斎藤孝『教育欲を取り戻せ! (生活人新書)』

図書館の帰りに見つけ、本屋の店先であっという間にほとんど読んでしまう。 主張内容には文句があるが、資料として購入。 ▼ひきこもったりニートだったりへの「説教」は、《教育欲》だと考えればわかりやすい。 大人から若者への、若者間での、国家から個人への、《教育欲》。 本田由紀氏は教育が内面をいじることへの強い嫌悪を表明しているが、これは「規律訓練型 → 環境管理型」(東浩紀)をむしろ積極的な提言として、「システム的支援」として遂行することか。 ▼客観的能力としての職能(スキル)と、それを構成するための必然的要件としての内面的自発性*1。 教育における《能動性》という致命的モチーフ。 強引すぎる「内面への介入」を斎藤孝氏は「教育レイプ」と書いている。 ▼過剰すぎる「教育への情熱」という論点において、システムと能動性の関係がクリティカルに問われる【→ そこにおいて中間集団が果たす機能】。 ▼自分の自分への教育熱。 オタクの人が漫画世界に習熟するような、即自的没頭による人的資本蓄積*2と、自己を対象化して為される苦行のような自己教育(人的資本蓄積)。



*1:これは哲学や思想史では「主体 subject」とか「志向性」とかの伝統に連なるの?

*2:参照