2004-06-25から1日間の記事一覧

「人間の苦痛緩和」

繰り返しがあったり、いただいたコメントを取りこぼしていたりして穴だらけですが、ひとまずこんな感じでしょうか…。 僕は(立場上)話を「ひきこもり」に限定しましたが、 「苦痛緩和の選択肢としての安楽死(尊厳死)」は、「経済的困窮」や「精神的苦痛」…

おびえ

今回の僕の「安楽死」エントリーについて、「社会的役立たずとして抹殺されるのではないか」というおびえの声があがったことは、注記すべきだと思います。 立岩真也氏によれば、「どの国でも障害者の組織は安楽死に反対してきた」*1。 ひきこもりは、他の社…

「私、安楽死を希望します」の模擬ミーティング

今日のエントリーで繰り返し参照させていただいた清水哲郎氏は、「安楽死が倫理的に正当化される条件」として、上記の判例のほかに、次の項目を付け加えています。 (c) 患者の意思確認のプロセスは十分なコミュニケーションとケアによるものである (d) 医師…

「極小値=特異点=出口なし」?

id:essa さん: なんとも途方もないような重い話ですが、id:ueyamakzk さんにとってはすごく現実的な話ではないかと想像します。 ひょっとしたら、ueyamakzk さんは、それ以外に苦痛から逃れるすべを持たない人の顔を具体的に何人か思い浮かべながら、こうい…

「都合のよい自己決定」

立岩真也氏が懸念するのは、「本人以外にとって都合のいい安楽死」という点だと思います*1。 具体的に誰にとって都合がよいのか。 負担を免れる人にとってである。 家族だけがその負担を負っている、負わされているなら家族であり、また社会的に医療や介護の…

積極的と消極的

積極的安楽死(死なせる kill)と、消極的安楽死(死ぬに任せる allow to die)。 斉藤環氏が強調していますが、重度のひきこもりは放置されれば自律復帰はまず不可能。 → 社会がひきこもりに無対策であるなら、それは「消極的安楽死」に近い。 「放っておけ…

SOL(生命の尊厳) と QOL(生活の質)

「日本尊厳死協会」では、尊厳死を「自分の意思で延命治療をやめてもらい、安らかに、人間らしい死をとげること」としていて、「安楽死=他殺」と区別しているようです。 しかし、「安らかに人間らしい死をとげる」のは「当然追求されるべき目標」なので、こ…

「自発的」のみです

id:anhedonia さん: ひきこもりにとって《決断》することが最大級の苦痛だから、ひきこもりにとっての安楽死とは、「自殺のための決断(自己決定)を回避して『気が付いたら死んでいた』状態にする」つまり、限りなく他殺に近い状態で死ぬことを目指してる…

安楽死が正当化される条件

東海大病院・安楽死事件の判例では、「積極的安楽死の4条件」として、次が示された*1。 (1) 耐え難い肉体的苦痛がある (2) 死が避けられず、その死期が迫っている (3) 肉体的苦痛を除去・緩和するために方法を尽くし、他に代替手段がない (4) 生命の短縮を…

 「ひきこもりのための安楽死(尊厳死)」をめぐって

1回ここにアップするとそのまま寝込んでしまう、というような状態が続いていて、どうも我ながら危機的です…。 「ひきこもりのための安楽死(尊厳死)」というエントリーに、コメント欄をはじめ様々のレスポンスをいただきました。 論点を網羅することはでき…