「死に場所難民」

人口ピラミッドのデータ」*1
http://www.ipss.go.jp/site-ad/TopPageData/Pyramid_a.html
    
1930年はきれいな富士山型。 今後は65歳以上が異様に多く、
医療・介護・看取りの仕事が膨大に増える。


「今後の看取り場は?」*2
http://goo.gl/FSKbk
「その他」が急激に増えることが予想されている*3


以下の本によると、2030年には年間死亡者数が現在の4割増、165万人になって、
死に場所のない「死に場所難民」が大量発生するとのこと(以下、強調やリンクは引用者による)

無縁・多死社会 (データでわかる日本の未来)

無縁・多死社会 (データでわかる日本の未来)

今は死亡者の8割が病院等で亡くなっているが、

 高齢者医療費の高騰(参照)を抑えるため、高齢者など慢性疾患患者用に病院内に設けられた長期入院のためのベッド「療養病床」のうち、 介護保険が適用される介護型病床(介護療養病床)は、2011年までに廃止されることが決定(参照。 その他、医療型病床も15万床まで減少させる方針が打ち出されている(参照)。 この施策によりはじき出された老人は、介護老人保健施設特別養護老人ホーム・有料の老人ホーム・グループホームなどに移し替えられることになっており、「場所別死亡者数の推移」グラフで「その他(有料老人ホーム・高齢者向け優良賃貸住宅など)」が増えているのはそのためである。

 とはいえ、そもそも独り暮らしであったり、在宅介護は家族に負担がかかるなどの理由から、6割以上の人が自宅で最期を迎えるのは難しいと考え、臨終の場には、末期がん患者や老衰を迎える高齢者などのための終末期医療施設を望んでいる。

 ところが、 《医療機関の病床数の増加なし、介護施設は現在の2倍、自宅での死亡は1.5倍》
 という前提 http://goo.gl/FSKbk の場合、2030年の約165万人の死亡者は、

病院での死亡が約89万人、 自宅約20万人、 介護施設約9万人、 その他約47万人

になるとされている。 この「その他約47万人」が死に場所のない「死に場所難民」なのだ。 実際には、老老介護世帯や高齢者単独世帯の増加で、自宅でも病院でも死ねない「死に場所難民」がもっと増えるだろうとも言われている。

 しかも2055年には介護従事者が100万人以上足りなくなるという推計もあるなか(参照)、「在宅介護(在宅医療)」は絵に描いた餅にしかすぎない。 このままでは自宅で満足な医療、介護も受けられないまま「独居老人の孤独死」に至ってしまうほかない。 (同書p.248)



施設・病院や自宅で死ぬには、経済力や親密圏が要る。
さらに引きこもり・不安定就労・野宿などの先行きを考えると、
「社会的な処遇を受けない死」は、高齢者だけの問題ではない。


こうした状況は、すでに生じている異状死の急増(平成9年に9万体⇒平成15年に15万体)と整合的に思える。