「摂食障害」と「ひきこもり」 ―― 類似と相違

  • 摂食障害と医療の関係」が、「ひきこもり支援」と同型の問題を抱えるというご指摘にうならされた。
    • 「食べない」のは、「本人の意志」によるのか、「やむにやまれぬ受動的苦痛」なのか。
    • 「放置して見殺しにする」のか、「本人の拒絶を無視してでも強制的に治療行為に踏み切る」のか。
          • 「人権尊重」か、「人命尊重」か
          • 【追記 : どこで読んだのか忘れちゃいましたが、たしか≪人権≫は、国家と個人との関係を説明する言葉。 だから民間の支援団体や病院が当事者を強制的にどうこうしても、その行為自体を「人権侵害」と説明するのはおかしいハズです。 単に「犯罪行為」にあたるわけか。 → 引きこもり支援が法的に問題含みの局面を持ち得る、ということについては、考えておく必要があると思うのですが。 「拉致監禁された」などといって当事者が支援者を訴えたら、ケースによっては敗訴するんじゃないでしょうか?】


  • 「犯人探し」において親との関係が問題になったり、現代の流行文化との関係、ジェンダー論的問題意識など、共通するテーマが多い。 【そもそも、摂食障害をきっかけに引きこもり状態に陥ってしまうかたもあると聞く。】
    • しかし、摂食障害(とくに拒食症)は、短期的に命に関わるが、ひきこもりはそうではない。 また、「ひきこもり」そのものは「病気」ではない*1が、摂食障害は「病気」として考えてよいのだと思う*2。 → 私がうかつに「ひきこもり」との同型性を主張したら、摂食障害の方々からは反発があるかもしれない。
    • 抱える苦しみや問題点について、「共有していること」と、「違い」について、検討してみたいのですが、いかがでしょうか。








*1:病気とは認めてもらえないからこそ苦しいという面もある、ということはたびたび指摘してきた。 たとえば、こちらこちらを参照。

*2:違っていたらご指摘ください。 摂食障害の問題については、わずかなことしか存じません。