さて、ちょっと言いにくいのですが・・・・。

 会議の進行にともなって、韓国側の極端な権威主義――としか言いようのないもの――が明らかになってくる(これは日本の精神科医においても同断なんだろうか)。最も年長で真ん中に座っておられるイ(Lee Si Hyung)氏を中心として、座っている順番に見事にピラミッド型の人間関係を成している。イ氏の人脈で来ていただいたせいなのか、あまりにも露骨なヒエラルキーを感じて辟易。


 さらに気になったのが、日本側への対応。韓国側は、要するに「斎藤環」の発言しか期待していないのではないか。というか、質問はまず中央に座っていて「最も権威者」の斎藤環に向けるのが礼儀だと思っているフシがある。斎藤さんが答えている内容は、斎藤さんのヒキコモリ本を全部読んでいる人には周知の内容ばかり。これでは何をしに来たのかわからない。
 まるで「斎藤環とイ氏の対談にみんなが付き合っている」構図。


 イ氏ご自身は「ヒキコモリに関心を向けている時点ですでに韓国では傍流ですよ」とエクスキューズされていたみたいだが、少なくとも日本のヒキコモリ当事者は「権威体質」というものに激しいアレルギー反応を示すし、周囲の人間の権威主義に傷つけられてきた人間が多い。韓国での当事者事情は分からないが、ちょっと気になる。