「就労しない自由」

講演の質問時間に、学校教員になることを志望している学生から、「ニート増加などが言われているが、教師としてどうすればよいか」という趣旨の質問があった。それへの斎藤環氏の返答。(大意)

 「人間は就労しない自由もある」ことを、教育現場で伝える必要がある。

さらに続けて、「就労しないで生き延びる方法を考える」云々。
次のような実例が紹介された。

 ある家庭では、ひきこもっている子供にマンションを買い与え、「毎年100万円×30年間」の提供を親が約束した。

経済事情も違うし、契約の細部はもちろん各家庭で違って当然だが、これが親子間での《交渉》の実践であることに注目したい。▼実際にこんな金額を提供できる家庭ばかりではないわけだが*1、宿泊型の支援団体を利用すれば、(たとえばある団体では)年間300万円かかるから、あり得る選択肢の一つとしてはじゅうぶん検討可能だと思う。▼現実問題として、「一生働けない」という人は多いはずだ。



*1:貧しい家も多い