【2004年11月の追記】

私は2000年9月3日に、大阪で開かれた第2回 「全国犯罪被害者の会(NAVS)」 シンポジウムに聴衆として参加しました。 以下の原稿は当日の夜から翌朝にかけて書いたレポートであり、当時一部のメーリングリストに投稿したものです。


拙著『「ひきこもり」だった僕から』にも書きましたが、私は昔から「トラウマ」という概念が気になっていました。 トラウマというのは犯罪だけの問題ではありませんが、「自分も犯罪被害に遭うかもしれない」という強烈な念慮は、明らかに私の外出恐怖の一端を成していました(今とて消えたわけではありません)。


うまく説明できませんが、「ひきこもりは犯罪者予備軍」という世間の偏見にも拘わらず、私の想像力はつねに被害者の側にある。
理由はよく分かりません。


深刻な引きこもり状態にあった私が最初に外界との接点を探ったのは、インターネットで「トラウマ」「PTSD」を検索することによってであり、最初のきっかけであった Aimee との出会い(拙著に詳述)も、そこから生まれました。


シンポジウム直前に知り合った Kさん (1998年の殺人・死体遺棄事件でお姉さんが他界)は、当時のシンポジウム・スタッフで、彼女から開催を聞かされたのが直接のイベント参加動機でした。


シンポジウムから4年が経ちましたが、被害者の置かれた状況は今も本当に深刻で、私は当事者の事情説明をほとんど冷静に聞くことができません。


「被害者の会(NAVS)」発起人の一人だったしぶやとみこ*1(埼玉県嵐山町町議)は、2001年11月に同会幹事を辞任されています。 ご本人の説明を読むと、「当事者同士」の間にもさまざまな難しい課題があることがわかります。 私には細かい事情はわかりませんが、ひとまずシンポジウムの一参加者として、以下のレポートを掲載します。


いま読むと本当に稚拙なのですが、自分がイベントルポとして最初に書いた文章であり、参加当時の雰囲気を残したくもあるので、手を入れるのはわずかだけにしました。 当時の私は、「ひきこもり経験者」として、親の会での発言を開始した直後でした。
【被害者やご遺族の発言を引用していますが、逐語的ではないかもしれません。 また、記載内容や、このレポートの公開そのものに問題があれば、ぜひご連絡ください。 すぐに訂正・削除など、対処させていただきます。 ルポ掲載にあたって私が経験した逡巡については、ぜひ「ルポ掲載にあたってのやりとり」をご覧ください。】





以下、当時のイベントルポ








*1:ご本人が、暴力団員の襲撃により大怪我を負っている。 → 参照1参照2