「ニート」という単語について、「功」と「罪」をあらためて検討するべきではないか。
『分岐点に立つひきこもり』(p.19-20)、樋口明彦氏:
そんなに単純によその国の概念を持ってきていいのかと、まず思いました。それに、「ニート」自体、曖昧な言葉で、概念としてあまり良くないとも感じました。
他方で、実践者としては、また違う印象を持ったのも事実です。つまり、若年者政策の事情を見ていると、実際に「ニート」という支援対象者に向けて動き出しているのです。そうなると、これが必ずしも概念として妥当ではないからと言って、ほうっておくわけにもいかない。厚生労働省や自治体などの予算がついてくると、支援活動のために使えるものは使わなくてはならないという状況に、立たされてくるわけです。
樋口明彦氏作成の図に田中俊英氏が加筆