「リスクと恐怖のマーケティング」(神足裕司)

 安倍政権は技術革新をテコに経済成長を目指すため、「イノベーション25」を掲げ、医薬品の実用化を「1丁目1番地」として、最も重要な課題に挙げた(日本経済新聞、2006年11月24日)。


 アメリカでは1960〜80年まで処方薬の売り上げがGDPの1%でほぼ一定だった。 それが1980〜2000年の20年間でほぼ3倍になり、1年間の売り上げで2000億ドル以上になった。 アメリカでは製薬業界は、80年代初めから収益性の高い産業の第1位。 【中略】
 HIV訴訟弁護団や薬害オンブズパースン会議が催した専門的な集まりだが、そこで驚天動地の事実が語られた。 もはや製薬会社の研究データは「科学」でなく「マーケティング」になっているというのだ


 体重計が発明されたのは、1870年。 それが普及して1920年から摂食障害が見られるようになった。 大通りに体重計が置かれて「理想の体重」を皆が気にし始めると摂食障害は社会問題に。 これが「リスクと恐怖のマーケティング」だという。

「体重計が摂食障害の原因」とは思えないが・・・。
「近代化の時期」云々と関係?

 もはや、製薬会社は、「こんな新しい病気が発見された」と宣伝するだけでいい。 【中略】
 で、アメリカの製薬会社が大量に売ったのは、抗うつ薬。 そして、みなさん御存知のバイアグラ。 元々はわずかな患者数しかいなかったはずなのだが、爆発的に売れた。 【中略】
 向こうで売れなくなった薬品を日本に招き入れる結果にならなければいいのだが。