斎藤環 「脳はなぜ心を記述できないか」 講演レポート 2

講演レポート1】、 【講演レポート3】、 【講演レポート4





ベイトソンの学習理論
「心脳問題」については私(斎藤)の思考実験を含むので聞き流してもらってもいいですが、ここから先はとても役に立つ思考ツールの紹介になります。
ベイトソンは、生物的主体(Organic Subject)としての人間について、より多くのことを研究した。 それゆえ彼は人間とイルカを区別せず、「どちらも学習ができるし、言葉も使える」という(これについてはやや限界を感じる)。 しかし、彼の学習理論は非常に洗練されたもの。


ベイトソンは学習を5種類(学習0〜4)に分類し、だんだんメタレベルに繰り上がる仕組みになっている(階層的な学習理論)。 私(斎藤)はここから、「学習は脳のレベルでしか起こらない」「心のレベルでは学習は生じにくい(生じたとしても維持できない)」と思いついた。