思想と経済

当ブログで最近「自由」とか「世論の保守化」みたいな話をヒキコモリとの関連で取り上げて、結局どちらも「≪経済≫の話に帰着するんじゃないか」というのが僕の見方なんだけど、思想と経済の結びつきについて次のような話が。

人文的に「自由」を語っても、「それじゃ生き残れないよ」となれば、思想を選択している余裕はなくなる。「人間社会を動かす動機は、究極的には経済的なものだ」というのはマルクスも言いそうだけどフロイトが語っていて*1、ずっと気になってる。


昨日のコメント欄でたくさん書き込みいただいて(ありがとう!)、久しぶりに僕も長文の書き込みをしたんだけど、「教育」でいちばん大切な課題は、「経済生活を送れるようにすること」じゃないだろうか。
「お金を稼げる」ということは、「社会の中で、一定の機能を果たす」ということでしょう(スポーツ選手もアーティストもみんな)。どういう機能に向けて自分を特化していくのか、というのが最重要テーマじゃないでしょうか。


「自由」云々という思想の話では、「弱者への富の分配」というのが大きなテーマらしいんだけど*2、思想でいくら説得されても、「でもそれでは皆が食べていけないよ」で話が終わらないか。
以前に杉田俊介さんから「basic income」(生活の最低保障だけは全員に無条件に与えて*3、「働く」のはそれ以上の豊かさの欲しい人だけ、という制度)を教わって驚いたんだけど、ネットで調べてもよく分からないし、「現実味がないなぁ」と思ってシラケてた。ところがさっき検索したら「世界規模のベーシック・インカム」という先月アップされたばかりの文章が出てきて、筆者の方(なんとベーシックインカムを研究テーマにされてる)は立岩真也さんにも教わっているらしい。
う、ひょっとしてついに決定的テーマが出現したか・・・・。



*1:精神分析入門』ISBN:4102038051、p.401

*2:学部生レベルの知識もないので、間違いのご指摘よろしくお願いします。

*3:【28日追記:ベーシックインカムは、「最低限の生活を保障する」とは限らず、「成人全員に一定額を給付する」ということのようです。支給額は少なくても「ベーシックインカム」というんですね。】