会議が始まった。

 最初に全員が簡単な自己紹介。両国とも10人ずつぐらいの参加者だが、韓国側は漫画家さんとネット中毒の専門家?をのぞいて全員ソウル大学(と誰かに聞いた。日本でいう東大ですね)出身の精神科医。日本側は精神科医斎藤環さんだけで、あとは社会学、哲学、心理学、学校関係者、フリースクール主催者、当事者、韓国の若者事情に詳しい方、など多彩。


 僕が「当事者です」と自己紹介したら、気のせいかイリオモテヤマネコを見るような目で見られる。あとで訊いたら、韓国ではヒキコモリ当事者が公の場所で実名を晒して発言するなどあり得ないそうだ。いや、日本でも2000年当時は僕ぐらいだったし、今でも少ししかいませんが・・・*1


 僕の自己紹介中、事前の心配が的中。道路からドアを開けて、50代とおぼしきオッサンが何やらわめきながら乱入してくる。どうやら「お前らこんなとこで何やってんだ、バカヤロー!」みたいなことを叫んでいたらしい。テーブルとかを殴りつけながら会場を横切って出て行った。ああ。


 ところでこの会議、当然だがお互いに相手の言語が分からないので、発言者は自分の発言をみじかく区切って翻訳を待ち、また次の言葉をすこし話す、というやり方。ひどく難しい。いい経験ですが。



*1:ヒキコモリ当事者が実名や顔を晒すことの是非については、後日また取り上げたい。