2006-02-14から1日間の記事一覧

『「ニート」って言うな!』について (4)へ

「ひきこもり」との関係における功罪いくつか

言説環境の変化 かつてのひきこもり業界においては、労働規範を強要する「説教」があまりに有害であるため、そもそも「就労」を話題にすること自体がタブー視されていた。しかし「ニート」の流行により、就労をも視野に入れた議論の雰囲気が当たり前になった…

政治(予算)

「ひきこもり型ニート」はたしかに「ごく一部」(本田氏)かもしれないが、逆に言えば、大々的な言説戦略がなければ、そのような存在はずっと政策課題になり得ず、「ペット以下」と呼ばれて終わっていたのではないか。▼そもそも、「ひきこもり型ニート」とさ…

現場

内藤朝雄氏が槍玉に挙げた「育て上げネット」理事長・工藤啓氏による、『「ニート」って言うな!』評: どうしても現場にいないひとたちなので、批判っぽくなるし ニートだろうが、何だろうが実際に目の前にいるひとをどうするのか っていう具体策はない。 確…

「支援業界」の外にとっての「ニート」運用益?

それを探る試みとして、たとえば『ユリイカ』2月号「特集・ニート」。 「直接的支援」であるがゆえに、支援たりえない支援というものもあるのではないか。

「ニート」という単語について、「功」と「罪」をあらためて検討するべきではないか。

『分岐点に立つひきこもり』(p.19-20)、樋口明彦氏: そんなに単純によその国の概念を持ってきていいのかと、まず思いました。それに、「ニート」自体、曖昧な言葉で、概念としてあまり良くないとも感じました。 他方で、実践者としては、また違う印象を持…

「言説」「実態」「具体案」のそれぞれの吟味は、分けて考える必要がある。

『「ニート」って言うな! (光文社新書)』の中心事業は、あくまで「歪んだ言説の吟味」(それ自体はきわめて重要な仕事)*1にある。 一方的な偏見がなくなることは、苦しみを大いに軽減させる。しかし、それは問題のすべてではない。 ▼内藤朝雄(id:suuuuhi)…

『「ニート」って言うな! (光文社新書)』について

chiki(id:seijotcp)さん、井出草平(id:iDES)さんと読書会チャットを行い(1月末)、多くを学んだ*1。 この本自体は、ゆがんだ言説の横行に対する重要なカウンターであり、ぜひとも流通してほしい。 ▼私としては、「ひきこもり」に固執する立場から批判的…