては、本田由紀氏*1や、経済学者*2などによる批判が存在している。 ▼それを知った上で、あらためて玄田氏の果たしている役割、あるいはその周辺事情について考えてみます。 *1:【参照1】、【参照…

パソコンテレビ『GyaO』で、『リング』『らせん』観る

【ネタバレ注意】

自殺:「樹の海」

「各界からコメントをいただきました」のところを読んでいたら、今年9月に自死した見沢知廉氏の言葉が。 人間死んでしまえば、それまでの苦労や未来もなくなってしまう。 それを無駄にすることだけは嫌だな、と痛切に思い、 且つそれは無責任な逃避ではない…

嘆き

読まなきゃいけない本がたくさんあって、 勉強が追いつかない・・・

お願いとお詫び

「年賀状を出したいので、送り先を教えてほしい」というお問い合わせを複数いただいているのですが(ありがとうございます)、現在、公的な位置づけを持つ事務所を開いておりませんので、私的な住所ということになってしまい、お伝えすることができません。 …

『論点ひきこもり』:「二流チャット企画:本田由紀さん講演会から (下)」

【人的資本論】 【ニート図とひきこもり】 本田さんの講演を通じて、非常に重要な論点に触れられたように思います。

 継続

解消不能

何年か前の記憶。*1 飲み会後、女性と2人で同方向に帰ることになった。深夜で心配なので、少し遠回りして送っていく。帰宅後、その女性からメール。 私、彼氏いますから。 読んだ瞬間、台所に突っ走ってコップ酒3杯一気飲み。さらに泥酔して翌日は嘔吐5時…