共生

先日のイベント(「育て上げ」ネット主宰)*1でパネラーとしてご一緒した佐藤透氏*2「NOLA」代表)は、当事者と農作業を共にするなど、「寄宿共同生活体験型」の自立支援活動をされているのですが、その良さについて、大意つぎのように語られていました(取り上げる発言は個人的な会話ではなく、すべてイベント内でのオフィシャルなものです)*3

 通所型だと、きついことを言うとすぐに来なくなる。 しかし一緒に住んでいれば、こちらと顔を合わさざるを得ない。

一緒に住んでいることによって発生する、小さな強制力のことですね。
私が先日の番組を紹介し、「強制労働」という言葉を持ち出したことについても、「強制労働でいいんじゃないかな(笑)」とのこと*4


重要なのは、佐藤氏がご自分で申告された「成功率」です。

 1年ちょっとで、70%以上の子がアルバイトなどを始める。 長期的に見れば成功率は90%以上。

これはすごい。
このまま家の中で死を待つのではなく、「何とか社会復帰したい」と考えている当事者にとっては、チャレンジする価値があるでしょうか。







*1:引きこもりに関する定例会(@「クレオ大阪南」)。 当日は、まず最初に樋口明彦氏による簡潔にして要を得た講演(ひきこもり論)が1時間あった。

*2:佐藤氏は1964年生まれ。 ご自身が高校時代に不登校を経験しており、1983年にお母様を、1988年にお父様を亡くされています。(イベント会場にあった「NOLA」パンフレットより)

*3:記憶に頼ったレポートなので、使用語彙や言い回しなどが違っていると思いますが、発言趣旨は外していないはずです。もちろん、誤りがあればすぐに訂正し、謝罪します。

*4:発言の前後の文脈もあるので、現場では特に問題にならなかったし、殺伐とした発言ではありませんでした。 しかし、やはり重要な論点に関わるご発言だと思います。