「アメリカ精神医学会「DSM」執筆者の製薬業界との金銭的な繋がり」(id:macskaさん)

  • DSM-IV とその一部改訂版 DSM-IV-TR の執筆に関わった170人の専門家について調べたところ、そのうち95人(56%)は何らかの形で製薬業界とのあいだに金銭的な繋がりを持っていた。
  • 気分障害」(躁鬱病など)と「統合失調症及び他の精神病性障害」部分の担当者に限れば、全ての執筆者が製薬業界とのあいだに金銭的な繋がりを持っていた。

権威ある情報の生産者が、その情報によって収益を大きく左右される団体から収入を得ていた*1。 ▼「ひきこもり」の周辺で言えば、製薬会社が「社会不安障害」という呼称を強く推すことにも、似た事情があると思う。 当blogでは何度か触れているが、ひきこもりという状態像のコアを形成する事情については、薬はほとんど何の役にも立たない。

    • 「役に立つ」とすれば、それは「クスリで心をコントロールする」という話で、また別種の議論を用意する必要がある。 ロボトミーと同じで、ある種の薬を乱用すれば「悩まなく」なるだろう。 ▼国家や支援団体がそのような服用を強制すれば重大な問題だが*2、本人がもはやクスリしか望んでいないとすれば、どう考えればいいか。

不登校・ひきこもりの周辺関係者は、「医者の治療主義」には極端に敏感だが、「製薬会社の薬物主義」には、寛大に見える。 「製薬業界の利益のために薬漬けにされるかもしれない」という懸念についてはもう少し問題化すべきだと思うが、逆に言えば、「どうしてクスリをやめなければならないのか」が、問われるのだと思う。 ▼クスリをやめたって、もう苦痛に満ちた人生しか待っていないのかもしれない。



*1:読者からの事後的なフィードバックによって、情報の信用度がチェックされるというのは難しいのだろうか。 あるいは、「どの製品を使っても同じだから、名前を出してもらった会社の勝ち」とか?

*2:これも現場からすれば、かなり細かいエクスキューズが必要な説明なのだと思う。