ほぼ日刊イトイ新聞 「周防監督と話しました。」

映画「それでもボクはやってない」監督・周防正行氏と、糸井重里氏の対談、(1)〜(15)まで。
発言内容から、いくつかだけピックアップ。

  • 痴漢は、もしかしたら韓国と日本だけの犯罪かもしれない。
  • エレベーターのドアが開いても、女性が1人で乗っていたら、男性は乗り込んではいけない。 密室で2人きりになったとき、もし何もしていなくても、何かを言われたらアウト。
  • 「無罪が金で買える」というのは、「札束で事実を揉み消す」ということではなく、お金がないとまともな弁護士を雇えず、冤罪になってしまうという意味(アメリカ)。
  • 供述調書は、一人称独白体で、「真犯人でなければ語ることができない迫真性に満ちたもの」を物語的に書かなければいけない*1。 これには1000年の歴史があり、簡単に直るものではない。


  • 【メモ】
    • 何を犯罪とみなすか、どこに責任があると考えるかは、時代と国によって変わる。
    • 権力が、「迫真性のある当事者発言」という物語的な真実を必要とし、利用している。
    • 「証言」のリアリティ=信憑性。 黒澤明の映画『羅生門』では、同じ殺人事件についての3人の証言が、ひとつの真実ではなく「3つの事実」を描き出してしまう。
    • 「ひきこもりのリアリティ」は、証言をいくら重ねても共感されないし、「真実味がない」とされる可能性が高い。 いくら説明しても「わからない」と言われる。






*1:【参照】: ある事件での、「供述調書の実物