• ひきこもりが精神科において最も受けやすいレイベリングは「回避性人格障害」。 つまり「常軌を逸するほど(病的なほど)現実逃避的である」と見なされている。 → 「現実逃避」は、ひきこもり当事者(経験者)が受ける差別や悪罵の核心に位置している。
    • ひきこもりの無能力は「現実に対処(直面)できない」であり、いわば「逃避しかできない」という障害を抱えた状態。 命懸けの「逃避=無力」。 有力化(empowerment)は「直面能力」に関わる。
    • 僕が当事者(経験者)として「現実逃避」(とされるもの)の擁護に回っても、「それはお前が現実逃避的だからだろう」となる。 例えば「フーコーは同性愛者だから、彼が同性愛を擁護するのは当たりまえじゃん」と言われてしまうように。 → 「ゲイめ!」という罵倒発言を引き受けるようにして、「現実逃避者め!」という罵倒語を引き受けてみる。 → 「お前は自分がひきこもり(経験者)だからひきこもりを擁護してるだけだろ」と言われるしかないのか? それとも「利己的な自己擁護」以上の正当性を主張できるか?
    • 「病気(精神障害)」は、「逃避」とは言われない(差別や排除の対象にはなり得るが)。 「病気ではない人間の逃避」は、道徳的に糾弾される。 → ハード(器質)レベルの問題とソフト(思想)レベルの問題? 「病気か葛藤か」。 「葛藤なのに、病気のように苦しい」というよじれた状態。