投げる場所か、入る場所か

 ひきこもりについては、いろんな人がいろんなことを言う。ひどく罵倒したり、熱っぽくあこがれを語ったり、自分の思想をそこに仮託したり。要するに「ひきこもり」は、人がそこに自分の話を投げ込むフレーム(枠組み)なんだと思う。
 僕は僕で、そのフレームを通じてものを考える。他の人にとっては、「ひきこもり」はそこに向けて言葉を投げつける場所かもしれないが、僕にとっては「そこを通って世界に出てゆく場所」、その入り口なのかもしれない。